トウダイグサ科 ━③
トウダイグサ科の三番目はナツトウダイです。
ナツトウダイ(夏燈台)
<学名:Euphorbia sieboldiana Morr. et Decne.>
トウダイグサ科 トウダイグサ属 多年草
トウダイグサ科 トウダイグサ属 多年草
地下茎は細くて横に這い、地上に高さ40cm前後の直立する茎を出す。
全体に緑色だが茎と茎葉は紫紅色を帯びることも多い。
葉は互生し柄がほとんどなく倒披針形から細長い楕円形で扁平で滑らか。
切ると白い汁が出る有毒植物。![](https://blog-imgs-125.fc2.com/s/u/m/sumire500/blog_import_5ca4ee6b08e96.gif)
全体に緑色だが茎と茎葉は紫紅色を帯びることも多い。
葉は互生し柄がほとんどなく倒披針形から細長い楕円形で扁平で滑らか。
切ると白い汁が出る有毒植物。
![](https://blog-imgs-125.fc2.com/s/u/m/sumire500/blog_import_5ca4ee6b08e96.gif)
撮影日 2008.5.5: 群馬県
花期は春 4~5月 。
茎の先端にはやや菱形を帯びた長楕円形の葉が5枚、平らに輪生し、
花序が上に出る。
茎の先端にはやや菱形を帯びた長楕円形の葉が5枚、平らに輪生し、
花序が上に出る。
5本の枝が傘状に広がり、その先端に杯状花序が付き、その基部から
二叉分枝した枝が出て先端に杯状花序をつける、ということを
繰り返すことで平らに広がった花序全体が出来上がる。
杯状花序の基部には1対の総包がつく。総包は三角状卵形から
卵状広楕円形。
子房の外面も果実の外面も平滑。二叉分枝した枝が出て先端に杯状花序をつける、ということを
繰り返すことで平らに広がった花序全体が出来上がる。
杯状花序の基部には1対の総包がつく。総包は三角状卵形から
卵状広楕円形。
杯状花序では、基部にある小総包がお椀のような形になっており、
その縁に腺体がまるで花弁のように並ぶが、この種では腺体の両端が
尖って外に突き出て、上から見ると三日月型になっている。
その縁に腺体がまるで花弁のように並ぶが、この種では腺体の両端が
尖って外に突き出て、上から見ると三日月型になっている。
私的には三日月というより蟹さん・爪の形に見えるのですけどね。
この部分は暗赤紫色になって目立つ。
椀状の小総包からは1本の雄しべからなる雄花数本と1本の雌しべから
なる雌花1本が出る。雌花は小総包から柄を伸ばして横を向く。
椀状の小総包からは1本の雄しべからなる雄花数本と1本の雌しべから
なる雌花1本が出る。雌花は小総包から柄を伸ばして横を向く。
和名の由来は素直には夏燈台で、夏に咲くトウダイグサの意味に取れる。
だが、開花期は春で、日本では同属の他種に先駆けて咲くもので
その点では明らかに和名と現実との乖離がある。
![](https://blog-imgs-125.fc2.com/s/u/m/sumire500/blog_import_5ca4ee726682f.gif)
![](https://blog-imgs-125.fc2.com/s/u/m/sumire500/blog_import_5ca4ee726682f.gif)
![](https://blog-imgs-125.fc2.com/s/u/m/sumire500/blog_import_5ca4ee726682f.gif)
ハツトウダイ(初燈台)の誤りではないかとも言われている。
前の記事タカトウダイと比べてみてください。違いが良く分かると思います。
タカトウダイは腺体が惰円形、 子房の表面はいぼ状突起が密。
ナツトウダイは腺体が三日月型 子房の表面は平滑。
ナツトウダイは腺体が三日月型 子房の表面は平滑。
トウダイグサ科 ━②
トウダイグサ科の二番目はタカトウダイを取り上げます。
タカトウダイ(高燈台)<学名:Euphorbia lasiocaula Boiss>
トウダイグサ科 トウダイグサ属 多年草
トウダイグサ科 トウダイグサ属 多年草
路傍や畑地に生育する多年草で草丈50~70cmほど、
葉は、茎の中程はヘラ型で互生茎の頂部の葉は丸みの強いヘラ型の
葉を5枚ずつ輪生させます。
花期は6月-8月、茎頂に輪生する葉の中心から普通5本の花茎を出して
放射状に花茎を伸ばす。
葉のような広楕円形の総苞をつけ、杯のような形の花序(杯状花序)を
形成します。
杯状花序は2個の苞葉の間に雌花1個と雄花4個がつく。
撮影日 2011.8.18: 群馬県
子房の表面にはいぼ状突起が密にある。
高燈台の名は背の高いトウダイグサの意で
草丈が他の仲間よりも高いことからです。
草丈が他の仲間よりも高いことからです。
トウダイグサ科 ━①
このブログ『物臭狸の花日記』は植物、特に分類関係を
中心としています。
今、分類にはいろいろと大きな変化が起こっています。
近年の遺伝子解析などに基づき新しい分類体系が
出来てきています。
当ブログでは未だ採用していませんが、考えないと
いけないかもしれないです。
中心としています。
今、分類にはいろいろと大きな変化が起こっています。
近年の遺伝子解析などに基づき新しい分類体系が
出来てきています。
当ブログでは未だ採用していませんが、考えないと
いけないかもしれないです。
分類体系の難しい話はとりあえず置いておいて、
野外へ出ての観察が少なくなる冬の間
現行の科とか属について少し勉強していきたいと思います。
野外へ出ての観察が少なくなる冬の間
現行の科とか属について少し勉強していきたいと思います。
最初はトウダイグサ科を取り上げてみましょう。
トウダイグサの仲間は変わった花を付けます。
「花日記」ではトウダイグサ科はあまり取り上げていませんでした。
まずは、科の名前にもなっている代表 トウダイグサ をご覧ください。
トウダイグサ(燈台草)<学名:Euphorbia helioscopia L.>
トウダイグサ科トウダイグサ属 二年草
トウダイグサ科トウダイグサ属 二年草
本州以南の日当たりのよい荒地や畑などに生える二年草。
春早くに花を付ける植物で茎や葉を傷つけると白い乳液を出す。
全草有毒。
春早くに花を付ける植物で茎や葉を傷つけると白い乳液を出す。
全草有毒。
撮影日 2010.3.20: 群馬県
高さ20-30cm程度。茎の中程の葉はヘラ型で互生、
茎の頂部の葉は丸みの強いヘラ型の葉を5枚ずつ輪生する。
茎の頂部の葉は丸みの強いヘラ型の葉を5枚ずつ輪生する。
花期は4月-6月茎の頂部の葉は丸みの強いヘラ型の葉を5枚ずつ
輪生する。茎の頂部からは放射状に花茎を伸ばす。
輪生する。茎の頂部からは放射状に花茎を伸ばす。
苞葉の中に黄色い花を複数つける。
苞葉は椀状で、その中に黄色い花がある形が、燈火の皿(灯台)に
見立てて和名がついた。
苞葉は椀状で、その中に黄色い花がある形が、燈火の皿(灯台)に
見立てて和名がついた。
杯状花序と呼ばれる変わった花序です。
一秋は岬などで見る船のための灯台を考えていましたが、実は昔の明かり
燈台からのようです。
杯状の中から芯が出ている姿は雌花・子房が出ている姿に良く似ています。
なかなかうまく名づけたものですが・・肝心の燈台が見られなくなったので・・
ちなみに
『燈台下暗し』の燈台もこちらの燈台のことです。
@@@@@ 杯状花序(はいじょうかじょ) @@@@@
有限花序の一つ。花軸と包葉(苞)が変形して杯状になったものの中に、
退化した雄花と雌花がつくもの。
トウダイグサの仲間にみられる。壺状花序。
[ めしべのみ,あるいはおしべのみに退化した何個かの花が、
包葉の内部に包まれていて,花序全体が一個の花のようにみえる。 ]
退化した雄花と雌花がつくもの。
トウダイグサの仲間にみられる。壺状花序。
[ めしべのみ,あるいはおしべのみに退化した何個かの花が、
包葉の内部に包まれていて,花序全体が一個の花のようにみえる。 ]
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丸いものが飛び出しています。雌花(子房)です。
雄花(おしべ)もわかりますね。
ちょっと分かりにくいのですが、その元に取り囲んでいる4枚の
小さいのが苞で、苞には蜜腺があり、花序全体が1つの花のように
見えます。
雄花(おしべ)もわかりますね。
ちょっと分かりにくいのですが、その元に取り囲んでいる4枚の
小さいのが苞で、苞には蜜腺があり、花序全体が1つの花のように
見えます。
トウダイグサの仲間の見分けのポイントとして
◎ 子房 ━ 毛の状態(有毛かどうか・表面にイガイガがあるか
つるっとしているかなど)
◎ 苞 ━ 形
が重要のようです。
◎ 子房 ━ 毛の状態(有毛かどうか・表面にイガイガがあるか
つるっとしているかなど)
◎ 苞 ━ 形
が重要のようです。