世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

京都への海からの入り口だった小浜には京都らしいものがずいぶんと残っています

2005-11-13 15:56:44 | 日本の町並み
 かつて内陸の京都に日本海の産物を運んだ道がいくつかあります。今回は、その街道一つ「さば街道」の起点にあたる福井県の小浜(おばま)をとりあげます。
 鉄道などの無い時代は京都からさば街道などを通って山越えで歩いて小浜に抜けたのでしょうが、現在はJRの湖西線で今津まで行きJRバスで「さば街道」の一部をたどる方法と、最近に電化されたJR小浜線を経由する方法があります。ただ京都から小浜線にたどり着くまでは、湖西線・北陸線で敦賀まで行き東の端から入るか、山陰線を綾部まで、そこから舞鶴線で東舞鶴を経由して西からアクセスするか、どちらを辿っても真北の小浜に行くのに「くの字」型に遠回りをさせられます。
 小浜は京都への物の入り口となったためか、海の小京都と呼ばれ京文化の通り道として数多くの文化財が残っています。不便な場所にあるためか、京都の観光寺院のような雑踏にさらされることも無く、ゆっくりとお寺めぐりができます。なかでも明通寺(みょうつうじ)は鎌倉時代に建造された本堂と三重塔が国宝指定され、本堂内にも重要文化財の仏像を安置する1200年の歴史あるお寺です。多くの三重塔が軒の浅いずんどうなスタイルをしていますが、明通寺のものは桧皮葺(ひわだぶき)で軒が深く、山口の瑠璃光寺の五重塔と同じように軽やかな感じがします。
 明通寺の他にも仏像や建物、それに庭園など京都に負けないようなお寺が散在しています。面白いのは、神宮寺にある水送りの儀で、奈良の二月堂のお水取りの前に、水を送る儀式が行われます。地下の深いところで二月堂の若狭の井と神宮寺近くの川の鵜の瀬とはつながっているようです。これらの寺々をダイヤ密度の少ない路線バスで回るには無理があるため、4年前までは午前/午後と半日ずつのJRバスのツアーがあり8ヶ寺を巡拝できました。その後は他の事業体によって廻る寺数を縮小して運行されているたようですがどうなったでしょうか。
 小浜の魅力はお寺だけではなく、「めのう」や若狭塗のお土産や、若狭湾に面した漁港からあがる新鮮な海の味覚が楽しめます。また、若狭湾の外には奇岩の続く蘇洞門(そとも)があり観光船も出ています。30数年前に訪れた時には、蘇洞門の中心の大門のところで「大魔神」の映画のロケをやっていました。大魔神というと現在では佐々木選手のニックネームで有名ですが、そのルーツは岩山に彫られた巨大な神像で、世の中に不正が起こると、岩肌から抜け出して悪者を懲らしめる、というストーリーの映画の主人公でした。
 不正といえば、ネットワークを経由して情報をやり取りする時には色々な不正が起こる心配があります。暗号による通信は、内容を盗まれないための防止策であり、認証技術は接続されているサーバやクライアントが本物であるかどうかを識別しています。セキュリティの技術はいたちごっこの感がありますが、大魔神の出番を不要にするような技術が出現してほしいものです。


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