今月13日に『琵琶湖全循環、今春大幅遅れ 暖冬で湖面冷却不足』というニュースがあった。例年は1~2月に確認されるが3月に入ってもまだで、大幅な遅れは2007年以来のことで珍しいようだ。と心配したところ、翌14日に「全循環」を確認したと発表された。
さて、ヘッドラインで「全循環」の文字を見て、これはどういうこと?と気になった。
ニュースによると、『冬場の琵琶湖では、外気で冷やされた表層の水や雪解け水が湖底へ沈み込み、対流が起きて上下の水が混ざり合う。酸素をたっぷり含んだ水が深い湖底まで届けられる年に一度の機会で、全循環は「琵琶湖の深呼吸」とも呼ばれる。』らしい。
では、全循環が大幅に遅れると何が困るかといえば『2007年は秋から冬にかけて同湖盆の湖底が低酸素化し、イサザやスジエビの大量死が見つかった』。とすれば食物連鎖がなりたたなくなるわけだな。こりゃ~大変なことだ。
それに、琵琶湖は広くて深い湖だけど、年に1回だけ浅い層から深い層まで同じ温度になるというのも、(陳腐な感想だけど)自然ってすごいな~と思ったり。
ところで、ニュース記事だけを読んでいると、「全循環」は琵琶湖で起こるものと思われはしないだろうか。(無知な私はそんな感じに受取った。)
カチャッてみると「全循環」は、ほぼ全ての湖で行われる。稀に完全に混ざらない湖もあり「部分循環湖」という。さらに全循環は、琵琶湖のように年間で一度だけ混合される「1(回)循環湖」だけでなく、春と秋に混合する「2(回)循環湖」もある。浅い湖沼でみられる1日~3日ごとに混合される「多循環湖」もある。
それぞれの詳細は省くけど、循環の一番の要因は水温(気温や日光が影響)で春や秋は風の影響もある。
あと、知らなかったけど、水は4℃の時が最大密度で、比重も最大となる。これより温度が高くても低くても比重は小さくなる。(うんちくとしよう)
例えば寒冷地の湖では、湖底水温が(当然ながら)一番重い4℃前後の水になり、それよりも冷たい水や温かい水が上層を占める。この時期を湖水の冬季停滞期といい、水の動きがないしプランクトンの発生も少ないので、透明度が高くなるわけだ。
んで、初春から、表面の冷たい水が温められ4℃になると、自然と下層に向かう。さらに春風も影響して対流が起こって混合し、全層にわたって水温はほぼ同じ4℃になるという全循環が起こる。自然の営みと水の成分が醸しだす現象だった。
ちなみに、南北に長い日本列島では、琵琶湖~芦ノ湖ラインよりも南の湖は4℃以下にならない。その場合は・・・・・、説明が長くなりそうなので今回は終了。
漁業にも影響するのでしょうね。
自然の現象は知れば知るだけ面白いですね。
自然は上手くできているものです。
とても人の手ではできないことですね。
将来どうなることやら。ただ、急激な変化は怖いですね。
へぇ〜、勉強になりました。
異常気象というのは、湖の生態系にまで影響を及ぼすのですね。
佐渡には加茂湖という湖がありますが、
あれはたぶん潮の満ち引きで循環する
んだろうなぁと、読みながら想像してい
ます。
琵琶湖の全循環。色々なメカニズムが
背景にある。おもしろいです。
4°Cが、全循環の条件なのですか。
琵琶湖では年に一度しかおこらないのですか。
本当に、自然の摂理は凄いですね。
このことによって、湖の生態が維持されているのですね。
温暖化により、地球の生命に危機が訪れないことを、
ただ祈るばかりです。
自分は、もういないですが、50年後が恐ろしいです。
いや20年後かも。