コヒルガオ(小昼顔)
<学名:Calystegia hederacea Wall.>
ヒルガオ科 ヒルガオ属 蔓性の多年草
本州~九州の日当たりのよい草地や道ばたにふつうに生える蔓性の多年草。
地中に白色の地下茎を伸ばして増え、蔓はほかのものにからみついて伸びる。
たくさん花が咲く割には種ができることが少なく、地下茎があちこちに 伸びて、
途中から新しい芽を出して増える栄養繁殖をしている。
撮影日 2019.07.23: 群馬県
葉は互生し、長さ3~7cmのほこ形で基部が耳のように横に張りだす。
この張りだした部分が2裂するものが多い。葉先は普通、鋭頭。
"ヒルガオの葉はほこ形から矢じり形、コヒルガオの葉はほこ形で、
左右に張り出す側裂片がとがり気味になるのが特徴"とされていますが、
葉の形はかなり変化に富んでいて、葉の形では両種を区別することは できません。
あくまでそのような傾向がある、・だけです。
花期は6~8月。 葉腋から長さ2~5cmの花柄をだし、淡紅色の花を1個つける。
花は小形のロート形。花冠は直径3~4㎝、五角状になることが多い。
萼は5裂し、大きな苞に包まれている。多くは結実しない。 蕾は螺旋形に巻いている。
花柄の上部には縮れた狭い翼があるのが特徴。 花は早朝、夜明けとともに開花し、
夕方には花の命を終えてしまう 一日花である。 毎日、次から次へと花が咲くので、
同じ花が咲いているように見えるが、 花の命はたった一日限りである。
朝咲く朝顔に対して、昼にも咲いているので昼顔の名があり、 小昼顔の名は昼顔より
全体が小型であることに由来する。 何故か「雨降り花」といった、雨と絡めた地方名が多い。
昼顔/小昼顔の識別について よく似たヒルガオとの識別については
こちらで ⇒ ◎
両種を確実に区別できる決定打は花柄です。
花の首の部分を見てください。 ヒルガオの花柄はつるっとしていますが、
コヒルガオの花柄には 必ず縮れが出ます。ここが両種を区別する、確実な相違点です。
ヒルガオの苞の先端は丸みがあるかへこみます。 (時に三角形にとがるものもあるので、
苞の部分はあくまで目安です。) コヒルガオの苞は、先端が三角形にとがるのが普通です。
ヒルガオは花冠の直径が5~6㎝と大きく、葉の先が鈍頭、 葉の基部が下側方へ張り出し、
苞が大きく、鈍頭、葉柄に翼がない。
ただし、中間的なものも多く、アイノコヒルガオという雑種もある。
アイノコヒルガオは未だ見たことがありません。 いつかで会ってみたいですね。
昼顔はよく見かけます。機会があれば記事にしてみます。