物臭狸の『花日記』

YAHOOから引っ越してきました。
色々な植物たちを紹介しています。

コナスビ

2016-06-28 00:00:00 | サクラソウ科

コナスビ(小茄子)
<学名:Lysimachia japonica Thunb.>
サクラソウ科 オカトラノオ属 多年草






 日本全土の田の畦や林の中等少し湿り気のある場所に生える多年草。
茎には軟毛があり、地面をはって四方に広がる。
葉は対生し、長さ1~2.5cm、幅1~2cmの広卵形で先は短くとがる。


撮影日 2016.6.26: 群馬県

花期は5~6月、葉腋に直径5~7mmの小さな黄色の花を1個ずつつける。
花冠は深く5裂して平開する。
合弁花であるが花びらが五つに深く切れ込んでいるて離弁花のように
見える。


おや~ この花は花びら1枚多いですね。ふつうは5つに切れ込んでいるものですが…





オカトラノオの花と比べてみましょう。
オカトラノオは穂状になって咲きますが1つ1つの花の作りは同じようです。

オカトラノオ  撮影日 2016.6.26: 群馬県




 




花後、小さな丸い実をつけるが、この果実がナスビ(茄子)に似ている
とされコナスビ(小茄子)の名が付いた。



マタタビ

2016-06-27 10:54:00 | マタタビ科
マタタビ(木天蓼)
<学名:Actinidia polygama (Siebold et Zucc.) Planch. ex Maxim.
マタタビ科 マタタビ属 落葉蔓性木本








落葉性の蔓性木本で葉は互生し葉柄があり、形は楕円形で細かい
鋸歯がある。

つるの先端部の葉は、花期に白化し送粉昆虫を誘引するサインと
なっていると考えられる。


撮影日 2016.6.18: 群馬県


撮影日 2016.6.26: 群馬県

(近縁のミヤママタタビでは、桃色に着色する。)


花は6月~7月に径2cmほどの香りの良い白い花を咲かせる。








雄株には雄蕊だけを持つ雄花を、両性株には雄蕊と雌蕊を持った
両性花をつける。花弁のない雌蕊だけの雌花をつける雌株もある。

雄花








雄花


名前の由来は、アイヌ語でマタタンプと呼ばれているためマタタンプが
転訛(てんか)して、マタタビになった
という
説や、
古名で、和多々比(わたたび)と呼び、ワタタビが転訛して、マタタビの
名に
なったという
説もある 。
またよく言われているのは「長旅に疲れた旅人が、マタタビの果実を
食べたら元気が出て、「また旅」をしたということから名づけられた」

というマタタビ語源説もあります。

別名夏梅とも呼ばれます。

マタタビといえば猫・・・
ネコ科の動物はマタタビ特有の臭気(中性のマタタビラクトン
および塩基性のアクチニジン)に恍惚を感じ、ライオンや
トラなどもマタタビの臭気に特有の反応を示す。
イエネコがマタタビに強い反応を示すさまから
ネコにマタタビ」という言葉が生まれた。

マタタビに含まれている揮発性のマタタビラクトンなどの成分が
猫の大脳をマヒさせ、眠気を引き起こし、運動中枢やせき髄などの
反射機能を鈍らせることで起こるそうです。
いわば人間にとっての麻薬のようなものですね。


子供のころ猫を飼っていました。
標本の新聞紙交換などをしていた時のことです。
標本の上で飼い猫がゴロン、ごろごろと・・・
マタタビの花の標本でした。マタタビ威力大でした。




もうちっちゃな実ができているものもみられました。





卯の花  ~ ウツギ ~

2016-06-24 08:27:44 | ユキノシタ科
地元散策で今の時期に見られるいくつかの樹木の花を紹介しています。
 
『夏は来ぬ』(佐々木信綱 作詞 小山作之助 作曲)の歌に
出てくる卯の花です。

♪♪♪
卯の花の、匂う垣根にほととぎす、早も来鳴きて
しのびねもらす、夏は来ぬ  
♪♪♪





ウツギ(空木)
<学名:Deutzia crenata Siebold et Zucc.
アジサイ科 ウツギ属 落葉低木












北海道南部、本州、四国、九州に広く分布し、山野の路傍、
崖地など日当たりの良い場所にふつうに生育するほか、
観賞用に植えられる落葉低木。
樹高は2~4m、よく分枝する。樹皮は灰褐色で、新しい枝は
赤褐色を帯び星状毛が生える。
樹皮は灰褐色、短冊状にはがれる。


撮影日 2016.6.18: 群馬県

葉の形は変化が多く、卵形、楕円形、卵状披針形になり、
葉柄があって対生。
花期は5~7月。



枝先の円錐花序に多数の白い花を咲かせる。



普通、花弁は5枚で細長いが、八重咲きなどもある。




茎が中空のため空木(うつぎ)と呼ばれる。
「卯の花」の名は空木(うつぎ)の「ウ」を取って、う(=うつぎ)の花
と名付けられた。
ちなみに、旧暦4月を卯月というのは、卯の花が咲く季節から、
卯月と名付けられた。




おからを「卯の花」と呼ぶのはウツギから来ているのだそうです。
ウツギの咲いている様子に見立てたとか(いずれも白いので)、
枝の芯が空洞でおからの「から」が「空っぽ」に通じるという
言葉遊びと白い花を咲かせるところを見立てた
洒落だとか言われます。





オオバアサガラ

2016-06-22 06:00:00 | エゴノキ科
地元散策で今の時期に見られるいくつかの樹木の花を紹介しています。

白い花穂が風にそよいでいました。


オオバアサガラ(大葉麻殻)
<学名:Pterostyrax hispida Siebold et Zucc.>
エゴノキ科 アサガラ属 落葉高木











本州・四国・九州に分布する落葉の小高木。
夏緑広葉樹林の谷筋に生育する。
当年枝は緑色でほぼ無毛。次の年にはエゴノキと同様に薄く糸状に
樹皮がはげる。
水分を容易に得ることができ、風のあまり吹かない場所に生育する。
葉は大きく長さ10~20cm長蛇円形で先端は尾状に尖る。
裏面は灰緑色で、微細な星状毛があるが、見た目では無毛のように見える。
葉裏の網状の脈が著しく隆起している。


撮影日 2016.6.19: 群馬県

花は6月に咲き、垂れ下がった
長さ15~20cmの複総状花序に多数の白い花を付ける。



花冠は長さ6~7mmで5深裂する。




花弁は5枚で10本の雄しべがある。