物臭狸の『花日記』

YAHOOから引っ越してきました。
色々な植物たちを紹介しています。

ハンショウヅル

2021-06-24 20:51:23 | キンポウゲ科

ハンショウヅル(半鐘蔓)
<学名:Clematis japonica Thunb.>
キンポウゲ科 センニンソウ属 つる性低木

 

 


撮影日 2021.6.20: 群馬県

本州~九州の山地の林縁、林内などに生える木質の落葉性つる性低木。
茎はしばしば暗紫色を帯び、長く伸びる。

葉は粗い鋸歯のある卵形~倒卵形の3小葉からなる三出複葉で対生する。
小葉は長さ4~9 cmの卵形で葉質はやや固くて先端は尖り、両面に短毛が生える。
葉柄が巻いて、他の木や草に絡み付いて伸びる。

5月~6月、葉の間から柄を出し、先に鐘形の紅紫色の花を下向きにつける。
花柄は6cm~12cmで中ほどに小さな小苞が1対ある。
花弁はなく、花弁に見えるのは4枚の厚い萼片で、白毛で縁取られ長さ2.5cm~
3cmで先端は尖る。花糸は扁平で、軟毛が密生している。雌しべは雄しべに
隠れるようになり、花柱には長い毛があります。

下向きに咲く花を半鐘に例えたことが名前の由来。

痩果は長さ約6 cmの狭卵形で、宿存する羽毛状の花柱が尾状についている。

 

 

属名Clematisの通り園芸栽培されるクレマチスの仲間、センニンソウや
ボタンヅルなどと同じく日本に自生するクレマチスです。


オトメエンゴサク

2021-06-19 20:48:05 | ケシ科

オトメエンゴサク(乙女延胡索)
<学名:Corydalis fukuharae Liden>
ケシ科 キケマン属 多年草
別名ホンシュウエンゴサク

 

 


撮影日 2021.6.6: 長野県

 

本州北部の多雪地、中部地方に分布するスプリング・エフェメラルの一つ。

  スプリング・エフェメラル
     (春先に花を咲かせ、落葉広葉樹林の若葉が広がる頃には地上部は枯れて
     なくなり、その後は翌春まで地中の地下茎で過ごす植物)

北海道に分布するエゾエンゴサクと混同され、
中部地方以北にも分布されるとされてきたのですが、
東北地方から北陸地方に分布するものは、
スウェーデンの植物学者 Magnus Lidenによって別種の
オトメエンゴサク (C. fukuharae)とされました。
福原達人 (2016)は、「エゾエンゴサクとの区別点や分布はなお検討を
要する」としています。

 

長野県の高層湿原にスミレ観察に行ったとき、湿原に入る手前に咲いて
いたものです。

湿り気のある林内、林縁に生える多年草で、エゾエンゴサクとよく似ている。

地下にある直径1-2cmの球形~卵球形の塊茎から茎を出し、高さ10-25cmになる。
葉は薄く、表面は緑色、裏面はわずかに粉白色をおびる。
2~3回3出複葉となり、小葉は全縁か深く全裂し、裂片は倒卵形で、先は鈍形
または鋭形となる。


花期は4-5月。

茎頂の総状花序に淡青色~淡紫色の花を一方に偏って
3~13個の花をつける。




小花柄の基部の苞は長楕円形になり、全縁か
まれに最下が浅裂し、先は鋭形または鈍形になる。

 

 


(近縁種のヤマエンゴサクの苞には歯牙または欠刻があり区別できる。)

 

比較のためヤマエンゴサクを貼っときます。