文庫本、高橋克彦署『倫敦暗殺塔』を読んでいて、エッ!?そうなの?と思ったこと。(小説の本題とは関係ないけれどね。)
〔1〕古から、クモは昆虫の中でもっとも知力のある虫とされている。
クモの漢字である「蜘蛛」の蜘が「知」ある「虫」から作られていることでも良く分かる。また、日本ではクモを「思兼神(おもいかねのかみ)」という知恵の使いであると信じこんでいた。これこそ観音の導きに違いない。・・・という記述。
確かに漢字では「知」が入っている。昆虫の中では芋虫系の次に得意でない「クモ」だが、知恵の使いだとは知らなんだ。これまで嫌っていたからな…。
カチャッてみると「思兼神」は、アマテラスを岩戸の外に誘い出す方法を授けた知恵者。知恵の神、学問・受験の神として信仰されており、埼玉では秩父神に祀られているという。蜘蛛…大事にしよう。
〔2〕文久3年1863年。尊王攘夷思想が活発化したあたり、京都では新撰組が結成された年。そんな頃にはもうロンドンでは地下鉄が通っていた。改めて日本の貧しさに思い至った。・・・という記述。
そうなんだよね、そんなに違っていたんだよね。戦争を知らない…以降に育った人たちは忘れているor知らないよね~貧しかった日本を。
ちなみに、日本の地下鉄は、ロンドンに遅れること約60年、1927年12月30日に上野~浅草間が開通。それから12年かけて渋谷まで行けるようになった(銀座線)。
〔2〕に関してはそんなに日本を低く見ることもないと思います。江戸には上下水道があったのにパリにはなかったんですから。一般に思われているほど、江戸時代は遅れていた時代ではないですよ。
「鬼蜘蛛」って知ってます?
真っ黒くてお腹の丸みの部分だけで直径2センチ位ある蜘蛛なんですが、小さい頃、その蜘蛛の巣にひっかかったトンボが糸でクルクル巻かれているのを見て、鬼蜘蛛はこの世のものではないと感じていました。映画の「ロードオブリング」で主人公が蜘蛛に糸でグルグル巻きにされるシーンがあって、小さい頃の記憶がよみがえりました。獲物の体の中を溶かしてチュウチュウすするという蜘蛛独特の捕食の仕方がどうしても「悪魔の使い」としか思えませんまでした。実は神様の使いだったんですな。びっくりです。
書かれていた蜘蛛の名前が知りませんでしたので、さがしてみました(蜘蛛の図鑑って少ないのね)。
アシダカグモ(アシダカグモ科)は、あしもいれると10センチ近くあって、歩きまわる蜘蛛では日本最大…
オニグモ(コガネグモ科)には、様々な種類があるようですね。大型で腹部が大きく…
ただ、基本的に蜘蛛が苦手な私には、アシダカグモは宇宙からやってくるUMA。オニグモはお化け・幼獣に見えます。でも、嫌わないようにします。