物臭狸の『花日記』

YAHOOから引っ越してきました。
色々な植物たちを紹介しています。

発見 オオヒキヨモギの新産地

2022-08-22 05:00:00 | ハマウツボ科


オオヒキヨモギ(大引蓬)
<学名:Siphonostegia laeta S.Moore>
ハマウツボ科 ヒキヨモギ属 半寄生植物

 


撮影日 2022.8.16: 群馬県

環境省 絶滅危惧Ⅱ類   (絶滅の危険が増大している)
群馬県 絶滅危惧IA類   (近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの)
に指定されている植物です。


本州(関東~中国地方)、四国(瀬戸内海側)、中国地方に分布
低山、里山の日当たりよく乾いた草地や崩壊地、崖地などに生える半寄生の1年草

高さ30~70㎝で茎は斜上し、全体に開出した腺毛が生える。
葉は長さ1.5~2.5㎝卵形で、深裂する。下部では対生し、上部では互生し、
葉柄には翼がある。

花は8~9月葉脇に1個ずつつき、萼には腺毛が密生し、先が5裂する。
萼筒は長さ1~1.5㎝。萼片は長さ6~10㎜。
花冠は灰黄色で上側は暗紫色


オオヒキヨモギの群馬県での分布状況は南西部に数か所分布が確認されています。
以前分布を知るMさんに教えてもらって、そこで何度か撮っています。
今回より近くでの生育地を発見しました。
あまり詳細場所は控えますが、一秋の住む藤岡市のお隣、高崎市(吉井)になります。

より身近で見られることが分かりました。探せばまだまだ珍しい植物たちに
出会えるかもしれません。
色々な植物たちが人知れず生き残っているかもしれません。 


蜂さんが吸蜜のために訪れていました。花に潜り込むのを観察しました。





ヤナギラン

2022-08-15 17:00:00 | アカバナ科

ヤナギラン(柳蘭)
<学名:Chamerion angustifolium (L.) Holub>
アカバナ科 ヤナギラン属 多年草

 

 

夏の高原を代表する紅色の綺麗な花の群落です。

撮影日 2022.07.23 : 長野県


本州中部以北、北海道の亜高山帯から山地帯の草地や礫地に
分布する。森林の伐採跡地や林道沿いの湿った草地などに
群落をつくっていることが多い。

高さ0.5~1.5 mで、ほとんど枝分れせずまっすぐ上に伸びる。

葉は互生し、長さ5~18㎝の披針形、ヤナギに似た細い葉で
細かな鋸歯がある。

花期は7~9月。茎頂の総状花序に濃紫色の花を下から順に咲かせる。



長さ1-1.5 cmの花弁は4個で、雄しべは8個、
花は下から上に順次咲き、雄しべだけの花が先に開き、
後から雌しべの先が十字に開いて雄しべの花粉を受粉する雄性先熟。

蜂や蝶に人気の花でした。

花を横から見ると花柄と花の間に棒状の部分が見られます。
ここが実になる所で子房と呼ばれます。
アカバナ科は花の下に子房が見られる『子房下位』が特徴です。
花が散って棒状の子房だけになってやがて中から綿毛の付いた小さい種が
風に乗って旅立って行きます。

 



何年か前の秋に撮った実の画像をご覧ください。

果実は細長く、白い綿毛を付けた種子を飛び散らせます。

下の方の実は裂けて綿毛の付いた小さい種が飛び立とうとしています。

 


和名の由来は、ヤナギ(柳)に似ている細長い葉をしていて花が美しく
ラン(蘭)の花を思わせるのでヤナギランと呼ばれます。
柳の仲間でも蘭の仲間でもなくアカバナ科です。(マツヨイグサの仲間に近いものです。)