クルマユリ(車百合)
<学名:Lilium medeoloides A.Gray>
ユリ科 ユリ属 多年草
栽培目的の採集やシカによる食害などが要因で 減少傾向にある植物です。
長野県の山で出会いました。
北海道や本州中部地方以北と大台ヶ原山と四国の剣山の 亜高山帯から高山の草原に分布している。
直径約2cmの白色球形の鱗茎があり、茎の高さは30~100 cm。
葉が茎の中央部で6~15枚輪生し、その上部に3~4枚まばらにつく。
撮影日 2019.07.21: 長野県
ここは崖の途中で盗掘や動物の食害の被害に遭わないですが 土が少ないためか小さかったです。
花期は7~8月、茎先に赤橙色をした花を1輪~数輪、 横向き~斜め下向きにつける。
花の大きさは5~6 cm、花被片6枚はオレンジ色で、 先が強く反り返り、濃紅色の斑点がある。
オニユリやコオニユリ等と良く似ているが、 クルマユリは葉が車輪のように付き、
花の反り返りが、 花弁が後ろで触れ合うほど強いのが特徴。
和名は、茎に輪生する葉を車輪にたとえたもの。
ヤマホタルブクロ(山蛍袋)
<学名:Campanula punctata Lam.
var. hondoensis (Kitam.) Ohwi>
キキョウ科 ホタルブクロ属 多年草
一秋の地元の山ではホタルブクロはたくさん生えています。
いたるところで見かけたホタルブクロですが、 今年は数が少ないように思います。
長野県の山へ出かけたときにあちこち沢山咲いていました。
撮影日 2019.7.21: 長野県
東北地方南部から近畿地方の東部にかけて分布する ホタルブクロの日本固有の変種。
山地から亜高山帯に 広く分布する。
日当たりのよい草原や林縁などで多く見られます。
初夏から夏の前半にかけて釣り鐘形の花を多数咲かせます。
細い地下茎を伸ばしてふえ、開花した株はタネと多数の 子株を残して枯れます。
子株は1~2年で花を咲かせます。
萼片の湾入部に反り返った付属体がないことが特徴です。
ホタルブクロではがくとがくの間に上にそっくり返った 部分がありますが、
ヤマホタルブクロは萼片の湾入部に 付属体のない変種です。
オニノヤガラ(鬼の矢柄)
<学名:Gastrodia elata Blume>
ラン科 オニノヤガラ属 多年草
草むらの中からにょっきりと伸びだしていました。
撮影日 2019.07.21: 長野県
山地の樹林下に自生し葉緑素を持たず光合成を行わない腐生植物。
地下には長さ8~12㎝、幅3~7㎝の大きな楕円形の塊茎があり、 ナラタケと共生するとされている。
茎は直立し、帯黄褐色で、高さは40-100cmになり、円柱状の茎に 膜質の鱗片葉をまばらにつける。
花期は6~7月で、黄褐色の花を茎の先端に20~50個総状につけ、 下方から開花していく。
花は3萼片(外花被片)が合着して壷状になり、中に2個の側花弁と 卵状長楕円形の唇弁がある。
和名は直立する茎を,鬼が用いた弓の矢に例えて名づけられた。
確かに大地に刺さった弓の矢を連想させます。
ホタルブクロ(蛍袋)
<学名:Campanula punctata Lam.> キキョウ科
ホタルブクロ属 多年草
そろそろ咲いている頃と思い行ってみました。未だ数は少なかったですが綺麗に
咲いていました。初夏に大きな釣り鐘状の花を咲かせるホタルブクロです。
撮影日 2019.07.13: 群馬県
北海道西南部から九州にかけてのやや乾燥した草原や道ばた などでよく見られる
高さ30cmくらいの多年草。 全体有毛(茎には粗い開出毛がある。)で匍匐枝を
横に出して 増え、そこから茎を直立させて株が広がっていきます。
根生葉は長い柄があり、卵心形で花期には枯れる。 茎葉は互生し、
長さ5~8cm、幅1.5~4cmの三角状卵形または 披針形でふぞろいの鋸歯がある。
花期6~7月。初夏に花茎を延ばし数個の釣り鐘型の花を 穂状につける。
花は柄があって、うつむいて咲く。
花冠は淡紅紫色または白色で濃色の斑点があり、 先は浅く5裂する。
花色には変化があり、赤紫のものと白とがあって、関東では 赤紫が、
関西では白が多いといわれています。
萼と萼との間にある付属体が反り返っているのが特徴。
〔 萼片の湾入部(萼と萼との間)には反り返った部分 (付属体)がある。 〕
近畿以東の山地には萼片の湾入部に付属体のない ヤマホタルブクロという
変種がある。
山間部では人里にも出現する野生植物であるが、 美しいので山野草として
栽培されることも多い。 暑さには弱い一方、日陰でもよく育つ。
トーローバナ、チョウチンバナ、チョウチン、フクロバナ、 ツリガネソウ
などの別名があります。
和名の語源には、以下の2つの説があります。
① 子どもがホタルブクロの袋のような花にホタルを入れて 遊んだことに
由来する。
② 火垂る(ほたる)が語源という説 ホタルブクロの花が手に持つ提灯に
似ていることから、 「火垂る袋」と呼ばれるようになった。
≪虫の蛍も、「火垂る」が語源ではないかと言われている。≫