スミレの観察に出かけました。
途中で
・・・ この辺りにはアマナがあったと思い出して探してみました。
ありました。
が、・・・
撮影日 2018.03.18: 群馬県
開いていません。まだ朝早く日が当たっていないため
開いていませんでした。
アマナには 晴れた日には花がよく開くが、曇りの日には閉じてしまう。
陽が陰ってくると閉じてしまうという性質のある花なんです。
アマナの観察は晴れの日の日中、昼前後がいいのです。
帰りにまた寄ってみようと考えスミレ探しにいそしんできました。
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で、帰りには・・・
開いていました。
アマナはスプリング・エフェメラルとして人気の花ですが、
だんだん数が減ってきている植物です。
今年も出会うことができました。
(以下、写真は今年のものですが解説は以前記事にしたものと同じです。)
アマナ(甘菜)
<Amana edulis (Miq.) Honda >
ユリ科 アマナ属 多年草
春早く咲く花のひとつ。
~ 新春に葉を伸ばし、花を咲かせ、葉は夏頃まで残る
いわゆるスプリング・エフェメラルと呼ばれる植物。 ~
福島県以西~九州、奄美大島に分布し、
日当たりの草地に生える。やや湿ったところに多い。
背丈の高い草地には生えないため、春先に草刈りやなどの行われるような、
里山的環境に見られることが多い。 水田の畦や河川の堤防などに生育地が多かったが、現在ではそのような
環境は大きく変化しており、見られる場所は少なくなっている。
鱗茎は卵形、地中深くにあり、 高さ2.5~5cm、外側に黒っぽい皮がある。
(10cm位の深さに埋もれており、しかもそれに繋がる茎が細いので、
掘り出そうとしても切ってしまうことが多い)
根出葉は2個、ほぼ同じ大きさのものが向かい合う。
葉鞘は地中に埋まる。線形で長さ10-25cm、幅は5-10mm、
中央がくぼんでUの字になっている。色は緑色で裏面は少し紫がかり、
全体に白い粉を吹いたような感じに見える。
花期は3~5月
葉の間から15cm程の花茎を立て、その先端に白い花を一つだけ
つける。(普通は1茎1花であるが、時に2~3花をつける。)
花の少し下には一対の苞があり、小さな葉状で緑色をしている。
花は日が照ると開く。(陽が陰ってくると閉じる。)
花被は六個、長さ20-25mm、披針形で先端がやや尖り、
白で背面には紫の筋が入る。上向きかやや斜めに咲く。
雄蘂は6本で花被片の半長、葯は黄色い。
アマナはチューリップに近い仲間です。
(花の見かけはごく小さなチューリップそのものという感じ。
以前はTulipa edulisとしてチューリップ属に入れられていました。)
チューリップとの違いは花柄に1対の苞が付いていること。
チューリップの花柄には苞は付いていません。
名前は球根が甘く食用できることから付けられた。
別名ムギクワイと呼ばれます。
これは球根の形をクワイになぞらえたものです。
アマナの仲間(アマナ属)の中でアマナに良く似たヒロハノアマナという
環境省レッドリストの絶滅危惧II類(VU)に指定されている種があります。
だいぶ前に撮った写真ですが参考に紹介しておきます。
比較してみてください。
参考 ヒロハノアマナ
ヒロハノアマナ(広葉の甘菜)
<Amana erythronioides (Baker) D.Y.Tan et D.Y.Hong >
ユリ科 アマナ属 多年草
撮影日 2008.03.23: 埼玉県
本州の関東地方から近畿地方、四国に分布し、草地や疎林の下に生育する。地下の鱗茎は長さ3~4㎝(2~4㎝)の卵形。葉は根出葉で2個あり、線形で長さ10-15cm、幅が10-20mmと広く、中央に白線がある。花期は3-5月。花茎は高さ10-15cmになり、先に1個の白色の花をつける。花被片は6個、雄蕊は6個。花茎に3個の苞があり、アマナと区別することができる。苞は花茎に常に3個が輪生(3~4個まれに2個)。