物臭狸の『花日記』

YAHOOから引っ越してきました。
色々な植物たちを紹介しています。

ミクニテンナンショウ  ~2020~

2020-06-18 05:00:00 | サトイモ科

ミクニテンナンショウ(三国天南星)
<学名:Arisaema planilaminum J.Murata>
サトイモ科 テンナンショウ属 多年草

 

 

撮影日 2020.06.07: 群馬県

 

本州 関東地方~中部地方(茨城・埼玉・群馬・長野・静岡・愛知県)の 
落葉樹林の林下、林縁に生える草丈50~70cmの多年草。

偽茎が長くカントウマムシグサに似る。
葉は普通2個、葉軸が発達し、小葉は7~15枚、披針形~楕円形、
両端は尖り細鋸歯がある。葉身は鳥足状に分裂し葉軸は発達する。

花期は5~6月


仏炎苞は緑色、葉よりやや遅れて開く。口辺はやや広く開出し、
襟状に広がる。

舷部はドーム状とならず平に前曲し、白条は目立たない。
広卵形~卵形で筒部とほぼ同長、口辺部は耳状に開出し緑色。
舷部上部は淡緑色,筒部から舷部基部にかけては白色である個体が多い。
付属体は淡緑色、棒状で直立し、仏炎苞口部からほとんど上に出ない。
カントウマムシグサに似るが,付属体が短く,
仏炎苞舷部に白条が目立たない。


邑田仁博士が、群馬県三国山で発見した天南星の仲間ということで

ミクニテンナンショウの名前になった。

 


アヤメ ~2020~

2020-06-17 06:10:00 | アヤメ科


今の季節を代表する花(梅雨の季節の花)を紹介します。


榛名山にアヤメ を見に行ってきました。

撮影日 2020.06.14: 群馬県

アヤメ (菖蒲、文目、綾目) 
<学名:Iris sanguinea Hornem.>
アヤメ科 アヤメ属 多年草

 

 

北海道~九州の山野の草地に自生し、高さ40~60cm程度。

多数の茎が株立ちになり葉は直立し、短く這う根茎からは多数の
ひげ根が伸びています。
(湿地の植物のように思われていますが、低山から高原の明るい草原に 
見られる植物で、他のアヤメ属のノハナショウブやカキツバタのように
湿地に生えることは稀です。)

5月~6月ごろ茎の先端に径8cmほどの紺色の花を1~3個付ける。 
花茎は分岐しない。

外花被片(前面に垂れ下がった花びら)は広倒卵形、網目模様があるのが
 特徴で、和名の元になっている。

内花被片は長楕円状披針形で直立、長さ約4cm。 花柱の先は2深裂し、
裂片には鋸歯がある。

 

古くは「あやめ」の名はサトイモ科のショウブ(アヤメグサ)を指し、 
現在のアヤメは「はなあやめ」と呼ばれていた。
(古くから栽培されていますが、ハナショウブやカキツバタほど
園芸品種は 多くは無いようです。)
 
一般的にアヤメ類の総称として、アヤメ以外の別種にあたる、 
ハナショウブやカキツバタを、アヤメと呼称する習慣が広まっている。

ついでですが 端午の節句に根や葉を風呂に入れて沸かす
「菖蒲湯」で使われる ショウブは、ハナショウブではなく、
サトイモ科のショウブです。

いずれアヤメかカキツバタ」という慣用句がある。 
優劣はつけがたくどれも素晴らしいという意味である。 
見分けがつきにくいという意味にも用いられる。

 

 


ハルナユキザサ ~2020~

2020-06-16 06:00:00 | キジカクシ科


ハルナユキザサ(榛名雪笹)
<学名:Maianthemum robustum (Makino et Honda) LaFrankie>
旧分類 ユリ科 ユキザサ属 多年草  
APG植物分類体系 キジカクシ科 マイヅルソウ属 多年草


分類体系によってはスズラン科とされたりAPG植物分類体系では、
ユリ科からキジカクシ科に移されました。
また、ユキザサ属は、マイヅルソウ属に含められた。


撮影日 2020.06.14 群馬県


 
日本固有種で、群馬県の榛名山、栃木県日光の男体山のほか、
本州中部地方に分布し、落葉広葉樹林の林床に生育する。
仲間の同属のユキザサに似ているが、非常に大型で、高さは
80~150cmになる。


地下にある根茎が特徴的で、2-3個に分枝しながら長く横たわり、
直径は20-25mmになり数珠状の結節をつくる。

葉は茎の上部に互生し、葉身は長さ15-20cm、
幅6-9cmになる長楕円形または披針状長楕円形で、
葉の裏面は多少粉白色を帯び、軟毛が密生する。

 

花期は6~7月。茎先に長さ約15cmになる大型の円錐花序をつけ、
白色の小さい両性花を多数つける。花序に毛が密生する。


花の径は約7mm、花被片は6個、狭長楕円形またはへら状長楕円形で、
ユキザサと比べ幅は広い。雄蕊は6個。雌蕊の花柱は短く、
柱頭は丸いか、わずかに3浅裂する。

果実は球形の液果で、ユキザサと比べ大きく、赤く熟す。

和名の由来は、初め群馬県の榛名山で発見されたことからきている。


ニシキウツギ  ~2020~

2020-06-14 18:00:00 | スイカズラ科

ニシキウツギ(二色空木) 
<学名:Weigela decora (Nakai) Nakai> 
スイカズラ科 タニウツギ属 落葉低木

 


宮城県以西の本州の太平洋側、四国、九州の標高1,300~2,000mの 
比較的高い所に生え、ヤブウツギ、ツクシヤブウツギなど近縁種と
高度によるすみ分けをする日本固有種。
日本海側には無く、日本海側分布のタニウツギとは逆の分布をしている。

撮影日 2020.03.00: 群馬県


下部からよく分岐し、樹高は2~5m。樹形は、茎の先端が下向きに
垂れ下がるため、逆U字型になり、垂れ下がる枝に葉や花が付く。
葉は対生、表面は緑色、裏面は灰緑色で、両面に細毛があり、 
裏面主脈の中央部には斜上する毛が密生する。 葉身は 長さ 7~14cm、
幅 4~7cmの楕円形~広楕円形。 先端は急に細くなって尾状に尖り、
基部は広い楔形か円形。葉縁には細かいきょは鋸歯がある。 

花期は5~6月。花冠は漏斗状で長さ2.5~3.5センチメートル毛を散生する。
柱頭(雌しべの先)が花冠から突き出ています。

子房は、ほとんど無毛。果実は円柱形、2片に割れる。

ニシキウツギは錦空木ではなく「二色空木」⇒白と赤の二色、
白から薄桃、赤紫と変化する事から付いた名前です。

 

 

よく似た種に、庭などにも植えられるハコネウツギがある。


違いは
ニシキウツギの花は花柱が花冠の外に突きでる
ハコネウツギの花柱は花冠の外に出ることはない

ニシキウツギの表は短毛が少しあり、裏の脈沿いに白い毛が密生
ハコネウツギの葉はほとんど無毛


なお、ハコネウツギは北海道南部~九州の海岸付近に生えるもので、
「箱根」の名はあるが箱根には生えていないそうである


オオカメノキ

2020-06-12 13:00:00 | スイカズラ科

前に出した ヤブデマリ によく似た花で
標高が比較的高い場所(1200m以上)に多い。



撮影日 2020.05.31: 長野県

 


オオカメノキ(大亀の木) 別名:ムシカリ
<学名:Viburnum furcatum Blume ex Maxim.>
レンプクソウ科 ガマズミ属 落葉低木

 



北海道から九州までの山地~亜高山のブナ林内、湿った岩陰や針葉樹林内に
自生する。樹高は2~4mくらいになる落葉低木~小高木。

大形の葉は対生し6~20cm、葉脈が谷のように窪み、基部はハート形にくぼむ。
縁は細かく裂ける重鋸歯となる。

花期は4~6月、枝先から散房花序をだし、白色の小さな両性花のまわりに
大きな5枚の花弁を持つ装飾花が縁どる。また花序の基部に柄が発達せず、
葉腋から直接出るのも特徴である。

夏に赤い実をつけ、秋には黒色に熟す。

オオカメノキの和名は、大神の木であるとのこと。
葉の形が亀の甲羅に似ている。 卵円形の大きな葉を亀の甲羅に見立てて、
「大亀の木」とも。
葉がよく虫に食われることから、別名「虫食われ」、それが転訛し
「ムシカリ」という別名もある。

装飾花は花弁が合着したままで落下する。