世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

壁の傷まで再現したワルシャワ旧市街(ポーランド)

2005-11-09 15:58:07 | 世界遺産
 ポーランドを地図で見ると分かるように、山がほとんど無い平原の国で、国名もポーランド語の平原を意味するポーレからきています。日本より狭い国土ですが、山が多い日本より有効に使える国土はずっと広いようです。平原が多いということは、反面として外敵から攻め入られやすい欠点を持っていて、絶えず周辺諸国からの侵略の憂き目を受けてきました。日本からはずいぶんと遠い国のように思いますが、ポーランド人に言わせると「日本は隣国だ、間に1国しかないから」ということになるそうです。
 現在の首都のワルシャワがはーランドの中心より東に位置していますが、これはソ連の支配の頃に、国土の東側が削られ、逆に西側が膨らんで、あたかも国が西のほうへ移動し、旧来は国の中心であったワルシャワが東寄りになってしまったとか。
 このワルシャワの旧市街が世界遺産に登録され、多くの観光客が旧王宮やバルバカンなどを見て回っています。旧市街の中には、おとぎ列車のようなトレーラが走っていて、座ったままで旧市街の主だったところや周辺の観光スポットを見て回ることができます。まずは、これに乗って町の全体像を把握しておいて、後で気に入ったポイントを歩いて回るのが効率的のようです。
 世界遺産と聞くと、旧市街の建物群はさぞや古いものであろう、と思われるのですが、実は第二次大戦でことごとく破壊された後に、図面や記憶を頼りに、建物のひびまでも忠実に再現して再構築された町なのだそうです。戦後の日本が、焼け野が原にまったく新しい町を作ったのと対照的です。石造りで壊れても廃墟として残るものがあるヨーロッパの建築と、木と紙で作られて燃えてしまえば何も残らない日本の建築の文化の差にも影響を受けるものなのでしょうか。
 新しい規格を作る時に、旧来のシステムとの互換性を持たせるのか、互換性にとらわれないでまったく新しいものとするのかは、ITの分野ででもよく問題となるようです。どちらも利点と欠点を持ちますが、標準化で複数の規格が並存するのは、消費者の立場からは避けてほしいものです。


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