物臭狸の『花日記』

YAHOOから引っ越してきました。
色々な植物たちを紹介しています。

シベリアメドハギ  ~長野県産~

2020-08-31 06:00:00 | 

シベリアメドハギ
<学名:Lespedeza juncea (L.f.) Pers.>
マメ科 ハギ属 多年草


メドハギと同じような環境に生え大変良く似ている多年草。
メドハギとは変種の関係にあります。


従来カラメドハギと呼ばれい、ろいろと混同があったが
シベリアメドハキと呼ばれるようになってきました。


がく片には3脈がある=カラメドハギとされていたため
カラメドハギと呼ばれることが今でも多い。
ある方のサイトでもカラメドハギと載せているのを見ました。
3脈がある=カラメドハギ が独り歩きしているようですね。  }

 

 

高さはメドハギと同じぐらいにはなるが低いものが多い。
茎の枝分かれはメドハギほど多くなく幾分荒くて疎な感じがし
枝が細くうなだれてているものも多い。



撮影日 2020.08.29: 長野県


茎は普通紫褐色を帯びている。
(一秋の観察地(群馬県)では紫褐色ですが他の地域には緑色の
ものもあるとの話もあります。長野での観察ではやはり紫褐色を
帯びていました。)

葉は3小葉で葉柄や葉枕などが赤みを帯びている。
小葉は長卵形で先端は鈍頭でくぼむことは無い。
普通小葉の中央端付近が最も巾が広い。
葉脈の様子を見ると細脈まで目立って見える。

花は9月頃葉腋に1~3花着ける。
群馬の調査地では毎年9月中頃に咲き始め9月の彼岸頃が
盛りなんですが、ここでは今花盛りでした。
ピンク色の蝶形花で旗弁の付け根に赤紫色の斑点(蜜標)がある。
旗弁は太くて丸くふくよかな感じがする。

メドハギに良く似ていますが赤味が強いような感じです。
花柄はメドハギより長い。

がくがメドハギより毛深く白い毛が多くてメドハギより太くて長い。         
がく片には3脈があり目立つというが毛が多く分かりにくい。

花後たくさんの果実を付ける。果実には白く長い毛が生えている為、
白っぽく見える。     
果実は楕円形で、がく歯は果実と同長。

 

⇒ シベリアメドハギ ~2018~ 


キハギ  ~2020~

2020-07-25 08:06:39 | 

この前の日曜日地元の山に観察に出かけました。
萩が咲きだしていたのを見て萩の花撮りに目的変更しました。

まずは盛りだったキハギから

撮影日 2020.07.19: 群馬県
色のコントラストがハッキリしていて綺麗な萩です。

 

キハギ(木萩)
<学名:Lespedeza buergeri Miq.>
マメ科 ハギ属 落葉低木

 

 

 



東北地方から北陸地方にかけての日本海側を除く本州、四国、九州の
丘陵地帯から山地帯下部に分布。中国にも分布しているとのことです。

樹高1~3m。半日陰の林の中や、尾根筋(すじ)の岩の上などに普通に
みられる。幹は灰褐色、樹皮が浅く縦に裂ける。枝には微毛が密生する。

枝はやや水平に広がり、多少ジグザグになる。



葉は3出複葉で互生。
小葉は長さ2~4㎝の長卵形~長楕円形、先は尖り、
柄があり、やや白味を帯びる。

葉の表側は無毛で濃緑色。
葉裏は灰緑色で毛が生えています。
葉縁は全縁、波打つ。先端は尖鋭頭。

 


花期6月~9月、花は長さ2~7㎝の総状花序につき、
淡黄白色の蝶形花で他の種よりやや小型で長さ7~8mm。

旗弁は淡黄白色で、基部に紫色の斑がある。
翼弁は紫紅色、竜骨弁は黄白色。耳状突起はよく発達する。

淡黄白色の花で、旗弁の中央部と翼弁が紫紅色をしています。
色のコントラストがハッキリしてとても綺麗です。

萼裂片の先端は鈍形または鋭形であるが、鋭尖形とはならない。
つまりは尖がらないということ。


果実は長楕円形で、長さ約1.5㎝、毛が散生し、先は尖り、
1種子が入る。
種子は長さ(乾いた状態)3.5~4㎜の扁平な惰円形。

和名の由来は萩類の中では最もよく木質化して木立になることからです。
黄萩ではなく木萩か樹萩なんです。

 

 

過去記事もご覧ください。

    , 


メドハギ類 比較

2018-09-28 18:00:00 | 
紹介した
メドハギ
シベリアメドハギ
メドハギとシベリアメドハギとの雑種
の3種について参考に比較画像を載せておきます。
雑種は中間的なのが分かるかと思います。


シベリアメドハギの葉の付き方が少し荒いのがわかります。


茎の色の違い

葉の様子


小葉の付け根の色に注目してください。
雑種は中間の色をしていますね。


葉脈の見え方が違います。
シベリアメドハギは細脈までよく見えるのに
メドハギではあまり見えません。
雑種は中間的です。



果枝

雑種はほとんど実が成らないです。
茎の色合いの違いが良く分かります。




シベリアメドハギは毛深いです。柄が長いのもわかると思います。
メドハギの果実は丸みがありますね。








メドハギとシベリアメドハギとの雑種 ~2018更新~

2018-09-28 12:00:00 | 
<学名:Lespedeza cuneata × Lespedeza juncea>
マメ科 ハギ属 多年草






メドハギシベリアメドハギを紹介しました。
今回はその2種
メドハギ<学名:Lespedeza cuneata (Dum.Cours.) G.Don>

シベリアメドハギ<学名:Lespedeza juncea (L.f.) Pers.>
との 種間雑種
を紹介します。
花の時期を逃してしまったようで、花数が少なく
良い状態のものが見られませんでした。

              
              
高さ50cmから1mになる多年草で株立ちになり母種より幾分
大きな株立ちになるものが多い。

撮影日 2018.09.23: 群馬県
形態は両種の中間的でほとんど種子をつけない。              
枝葉の出方はメドハギに似ているがシベリアメドハギのような
荒い感じはしない。              
              
茎は赤褐色をしている。シベリアメドハギの紫褐色に比べ
明るい感じの色合いです。

葉は3小葉で葉柄は緑色をしている。
葉枕部や葉柄の付け根などは赤味を帯びていることが多い。

小葉は長卵形から倒卵形で先端は鈍頭でほぼくぼむことは無い。

普通小葉の中央端付近から先端にかけての部分が最も巾が広い。   

葉脈の様子を見ると細脈の目立ち方はシベリアメドハギほどでは
無いがメドハギよりも目立っている。
   


花は9月頃葉腋に1~3花着ける。

調査地では毎年9月中頃に咲き始め9月の彼岸頃が盛りのようです。

花色はシベリアメドハギよりは薄いピンク色の蝶形花が基本で
旗弁の付け根に赤紫色の斑点(蜜標)がある。



花色には変異が大きいようです。      
     


雑種の場合は種をつけないことが多いですが、この雑種も
果実をほとんど付けない。探して株全体で1つ2つ見つけることが
できる程度。ほとんどが未熟果で落ちてしまう。
果実の形は楕円形でシベリアメドハギに似ている。

何年か前に撮った果実の様子
がくはメドハギより巾があるものの果実の半分程度の長さを
している。メドハギより全体に白く長い毛が多いが、
シベリアメドハギより短く両種の中間的な感じ。       
      



メドハギ ~2018~

2018-09-27 10:00:00 | 
メドハギ(筮萩)
<学名:Lespedeza cuneata (Dum.Cours.) G.Don>
マメ科 ハギ属 多年草



一秋の地元の河原では良く似たシベリアメドハギと共に
9月には白い花をたくさん咲かせます。

撮影日 2018.07.15: 群馬県
日当たりの良い草地や土手・河原などにごく普通に見られるハギの仲間。
葉が小さくたくさん付きよく枝分かれして株状になる。

日当たりの良い草地や荒地・河原などに生えるごく普通な
高さ50cm~1mぐらいになる多年草。

最近では法面工事後の種子吹きつけなどに中国など外国からの種子が
使われているため外国産メドハギが帰化しているといいます。
在来種との識別はほぼ困難のようです。      
茎はよく枝分かれして株立ち状になる。        
茎の色は普通緑色。古くなると茶褐色を帯びる事もある。

葉は3小葉で葉枕や葉柄は緑色をしている。 
 

小葉は倒卵形で先端は鈍頭か多少くぼむこともある。    


  普通小葉の先端付近が最も巾が広い。

葉脈の様子を見ると側脈が目立っているが細脈は目立っていない。

花は8~9月頃葉腋に1~3花付ける。

調査地では毎年8月末に咲き始め9月の彼岸頃が盛りのようです。

割と花期が長いようです。白い蝶形花で旗弁の付け根に
赤紫色の斑点(蜜標)がある。

旗弁は巾が細い感じで尖ったように見える。旗弁の付け根の斑点と舟弁の先端部が赤紫色になる他は真っ白である。

がく歯は巾が狭い。


果実はやや丸く扁平。がくは果実の半分程度の長さである。
全体に白く短い毛が生えているが目立たない。