物臭狸の『花日記』

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オケラ

2020-10-13 05:00:00 | キク科

オケラ(朮)
<学名:Atractylodes ovata (Thunb.) DC.>
キク科 オケラ属 多年草

 

本州~九州の日当たりの良い乾いた山野や丘陵地に生える。
雌花と両性花がある雌雄異株。根茎は長く、節がある。
茎は高さ40~100cmになり、
茎の下部の葉は羽状に裂けて、奇数羽状複葉になる。
葉は堅く、ふつう柄があって互生、単葉または羽状に
3~5深裂し、葉縁にはトゲ状の鋸歯がある。

                                撮影日 2020.10.03: 群馬県


葉は硬く長い柄があり、楕円形でする。
裂片の縁に刺状の鋸歯がある。

花期は9~10月。茎頂に白色または淡紅色のアザミに似た
筒状花だけの頭花をつける。

雄しべと雌しべの両方を持つ両性株と、雌しべだけの雌株がある。
総苞の周りには魚の骨に似た2列の苞葉に囲まれているのが特徴。 

果実は痩果で、暗褐色で狭楕円形でやや平たい。
果長い伏毛が上向きに密生し長い冠毛が多数つき、淡褐色で羽毛状である。
果実期にも、苞葉が残っている。

 

 

名の由来は不明だが、古名の「ウケラ」が転じたものといわれ
   ウケラ(宇家良)とは、
   ①葉が蓑(みの)、花が漁具の筌(うけ)に似ていることからとする説。
   ②軟毛をまとった若芽を、昔の雨具である朮〈うけら〉に見立てた説。
   (秋田では蓑のことをウケラという)
   ③葉が物を受けるのに良い、さじのような形をしているので「ウケラ」の説。
   などの説がある。
別名、ウケラ、カイブシとも呼ばれる。

 

 




近縁種とともに生薬として用いられる。また若芽を山菜として食用にもする。

新緑の5~6月頃の白毛に包まれた若芽は食用となり、お浸しや和え物にするか、
天ぷらなど山菜として利用される。
「山でうまいはオケラとトトキ。里でうまいはウリ、ナスビ嫁に食わすも、
惜しゅうござる」と、歌われるくらい、美味さでは代表格の山菜として
よく知られている。

刻んで焚くと、疫病よけになると信じられ、京都八坂神社では、
除夜の鐘とともに正月に白朮(オケラの根茎)を焚く白朮祭(をけらさい)が
行われ、この火を火縄に移して持ち帰り知られている。 
梅雨時に室内で焚き、カビ止めにも用いられていた。



 


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