物臭狸の『花日記』

YAHOOから引っ越してきました。
色々な植物たちを紹介しています。

ダンコウバイ ~2018~

2018-03-30 10:00:00 | その他
早春まだ葉がほとんど芽吹いていない森の中で、アブラチャンと共に
黄色い花を咲かせているのが目立つ木です








ダンコウバイ(檀香梅)
<学名:Lindera obtusiloba Blume>
クスノキ科クロモジ属の落葉小木






撮影日 2018.3.27: 群馬県
本州(新潟県、関東以西)、四国、九州に分布
成木は樹高2.5~6 m、幹の直径約18 cm。
葉は互生し、柄があって葉身は幅広い楕円形で先端が浅く三裂する。
葉の長さは5-15 cm、幅は4-13 cm、基部が幅広く丸い。
葉質はやや厚く、表面はつやのない緑、若葉の裏面には
毛が生えている。
花期3~4月。春、芽吹く前に黄色い小さな花を枝に無数に付ける。

雌雄異株で、の葉が展開する前に小さな黄色い花を
散形花序につける。


花被片は6個で楕円形。

種子に強い香りが有り檀香梅と書く。葉も揉むとわずかに芳香がある。

ダンコウバイの冬芽は葉芽は楕円形、花芽は球形をしているが柄は無く、
葉芽・花芽ともに大柄でぼってりしている。




アブラチャン ~2018~

2018-03-30 09:00:00 | その他
早春まだ葉がほとんど芽吹いていない森の中で、ダンコウバイと共に
黄色い花を咲かせているのが目立つ木です。







アブラチャン(油瀝青)
<学名:Lindera praecox (Siebold et Zucc.) Blume>
クスノキ科 クロモジ属 落葉低木










撮影日 2018.3.28: 群馬県
本州・四国・九州に分布し、高さは6メートルに達する。
葉は互生。質は薄く卵型から楕円形。全縁で葉先はとがり、
葉柄は赤みを帯びる。冬になっても枯れ葉が枝に残っていることが多い。
枝や実にはクスノキ科に特有の芳香があるが、どことはなしに油っぽい。
葉も揉むとわずかに芳香がある。
花期3月~4月。早春、葉に先立って淡黄色の花をつける。

雌雄異株。

花は3-5個の花が散形花序に集まってつく。

淡黄色の花被片は6個。

種子は茶色で、油を多く含む。
花は同時期に咲く同じクスノキ科の
ダンコウバイとよく似ているが、花柄がつくので区別はできる
(ダンコウバイは花柄がないので、枝から直接散形花序が
 でているように見える)。

また、冬芽の形が明らかに違うので、 冬芽に着目した方が区別は容易。
アブラチャンの葉芽は小さく細長く花芽は球形。
冬期は同じ木に二種類の芽を確認できる。花芽には当然柄がついている。




アブラチャンの「アブラ」は「油」、「チャン」は「瀝青」のことを指す。
「油瀝青」ということで、木全体に油が多いことが名前の由来。




カタクリ ~2018~

2018-03-28 08:00:00 | ユリ科
     カタクリ



カタクリ(片栗)
<学名:Erythronium japonicum Decne.>
ユリ科 カタクリ属 多年草





スプリング・エフェメラル」(春の妖精)と呼ばれ早春に開花し
春を告げる植物です。

撮影日 2018.3.25: 群馬県
北海道、本州、四国、九州の平地~山地の落葉広葉樹林の林床に
広く分布し、群生していることが多い。

通常2枚の葉があり、通常暗紫色の模様がある。

早春(花期は3-4月)10cm程の花茎を伸ばし、薄紫色の花を先端に
一つ下向きに咲かせる。

日中花に陽が当たると、花被片が開き反り返る。
日差しがない日は終日花が閉じたままとなる。

種子にはアリが好むエライオソームという物質が付いており、
アリによって生育地を広げている。
(スミレと同じですね。)

白花やピンク色の花が見られました。








アズマイチゲ ~2018~

2018-03-27 18:00:00 | キンポウゲ科
アズマイチゲ(東一華)
<学名:Anemone raddeana>
キンポウゲ科 イチリンソウ属 多年草





スプリング・エフェメラル(春先に花を咲かせ、木々の若葉が
広がる頃には地上部は枯れてなくなり、翌春まで地中の地下茎で
過ごす早春植物)の一つとして知られています。

撮影日 2018.3.25: 群馬県
日本全国の山地や山麓の日当たりの良い場所に分布する高さ
15-20cm程で直径2-3cmの花を咲かせる多年草。

根際から出る葉は長い柄があり、2回3出複葉、
茎につく葉は3出複葉で3枚が輪生する。
先は丸みがあり、垂れるようになるのが特徴です。

茎先に直径2-3cmで花弁状の白い萼片8-13枚を持つ花を1個つける。
(花弁はなく、白い花びらのように見えるのは萼片)

花の中央、萼片の付け根部分が紫黒色になっています。
これもアズマイチゲの特徴の一つです。


アズマイチゲの名前は
「東(関東)の一華(イチリンソウ属の花の一名)」
ということから。
別名「雨降花」と呼ばれることもあり、摘み取ると雨が降る
という説があるそうです。



似た植物にキクザキイチゲというのがあります。
識別記事は
         アズマイチゲ / キクザキイチゲ



アマナ ~2018~ (3/25:更新)

2018-03-22 12:37:05 | ユリ科
スミレの観察に出かけました。
途中で
・・・ この辺りにはアマナがあったと思い出して探してみました。

ありました。
が、・・・


撮影日 2018.03.18: 群馬県

開いていません。まだ朝早く日が当たっていないため
開いていませんでした。


アマナには 晴れた日には花がよく開くが、曇りの日には閉じてしまう。
陽が陰ってくると閉じてしまうという性質のある花なんです。

アマナの観察は晴れの日の日中、昼前後がいいのです。
帰りにまた寄ってみようと考えスミレ探しにいそしんできました。



で、帰りには・・・
開いていました。

アマナはスプリング・エフェメラルとして人気の花ですが、
だんだん数が減ってきている植物です。
今年も出会うことができました。
(以下、写真は今年のものですが解説は以前記事にしたものと同じです。)


アマナ(甘菜)
<Amana edulis (Miq.) Honda >
ユリ科 アマナ属 多年草


春早く咲く花のひとつ。
~ 新春に葉を伸ばし、花を咲かせ、葉は夏頃まで残る
  いわゆるスプリング・エフェメラルと呼ばれる植物。 ~

福島県以西~九州、奄美大島に分布し、
日当たりの草地に生える。やや湿ったところに多い。

背丈の高い草地には生えないため、春先に草刈りやなどの行われるような、
里山的環境に見られることが多い。
水田の畦や河川の堤防などに生育地が多かったが、現在ではそのような
環境は大きく変化しており、見られる場所は少なくなっている。
鱗茎は卵形、地中深くにあり、 高さ2.5~5cm、外側に黒っぽい皮がある。
(10cm位の深さに埋もれており、しかもそれに繋がる茎が細いので、
掘り出そうとしても切ってしまうことが多い)
根出葉は2個、ほぼ同じ大きさのものが向かい合う。
葉鞘は地中に埋まる。線形で長さ10-25cm、幅は5-10mm、
中央がくぼんでUの字になっている。色は緑色で裏面は少し紫がかり、
全体に白い粉を吹いたような感じに見える。

花期は3~5月
葉の間から15cm程の花茎を立て、その先端に白い花を一つだけ
つける。(普通は1茎1花であるが、時に2~3花をつける。)
花の少し下には一対の苞があり、小さな葉状で緑色をしている。
花は日が照ると開く。(陽が陰ってくると閉じる。)

花被は六個、長さ20-25mm、披針形で先端がやや尖り、
白で背面には紫の筋が入る。上向きかやや斜めに咲く。
雄蘂は6本で花被片の半長、葯は黄色い。

アマナはチューリップに近い仲間です。
(花の見かけはごく小さなチューリップそのものという感じ。
以前はTulipa edulisとしてチューリップ属に入れられていました。)

チューリップとの違いは花柄に1対の苞が付いていること。
チューリップの花柄には苞は付いていません。


名前は球根が甘く食用できることから付けられた。
別名ムギクワイと呼ばれます。
これは球根の形をクワイになぞらえたものです。

アマナの仲間(アマナ属)の中でアマナに良く似たヒロハノアマナという
環境省レッドリストの絶滅危惧II類(VU)に指定されている種があります。
だいぶ前に撮った写真ですが参考に紹介しておきます。
比較してみてください。



参考 ヒロハノアマナ

ヒロハノアマナ(広葉の甘菜)
<Amana erythronioides (Baker) D.Y.Tan et D.Y.Hong >
ユリ科 アマナ属 多年草

撮影日 2008.03.23: 埼玉
本州の関東地方から近畿地方、四国に分布し、草地や疎林の下に生育する。地下の鱗茎は長さ3~4㎝(2~4㎝)の卵形。葉は根出葉で2個あり、線形で長さ10-15cm、幅が10-20mmと広く、中央に白線がある。花期は3-5月。花茎は高さ10-15cmになり、先に1個の白色の花をつける。花被片は6個、雄蕊は6個。花茎に3個の苞があり、アマナと区別することができる。苞は花茎に常に3個が輪生(3~4個まれに2個)。