物臭狸の『花日記』

YAHOOから引っ越してきました。
色々な植物たちを紹介しています。

ミヤマモジズリ

2014-08-31 07:13:55 | ラン科
ミヤマモジズリ       (深山捩摺)
                                   <学名:Neottianthe cucullata (L.) Schltr.>

北海道、本州(中部以北)、四国に分布
深山や亜高山など冷温帯から亜寒帯の山地に生える夏緑性の地生蘭。
 
しばらくぶりで見に行ってきました。

撮影日 2014.8.24: 群馬県

地中に球形の塊根があり高さ10~20cmとなる。

地表に接するように2枚の葉がつき、
7~8月 茎の上部に多数の紅紫の花が曲線を描きながら、
片方に向いて咲く

地生の小さくかわいい蘭です。
各地で絶滅危惧種に指定されているようです。
 
 

 



萩の見分け方  ~ ~ 花編 ~ ~ 

2014-08-29 10:26:05 | 
今回はそろそろ旬を迎える萩の話題を取り上げます。
萩の仲間も似たものが多くて分類が難しいグループですね。
私が今まで見てきた萩たちの特徴を参考にご覧ください。
萩の同定の参考にしていただければと思います。
今回は『花』です。細かい違いには目をつぶってもらって
花の姿から特徴を見ていきたいと思います。
 
萩の仲間でも「ヤマハギ」のグループに属している、
  ① ヤマハギ    {  Lespedeza bicolor Turcz.   }
  ② キハギ      {  Lespedeza buergeri Miq.    }  
  ③ ツクシハギ  {  Lespedeza homoloba Nakai   } 
  ④ マルバハギ  {  Lespedeza cyrtobotrya Miq. }
の4種について見ていきます。
 
以下の写真は過去に撮り溜めたものの中から適当に選んだものです。
まずは一種ずつ見ていきましょう。
 
① ヤマハギ  (山萩) Lespedeza bicolor Turcz.
北海道~九州の草地や林縁に生え、1~2mぐらいになる落葉低木で枝はよく分枝する。
葉は互生し、3出羽状複葉。小葉は長さ2~4cmの広楕円形、広卵形で先は丸い。
表面は中央部にだけわずかに毛があリ、裏面には伏毛がある。

花期は7~9月。総状花序は葉より長く突出して目立つ。
蝶形花は紅紫色で長さ10mmぐらい。旗弁は翼弁や龍骨弁より長く、
倒卵形で基部は次第に細まり、耳状突起は小さい。
翼弁は龍骨弁より明らかに短い。
萼は長さ約3mm、裂片の先端は鈍形または鋭形。
果実はほぼ円形または倒卵形で、長さ5~7mm。

全体が紅紫色の花です。

 
 キハギ (木萩) Lespedeza buergeri Miq.
本州、四国、九州の丘陵帯から山地の日当たりの良い山野に生える
高さ1m~2mになる落葉低木。
葉は3出複葉で互生、小葉は長さ約3~4㎝の卵形~長楕円形で
先は円形~鈍頭のものまである。
葉の裏や茎には細毛が生え、全縁で大きな波状になる。

花期7~9月 葉腋より総状花序を出し、長さ約1㌢の蝶形花を総状花序につける。
花は淡黄白色だが旗弁の中心と翼弁が紫紅色を帯びる。

木のようになる幹をもつ萩という意味で名づけられた。

ヤマハギの仲間はほとんどが紅紫色ですが、このキハギは白花に紅紫が入ります。
コントラストが綺麗です。

 ツクシハギ (筑紫萩) Lespedeza homoloba Nakai
本州、四国、九州の丘陵帯から山地の日当たりの良い山野に生える
高さ1m~2mになる落葉低木。先端は垂れる。
葉は3出複葉で互生、小葉は楕円形で先端は円頭~凹むものまであって変異が
大きい。表面は無毛か、主脈上に微毛が残る。裏面には微細な毛が全面にあり、
脈上の毛はやや長い。

花期7~9月 葉の脇から葉群よりも長く、超出する総状花序を出し、
花は長さ1~1.5cmで淡紅紫色又は紅紫色の蝶形花をややまばらに開く。
旗弁はふつう龍骨弁より短く、耳状突起はよく発達し腎形である。
翼弁は龍骨弁より短く、明るい紅紫色である。

旗弁の色が薄くピンク色で龍骨弁が長い花型が特徴です。


 マルバハギ (丸葉萩)  Lespedeza cyrtobotrya Miq.
本州、四国、九州の丘陵帯から山地の日当たりの良い山野に生える
高さ1m~2mになる落葉低木。良く分枝する。
葉は3出複葉で互生、小葉は長さ1~3㎝の倒卵形~楕円形で、
先は丸く少し凹むものもある。
葉表は無毛、葉裏には圧毛がある。

花期7~9月 短い総状花序をつけ、花序は葉より短いのが特徴である。
花は紅紫色の蝶形花で、旗弁は幅が広く、長さは翼弁や竜骨弁より長い。
竜骨弁が短く、翼弁の中に竜骨弁がほとんど包まれ、あまり見えないのも特徴である。 
萼は5裂し、萼歯は萼筒より長く、萼歯の先が針状に尖る

竜骨弁が短くて花が丸い感じになります。
旗弁に紫色の筋か多いのも特徴です。


 
まとめは画像で

 

 
 
 
こちらの過去記事も参考にしてください。 萩の比較です。 
                                              
(萩の仲間の分類にはがく歯を見ると分かりやすいです。)
 
 
 
 
 



フジカンゾウ 2014

2014-08-27 08:01:42 | マメ科

フジカンゾウ(藤甘草)<学名:Desmodium oldhamii Oliv.>
マメ科ヌスビトハギ属
 
 
本州から九州の半日陰になるような林縁や林床に分布する
高さ50~150㎝ほどの多年草。
 
今年は初めての出会いでした。

撮影日 2014.8.24: 群馬県
 
葉は奇数羽状複葉で互生。小葉は5~7枚で結構大きく長さ15cmほど、
幅5cm前後で、葉先は三角形状です 。

羽状複葉が分かりますね

ヌビトハギやアレチヌスビトハギでは葉が三出複葉であるのに対して、
フジカンゾウでは羽状複葉です。
 
8月~9月頃茎の先に長さ50cm前後の総状花序を出し、
長さ1cmほどの小さな淡紅紫色の花を、沢山つけます。

ヌスビトハギの仲間の中では花が大きい種類です。
ピンクの色合いもいいですね。
 
花はマメ科特有の蝶型花です。
 

 
和名の由来は、花を「藤」に、葉をマメ科の甘草(カンゾウ)に見立てたものです。
 



ヒメキンミズヒキ《キンミズヒキとの識別画像付き》

2014-08-26 06:00:00 | バラ科

ヒメキンミズヒキ(姫金水引) <学名:Agrimonia nipponica Koidz.>
バラ科 キンミズヒキ属   高さ30~60㎝ぐらいの多年草

キンミズヒキより全体に小型で、日影を好み、山地で普通に見られる。
茎は細く、ややまばらに短毛が生える。

撮影日 2014.8.24: 群馬県
 
奇数羽状複葉。葉が茎の下部にロゼット状につくことも多く小葉は3~7個、
先端の3小葉は楕円形~倒卵形で大きく、下の側小葉は小さい。
葉縁に鈍鋸歯があり、葉裏に小さな腺点がまばらにある。
キンミズヒキより小葉が丸味を帯び、鋸歯も丸味を帯びることが多いが、例外も多い。

 
托葉は大きくて茎を挟むようにつく。
花は 8~10月 、直径約5㎜。花弁の幅がキンミズヒキより狭く、長楕円形。
雄しべは少なく5~8個雄しべが少ないのが特徴である。

 
 
 
  比較のため花と葉がわかるものを両種載せておきます。
ヒメキンミズヒキ

 
 
キンミズヒキ

 
 
 
参考に過去記事もご覧ください。
 



ママコナ

2014-08-25 18:00:00 | ゴマノハグサ科
ママコナ(飯子菜)<学名:Melampyrum roseum var. japonicum>
ゴマノハグサ科ママコナ属

山地の林縁などの乾いた場所に生育する半寄生植物。高さは、30-50 cm。
葉は長さ3-6cmの長形で、対生。
北海道南西部以南に分布する。
 
榛名とその帰りに地元で見ました。

撮影日 2014.8.3: 群馬県
 
花期は6-8月。枝先に長さ5~10cmほどの花序を出し、
長さ16-18 cmで唇形の紅紫色の花を咲かせる。先端が針状で鋸歯の苞がある。

花の盛りが過ぎると、米粒のように見える白い膨らみが濃い赤色に変わる。

 
花弁に2つ並んだ白い膨らみが米粒のように見えること、
または、若い種子が米粒に似ていることが和名の由来となっている。