ハナネコノメ(花猫の目)
<学名:Chrysosplenium album Maxim.
<学名:Chrysosplenium album Maxim.
var. stamineum (Franch.) H.Hara>
ユキノシタ科 ネコノメソウ属 多年草
ユキノシタ科 ネコノメソウ属 多年草
東北南部から近畿地方の山地渓流沿いの岩場や湿り気のある
林のふちなどに生える高さは5cmにも満たない小さい多年草。
茎にはまばらに毛が生えている。
林のふちなどに生える高さは5cmにも満たない小さい多年草。
茎にはまばらに毛が生えている。
撮影日 2017.04.16: 群馬県
葉は対生し、まるみのある扇形で、長さは約5~8ミリ。色は暗い緑色で、
縁ににぶい鋸歯がある。
縁ににぶい鋸歯がある。
まっすぐ伸びる茎の先に、直径5ミリほどの小さな花を2~3個つける。
花びらはないが、白くまるみのある4枚の萼が花びらのように
上を向いて開いている。中から先端が紅色をした8本の雄しべが出て
白と赤のコントラストでよく目立つ。
花びらはないが、白くまるみのある4枚の萼が花びらのように
上を向いて開いている。中から先端が紅色をした8本の雄しべが出て
白と赤のコントラストでよく目立つ。
花が終わると、根もとから暗紅色を帯びた走出枝を四方に伸ばして
増えていく。
増えていく。
地味な花が多いネコノメソウの仲間のなかでは最も花らしい花、
ひきわ美しい花を咲かせることから、その名が付けられた。
ひきわ美しい花を咲かせることから、その名が付けられた。
4/23に撮った花の記事 ⇒ フデリンドウ~2017~
フデリンドウ(筆竜胆)
<学名:Gentiana zollingeri Fawc.>
リンドウ科 リンドウ属 越年草
花はもうすっかり終わり、実ができていました。
撮影日 2017.05.21: 群馬県
実が育って伸びだしてきています。
やがて2つに割れて種が姿を見せます。
もう少し開くのですがこの日は天候がよく乾燥していましたから
開いていなかったようです。
この姿、前の記事で紹介してヤマネコノメソウの
実と似ていませんか。
同じ雨滴散布と呼ばれる種の散布形式をしています。
実と似ていませんか。
同じ雨滴散布と呼ばれる種の散布形式をしています。
雨滴散布とは、
雨水により流される種子の散布形態で、
果実が上向きにカッブ状に開いているなど、
雨水による散布に対応した特徴を持っています。
果実が上向きにカッブ状に開いているなど、
雨水による散布に対応した特徴を持っています。
果実は日射しがあって乾燥している時には閉じていて
水(雨)に濡れると開いて雨水を利用して種子を
散布する仕組みになっています。
水(雨)に濡れると開いて雨水を利用して種子を
散布する仕組みになっています。
他の植物が大きく伸びだす前に春の日射しを受けて
花を咲かせ、梅雨時に雨を利用して種子を散布する
かしこい仕組みですね。
花を咲かせ、梅雨時に雨を利用して種子を散布する
かしこい仕組みですね。
帰化種のアカバナユウゲショウなんかも雨滴散布を
するようです。
ヤマネコノメソウ(山猫の目草)
<学名:Chrysosplenium japonicum (Maxim.) Makino>
ユキノシタ科 ネコノメソウ属 多年草
<学名:Chrysosplenium japonicum (Maxim.) Makino>
ユキノシタ科 ネコノメソウ属 多年草
撮影日 2017.5.3: 長野県
全体に長毛が散生する。走出枝はなく、
茎葉は互生し、腎円形で長さ1~3cm、縁は浅く切れ込む。
茎葉は互生し、腎円形で長さ1~3cm、縁は浅く切れ込む。
花期は3~4月。茎頂に淡緑色の直径5mm程度の花をつける。
顎片は4枚で黄緑色で、長さ約1.3mm。花時には平開し、
花後直立する。雄しべは8個、ときに4個、葯は黄色。
顎片は4枚で黄緑色で、長さ約1.3mm。花時には平開し、
花後直立する。雄しべは8個、ときに4個、葯は黄色。
和名の由来は、深く2つに裂けた実がネコの目のように見えるところから
です。
去年撮ったものですが
どうでしょうか、猫の目に見えますか。
猫の目の形は雨によって種子散布をする「雨滴散布」のための形
といえます。
(雨滴散布 については次回フデリンドウの実の記事で紹介する予定です。)
(雨滴散布 については次回フデリンドウの実の記事で紹介する予定です。)