物臭狸の『花日記』

YAHOOから引っ越してきました。
色々な植物たちを紹介しています。

フシグロセンノウ  ~2019~

2019-08-17 05:00:00 | ナデシコ科

沢山きれいに咲いているのを見かけました。

 

 

フシグロセンノウ(節黒仙翁)

 <学名:Lychnis miqueliana Rohrb.>

ナデシコ科 センノウ属 多年草

 

本州・四国・九州、山地の林の中や縁などに自生する日本の固有種。

 夏から秋にかけて、林道などでよく見かける花で、 鮮やかな朱色の花はよく目を引く。

 撮影日 2019.08.14: 群馬県

 

山野草としても人気で苗が販売されていたりする。

茎は直立し、高さは40-90 cmになる。茎の上部は分枝し、 まばらな軟毛がある。

節が太くなり、黒紫色を帯びる。 葉は無柄で茎に対生する。

葉身は卵形から長楕円状披針形で、 葉先は鋭尖形で基部は細まり、長さ5~14 cm、幅2.5~5 cmになる。

 花期は7-10月。分枝した茎の先に野草では珍しい色の朱赤色の花を、 数個付ける。

 

花弁は平らに開く。萼は2.5-3 cmの長円筒状で5裂し、 無毛。花は3.5~5㎝。

花弁は5個、長さ2.5~3㎝の倒卵形、先が円く、 中央に明瞭な溝が見える。

花弁の基部には花弁と同色の鱗片が 2個ずつつく。雄しべ10本、5本ずつ2列につき、葯は紫色。

蒴果は長楕円形、先が5裂する。 種子は腎形、小突起を密生する。

 


和名の由来は茎の節が黒褐色になることから。

 

 

 


エゾカワラナデシコ

2017-08-20 06:00:00 | ナデシコ科
エゾカワラナデシコ(蝦夷河原撫子)
<学名:Dianthus superbus L. var. superbus>
ナデシコ科 ナデシコ属 多年草












北海道、本州中部以北に分布する多年草。

前の記事で紹介したカワラナデシコの基本変種です。
長野から群馬へ戻る峠道の道端に咲いていました。
撮影日 2017.08.06: 長野県

茎は叢生して直立し、上部で分枝する。
茎や葉は緑色でわずかに白粉を帯びる。
葉は長さ3~7㎝、幅2~5㎜の線状披針形、
基部は茎を抱き、先は尖る。
 
 
花期は 6~9 月、花は茎頂にまばらに数個、上向きに咲く。
花は淡紅色、直径は約4㎝。花弁は5個、先が深く細裂する。
 

先が尾状になる苞が 2 対あり十字に対生する。
 
 
カワラナデシコは苞が 3 - 4 対あり、がく片が 3 - 4 cmと
長いところが本種とは異なる。)
 



カワラナデシコ 2017

2017-08-19 06:00:00 | ナデシコ科
カワラナデシコ(河原撫子)
<学名:Dianthus superbus L.
var. longicalycinus (Maxim.) F.N.Williams>
ナデシコ科 ナデシコ属 多年草












本州以西四国、九州に広く分布するほか、
沖縄(久米島・渡名喜島,別変種とする説もある)に
少数が自生する。
主に日当たりの良い草原や河原に生育するが、
路傍や山地の斜面、海岸の砂浜等にも生育する。

撮影日 2017.08.6: 群馬県

高さ30~50cm。茎は叢生し、節が膨らむ。
葉は対生、線形~線状披針形で長さ4~7cm、無毛で、
粉白色を帯びる。先端は鋭く尖り、葉柄は無く
基部は茎を抱く。
 
 
花期は7?10月。花は茎の頂端に付き、直径4~5cm、
がく片は3~4cm、苞(ほう)は3~4対ある。
 
 
 
花弁は5枚で、先が糸状に細裂している。
舷部(花弁の広い部分)の基部にはひげ状の毛がある。
色は、淡紅色が一般的だが、白色も多い。
雄蕊は10本、雌蕊は花柱2本。
 
 
 

秋の七草の1つ撫子は本種のこと指す

栽培も行われ、特に江戸時代には変わり花の栽培が
盛んで、古典園芸植物の一つともなっていたが、
現在ではわずかに伊勢ナデシコと呼ばれる一群などが
維持されているのみとなっている。

別名ナデシコ、ヤマトナデシコ

 






減少傾向にあり、絶滅危惧種に指定している都道府県もある。



 
開発や園芸用の採集、動物による食害などの影響等で減少している地域もある。
環境の遷移の進行に伴い、日当たりが悪くなると生育に適さなくなる。昔は、草原や山地、河原等の環境は人の手により草刈や枝打ち等され、里山的な利用が行われてきた。これらによる、日当たりの良い開けた環境が継続してきたが生活習慣の変化で、「人為的なかく乱」が行われなくなると、カワラナデシコのような人間と密接な関係のある普通種が、その自生地や個体数を減少させてしまう結果となりつつある



基本変種エゾカワラナデシコとはよく似ているが、
苞がエゾカワラナデシコでは 2対
  カワラナデシコでは 3対

と異なる。
 
 
 



フシグロセンノウ   2017

2017-08-18 06:00:00 | ナデシコ科
フシグロセンノウ(節黒仙翁)
<学名:Silene miqueliana (Rohrb.) H.Ohashi et H.Nakai>
ナデシコ科 センノウ属 多年草












本州・四国・九州の山地谷筋の明るい落葉広葉樹林や林縁などに
自生する高さ40~90 cmの日本の固有種。

あちこちで沢山咲いていました。
林の中で朱色の花はとても目立ちます。
撮影日 2017.08.6: 群馬県

茎は直立、上部は分枝し、まばらな軟毛がある。
葉は無柄で茎に対生する。葉身は卵形から長楕円状披針形で、
葉先は鋭尖形で基部は細まり、長さ5~14 cm、幅2.5~5 cmになる。
 

花期7~8月。野草では珍しい色の朱赤色の花を、
分枝した茎の先にまばらに数個付ける。
 
 
 
萼は2.5~3 cmの長円筒状で5裂し、毛はない。
花弁は5個で倒卵形長さ2.5~3 cmになる。
各花弁の基部に2個の濃色の鱗片がある。

 
和名のように茎の節はやや太く、紫黒色を帯びる

 
センノウについては、京の嵯峨にある仙翁寺で
初めに見つかったための名、と言われる。

 
別名「ゼニバナ」「オウサカバナ」(逢坂関に自生していた
ことに由来する。)

古くより仙翁花とともに茶花、生け花に用いられた。
山野草として苗が販売されている。



ナンバンハコベ  2017

2017-08-17 06:00:00 | ナデシコ科
ナンバンハコベ(南蛮繁縷)
<学名:Silene baccifera (L.) Roth
       var. japonica (Miq.) H.Ohashi et H.Nakai>

ナデシコ科 ナンバンハコベ属 多年草










北海道~九州の山野に自生する。
和名に南蛮とつくが、帰化植物ではなく在来種である。

茎はよく分枝し、つるのように細長く横に伸び、
長さは1.5~1.7mほど、他に寄りかかって生長する。
緑色で茎には細毛が生え、節がある。
葉は長さ1~4mmの葉柄をもって対生し、葉の形は
広披針形から卵状楕円形で、先端は鋭尖。
大きさは長さ2 - 9cm、幅1~2.5cmになり、葉縁は
なめらかで、縁と裏面に毛が生える。

撮影日 2017.08.14: 長野県

花期は8~9月、枝分かれした小枝の先に1個の花を、
横向きないし下向きにつける。
 
 
萼は緑色で、
合生して筒状の広鐘形になり、5中裂し、裂片は
長卵形で長さ1~1.2cmあり、先端は鋭形になる。
花後は開出して宿存する。
 

花弁は5個で離れてつき、白色、長さ約15mmで、
途中から反り返る。
 
一度見たら忘れられない変わった花形ですね。

雄しべは子房より下位につき10本、
花柱は3本。

果実は液果状の果で黒色、径6~8mmの
球形で裂開せず、中に多数の種子が入っている。

別名、ツルセンノウ