*elePHANTMoon#9『ORGAN』(1,2) 「どこかおもしろい劇団は?」と聞かれると、自分は「elePHANTMoonとパラドックス定数」とつんのめるように即答している。後者は先日友人を誘った。願わくは前者にも同好の士を与えられたく。
*二兎社『かたりの椅子』。永井愛3年半ぶりの新作となる。
*四月大歌舞伎 いよいよ最後の月になった。家族といっしょに歌舞伎座にさよならを言いに行こう。紅白お餅入りの鯛焼きを食べたいのだが、もうやっていないのかしら。
*オクムラ宅旗揚げ公演『紙風船、芋虫、かみふうせん』
岸田國士の『紙風船』を2バージョン、江戸川乱歩の『芋虫』に触発されて奥村が書いた『芋虫』の3本立てとのこと。
*演劇集団円『ホームカミング』。ハロルド・ピンターの作品をみるのは、『ダム・ウェイター』以来だろうか。同道の友人とは終演後に浅草寺近くの店でいっぱいやる話で既に盛り上がっており、楽しみでならない。いやもちろん芝居本編も。
*劇団印象(1,2,3,4 5,6,7)
日韓国際交流公演『匂衣 におい』 毎年一歩一歩着実に前進していることを実感させる劇団だ。前回は共演者の顔ぶれががらりと変わったし、上演する劇場もこのところ毎回変わっている。
*スタジオソルト(1,2,3,4,5,6,6`,7,8,9,10,11,12)第13回公演『パンラが野毛にやって来た GA~!GA~!GA~!』 ソルトがいよいよ下北沢に進出した。自分のほうが浮きあし立たないよう、しかしわくわくと楽しみに。
*千葉哲也演出・出演『BLUE ORENGE』
*劇団昴ザ・サード・ステージLABO Vol.2『誰』
劇団掘出者(1,2,3,4,5) 主宰の田川啓介の作品を、老舗の劇団が上演する。『優秀新人戯曲賞2010』に掲載された同作品を読むと、田川啓介の戯曲は、舞台をみるよりも骨が折れる(いい意味で)ことを実感した。すれちがい続ける若者たちのことばのやりとりを、新劇(死語にはなっていませんよね)の俳優さんたちがどう表現するのか。
*スターダス・21『アニータ』作・演出はブラジルの西山聡、ハイリンドの伊原農、枝元萌が出演する。
朝日新聞の「人生の贈りもの」は、さまざまな分野で活躍する方々が自分の歩いてきた道とこれからについて語るページである。今週は俳優の三國連太郎だ。デビューしたころ木下恵介監督から「いかなる人物を演じても、土壌としての庶民を忘れてはならない」と言われたそうだ。そして三國自身は「役は、庶民の背負ってきたものを背負い直して演じるものです」と語る。「役」に「えだち」とルビがふってあり、自分はこの読み方を知らなかった。漢和辞典をひいてみると、「えだち 人民に課する労役。また、それに従事する人民」と記されている。三國にとって「役者」の「役」は労役であり、自分がすべき務めであると捉えているのだろう。このほかにも「ほめられて評価されたという老廃物をどう浄化できるかが生涯の仕事だと思うのです。」「役者は自分を痛めつけることでしか、前に進めないのではないでしょうか」と、厳しすぎるのではないかと思うくらい、謙虚に深遠な思想を語る。この87歳の俳優の前では、若い俳優がよく口にする、作品によって変化する自分自身を楽しみたい云々ということばはいかにも軽く、幼い。いや、それでもいいのだけれど。
以前出演した舞台『ドレッサー』で、イギリス人演出家から「深刻になるのではなく。役を楽しめ」と言われたそうである。三國は「楽しめとは、むなしいことを理解できるほど、クールになれということであるのかも知れません」と一度読んだだけではすっと理解できない言い方で、こちらを考え込ませる。
春になって観劇本数が増えてきた。因幡屋通信、えびす組劇場見聞録の締切も迫っている。『龍馬伝』は欠かせず、はじまったばかりだが、『ゲゲゲの女房』も丁寧な作りが好ましい。これまでの話を忘れないうちに『坂の上の雲』の続きも読みはじめたい。桜が咲いたというのに、自分は何をしているのかしら。時間がたりないが振り回されず、したいことがたくさんあることを感謝しよう。因幡屋4月のひとことは、自分の人生に活かせそうもないが、三國連太郎さんからいただきました。
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