物臭狸の『花日記』

YAHOOから引っ越してきました。
色々な植物たちを紹介しています。

サンチュウトリカブト ~詳細③~

2024-11-01 17:00:00 | キンポウゲ科


サンチュウトリカブト(山中鳥兜)
<学名:Aconitum ohmorii Kadota>
キンポウゲ科 トリカブト属 擬似一年草

今回は  に焦点を絞って見ていきたいと思います。


サンチュウトリカブトの葉の特徴  としては
③ 葉形-3中~深裂し側裂片は2裂、鋸歯が粗くて浅く、先が丸みを帯びる感じになる。
⑤ 葉柄上部や脈沿いの毛が長い直毛で散生
などです。

 


   3中~深裂し側裂片は2裂

 


   鋸歯が粗くて浅く、先が丸みを帯びる感じ

 



[ 比較のためツクバトリカブトの葉をご覧ください。

切れ込みが深く鋸歯の尖り方がより長くとがっています。 ]




   葉柄上部や脈沿いの毛が長い直毛で散生

葉柄には長い直毛が生えています。

脈沿いや葉縁にも直毛が見られます。

葉の直毛はサンチュウトリカブトの他にはあまり見られない特徴です。


サンチュウトリカブトのかかわった雑種でも見られるようです。

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サンチュウトリカブト ~詳細②~

2024-10-26 21:00:00 | キンポウゲ科

ンチュウトリカブト(山中鳥兜)

<学名:Aconitum ohmorii Kadota>

キンポウゲ科 トリカブト属 擬似一年草

 

 

今回は  に焦点を絞って見ていきたいと思います。


                                                              撮影日 2024.10.2: 群馬県

 

トリカブト類の花は変わった形をしています。
花の造りについては過去記事をご覧ください。

 トリカブトの勉強  その1

花弁のように見えている部分はがく片なんです。
実際の花弁は兜状の上萼片の中に蜜を貯め丸まった距を持って収まっています。
前回記したように サンチュウトリカブトの特徴としては
  ① 花柄の開出毛
  ② 花弁の舷部はあまり膨大していない
  ③ 葉形-3中~深裂し側裂片は2裂、鋸歯が粗くて浅く、先が丸みを帯びる感じになる。
  ④ 上萼片(頂萼片)の嘴が短い
  ⑤ 葉柄上部や脈沿いの毛が長い直毛で散生
があり、花に関する事項は①と②④です。

                                          .

①花柄の開出毛
トリカブト類の花柄の毛は{ 無毛 ・ 屈毛 ・ 開出毛 }の3種類を基本として雑種では
混ざったりなど変化します。サンチュウトリカブトは開出毛です。
観察時には雨にぬれたり、時として抜け落ちてしまったりすることもあり注意が必要です。

花柄だけでなく上萼片にも開出した毛が見られるのが分かります。

②花弁の舷部はあまり膨大していない
花弁の様子は

舷部のふくらみは見られません。
参考に太くなるセンウズモドキの花弁を載せます。

センウズモドキの花弁は矢印部分の膨らみが大きく、比べてサンチュウトリカブトの方は
膨らんでいないのが分かります。
丸まった距は太くて長く、先端部が強く巻く。

④上萼片の嘴が短い

ばらつきはありますが、くちばしの部分があまり尖って出っ張らないです。

その他

雄蕊の花糸にも毛が散生しています。

                                          .

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サンチュウトリカブト ~詳細①~

2024-10-25 17:00:00 | キンポウゲ科

サンチュウトリカブトに付いて数度出向いて調査、観察してきましたのでその詳細を記録として載せます。

前記事にも記したのですが
去年の10月遅く長野県からの帰りに県境の南牧村を通ったのですが、
花柄に開出毛腺毛を多く交えるトリカブトを見ました。花はいくつかの残り花が見られるのみで
葉は枯れていて正確な同定はできませんでした。
そこで今年調査に出向き花を見るのを楽しみにしてきました。

そして今年数回、(主に 10/2と10/12中心に)観察に行ってきました。

花柄に開出毛を持つ種類はいくつか知られていますがこのあたりで見られる可能性があると考えられるのは
センウズモドキとサンチュウトリカブトぐらいだと考えられます。
去年観察した時には花弁の舷部があまり膨大していないようだったのでサンチュウトリカブトではないかと
推察して今年、花の時期に詳しく観察してみたのです。

サンチュウトリカブト(山中鳥兜)
<学名:Aconitum ohmorii Kadota>

キンポウゲ科 トリカブト属 擬似一年草

 

ではまず、サンチュウトリカブトに付いてちょこっと解説しておくと、

サンチュウトリカブトは 群馬県自然史博物館の大森威宏氏が発見し、2019年に門田裕一博士が新種として
記載発表されたトリカブトの新種です。
群馬県の"レッドデータブック2022年"で絶滅危惧ⅠB類に指定されています。群馬県上野村の2地点の
石灰岩地のみに分布が確認されているものです

サンチュウトリカブトはなぜか関係する雑種が多く、花柄の毛は屈毛の混じったものなど良く見かけます。
今回の調査でも何か所かで見かけています。純粋なサンチュウトリカブトは屈毛などが混じらないものですが、
少ないようです。
今回見つけたものは上野村の2地点のものに次ぐ3か所目になるのでしょうか。

サンチュウトリカブトの特徴としては、
 ① 花柄の開出毛
 ② 花弁の舷部はあまり膨大していない
 ③ 葉形-3中~深裂し側裂片は2裂、鋸歯が粗くて浅く、先が丸みを帯びる感じになる。
 ④ 上萼片の嘴が短い
 ⑤ 葉柄上部や脈沿いの毛が長い直毛で散生
などがあります。


次回はそんな特徴を紹介していきたいと思っていますが、今回は全体の様子をいくつかご覧ください。


この写真の花や葉の様子がサンチュウトリカブトの特徴を一番表しているように思います。

 

 

 

 

 

 

 

                                                                                                                                      .

トリカブト類は多年草のように毎年生えてきますが、実際には子根を残して親は枯れてしまうという

繁殖サイクルを持っています。このようなものを疑似一年草と呼びます。

他にも、イヌサフラン科のチゴユリやホウチャクソウなども新しい芽を残して親が枯れる疑似一年草に分類されます。

...........  ..... .....   疑似一年草とは   .....  .....  ...........

母根は、栄養繁殖体 ( 子根 ) を残して、自身は1年で枯れ
翌年、子根は、親となり新たに子根を残して1年で枯れる。
このように「1年毎に根が更新される」生活史を持つ植物を、
擬似一年草という。 多年草として捉えられることが多い。

.....     ......  .....  .....  .....  .....     ......  .....  .....  .....   ......

 

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サンチュウトリカブト 発見

2024-10-08 20:00:00 | キンポウゲ科

色々観察には出かけてはいたのですが
色々あって、なかなかアップできず
しばらくさぼってしまっていました。


今回は 群馬県絶滅危惧種のサンチュウトリカブト を載せます。

                          撮影日 2024.10.2: 群馬県(南牧村)


サンチュウトリカブト(山中鳥兜)
<学名:Aconitum ohmorii Kadota>
キンポウゲ科 トリカブト属 擬似一年草

サンチュウトリカブトは 群馬県自然史博物館の大森威宏氏が発見し、
2019 年に門田裕一博士が新種として記載発表されたトリカブトの新種です。
群馬県の"レッドデータブック2022年"で絶滅危惧ⅠB類に指定されています。
群馬県上野村の2地点の石灰岩地のみに分布が確認されているものです。

去年の秋遅くに長野県からの帰りに上野村の隣、南牧村を通った時に花柄に
開出毛腺毛を多く交えるトリカブトを見たのですが葉が枯れていて正確な
同定はできませんでした。そこで今年調査に出向き花を見ることができました。

特徴からサンチュウトリカブトと思います。

 

大森威宏先生にいくつか写真で確認してもらいました。
 >> サンチュウトリカブトの可能性が高いと思います。
とのことでした。

サンチュウトリカブトはなぜか雑種が多く、花柄の毛は屈毛の混じったものなど
良く見かけます。今回も何か所かで見かけています。純粋なサンチュウトリカブトは
屈毛などが混じらないものですが、少ないようです。
今回見つけたものは上野村の2地点のものに次ぐ3か所目になるのでしょうか。
写真ではわからない点もありさらに観察を徹底していきます。

詳細はまた別途記事に出来ればと考えています。

尚、詳細な分布地点はお問い合わせいただいてもお知らせできません。

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ノブドウ

2024-01-04 19:26:03 | ブドウ科

 

撮影日 2023.10.14: 群馬県

 

 

ノブドウ(野葡萄)
<学名:Ampelopsis glandulosa (Wall.) Momiy.
               var. heterophylla (Thunb.) Momiy.>
ブドウ科 ノブドウ属 つる性落葉低木

果実は、熟すと光沢のある青色や紫色などに色づくか白色になり、
毒はないが味が悪く食べられない。

白い実は本来の実であり、青色や紫色の実はブドウタマバエや
ブドウガリバチの幼虫が寄生している寄生果である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

異常に脹らんで、白緑色、淡紫色、瑠璃色、赤紫色

形も大小不揃いになります。

コメント (2)
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