*シアタートラム「日本語を読む その3 ドラマ・リーディング形式による上演」(その1、2)
*『モジョ ミキボー』
*グループる・ばる『高橋さんの作り方』
*燐行群『ザ・パワー・オブ・イエス』
*アル☆カンパニー第7回公演『家の内臓』
*ジェットラグプロデュース『幸せを踏みにじる幸せ』
*JAM SESSION.10『わが町』 西沢栄治演出の舞台評はこちら→1,2,3,4,5,6,7,8,9,10)
まだほとんどチケットを取っていません。アクションを起こしませんと。
桜が満開を過ぎたころ、劇作家井上ひさしさんが75歳で亡くなりました。昨年秋上演の『組曲虐殺』をみたとき、3時間もの新作を書きあげた井上さんが、既に70代なかばであることに改めて感嘆したのを思い出します。けれどもまだまだ新しい作品に出会える、たくさん笑って泣いて、「お芝居はいいな」と幸せな体験ができると信じていた。台本を書くのはあんなに遅いのに(こらこら)、井上さん、逝ってしまうのは早すぎますよ。
因幡屋が特に好きだった舞台は、
1、『イーハトーボの劇列車』 2、『頭痛肩こり樋口一葉』 3、『組曲虐殺』
1と2は配役が変わるたびにどうしてもみたくなって何度も足を運びました。同じ台詞、同じ場面が前回と変わらず心を打つこと、これまで聞き流していた台詞や場面に込められたものに気づくことの両方を味わいたかったのでしょう。いずれも最後にみたのはこのブログを始める何年も前になります。そろそろ再会したいところ。3はできるだけ早く再演されることを願っています。
さて因幡屋5月のひとことは、井上作品のなかから最も好きな台詞にさせていただきました。
渡辺美佐子の一人芝居『化粧二幕』より、大衆演劇一座を率いる女座長五月洋子が、相手役のふけ女形「中丸のおじさん」の台詞おぼえの悪さにあきれて言った次の台詞です。
「二回も稽古をやって、それでも段取りがのみこめない役者は、もう新劇にでも行くしか道がないんじゃないかしら」
しんみり考えさせられたり、なるほどと気持ちよく合点がいったり、泣かずにはいられなかったり、きらきらと輝くような台詞、心を芯から温めてくれるような台詞もたくさんあるのですが、それでもこの台詞が好きで好きで、大衆演劇の女座長が新劇を痛烈批判するこのひとことを聞くたびに、「待ってました!」と心のなかで快哉を叫んでおりました。自他共に認める新劇系だったのに、なぜでしょうね。
季節は桜から青葉にうつりかわりました。座・高円寺では『化粧二幕』の公演が行われています。これがファイナルと知っていながらチケットを予約するアクションに踏み切れませんでしたが、舞台から発せられる台詞の力を受け止めた客席が弾けるように反応する様子は、いまでもありありと記憶に残っています。
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