世界遺産と日本/世界の町並み w/IT

世界遺産と日本/世界の個性的な町並みをITを交えた筆致で紹介します。

生活の場になっているから面白い京都の町家

2005-11-06 15:59:03 | 日本の町並み
 柳井の名物は「みかど餅」でしたが、現在の天皇(みかど)の祖先は神武天皇とされています。その神武天皇が日向(ひゅうが)から東征を行った時に、天皇の弓にとまったのが金色のとび(金鵄)でその光で敵の目をくらましたいわれています。この金鵄(きんし)を銘柄とするお酒が京都にあります。現在は伏見に移転しましたが、かつては二条にあって、その遺構が堀野記念館として保存されています。昔の酒蔵の一部や酒作りに使った桃の井、それに典型的な町家(まちや)の建物が公開されています。
 京都の町家は現役で人が住んでいたり、お店として使われているものが多く、建物の外からや、お客として店先から眺めることになります。外からでも、ベンガラ格子やバッタリ床机(しょうぎ)などが残っていてどこかで見た懐かしい風景を味わえますが、間口の大きさで税金がかけられたために、うなぎの寝床状の奥行きの長い土地に、明り取りの坪庭を配した建物は中に入れないと感じがつかめません。
 これらの町家に住んでおられる知人がいらっしゃる方を除いて、内部を見学するためには一般公開されている町家が対象ということになります。堀野記念館の他に、西陣や二条から四条にかけていくつかの町家の内部が見学できます。京都のしきたりを学ぶプログラムのある富田屋、機織(はたおり)の見学もできる織成館(おりなすかん)、長襦袢(ながじゅばん)の美術館を兼ねている紫織庵(しおりあん)、田中さんのノーベル賞受賞で来訪者が増えた島津製作所の創業記念館などです。ただ、島津創業記念館は、内部が過去の製品などの展示室となっていて町家の屋内の様子はうかがえないようです。
 小京都ブームで京都に雰囲気の似た町並みに人気が高まっています。小京都の人気の秘密の一つには、ベンガラ格子などの続く町並みの風情でしょうが、小京都の人気に本物の京都が再認識され町家めぐりなどに人気がでるのは当然なのかもしれません。小京都の中には京都の文化を意識的にコピーをして京都たらんとした町や、地形などが似ていて自然と京都と似た町並みとなった町などいくつかのパターンがあるように思います。かつて、京都の文化としてコピーしたお祭りが、オリジナルの京都では絶えてしまい、小京都で生きつづけているものがあるのも面白い現象です。
 これらの町家を見て歩く時の街中の移動には地下鉄とバスということになります。地下鉄は決まった時刻にやってくるので、どれくらい待てばよいかが解りますが、バスはいつ来るか解らなくてイライラすることもあります。この解消に、京都市交通局ではバスの位置を検出して携帯電話でも見れるポケロケというサービスを提供していて、次のバスがどのあたりに来ているか解るようになっています。ただ、町家めぐりは、時間を気にしないで、ゆったりした気持で、のんびりと周るべきかもしれませんが。


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