物臭狸の『花日記』

YAHOOから引っ越してきました。
色々な植物たちを紹介しています。

ニシキウツギ  ~2020~

2020-06-14 18:00:00 | スイカズラ科

ニシキウツギ(二色空木) 
<学名:Weigela decora (Nakai) Nakai> 
スイカズラ科 タニウツギ属 落葉低木

 


宮城県以西の本州の太平洋側、四国、九州の標高1,300~2,000mの 
比較的高い所に生え、ヤブウツギ、ツクシヤブウツギなど近縁種と
高度によるすみ分けをする日本固有種。
日本海側には無く、日本海側分布のタニウツギとは逆の分布をしている。

撮影日 2020.03.00: 群馬県


下部からよく分岐し、樹高は2~5m。樹形は、茎の先端が下向きに
垂れ下がるため、逆U字型になり、垂れ下がる枝に葉や花が付く。
葉は対生、表面は緑色、裏面は灰緑色で、両面に細毛があり、 
裏面主脈の中央部には斜上する毛が密生する。 葉身は 長さ 7~14cm、
幅 4~7cmの楕円形~広楕円形。 先端は急に細くなって尾状に尖り、
基部は広い楔形か円形。葉縁には細かいきょは鋸歯がある。 

花期は5~6月。花冠は漏斗状で長さ2.5~3.5センチメートル毛を散生する。
柱頭(雌しべの先)が花冠から突き出ています。

子房は、ほとんど無毛。果実は円柱形、2片に割れる。

ニシキウツギは錦空木ではなく「二色空木」⇒白と赤の二色、
白から薄桃、赤紫と変化する事から付いた名前です。

 

 

よく似た種に、庭などにも植えられるハコネウツギがある。


違いは
ニシキウツギの花は花柱が花冠の外に突きでる
ハコネウツギの花柱は花冠の外に出ることはない

ニシキウツギの表は短毛が少しあり、裏の脈沿いに白い毛が密生
ハコネウツギの葉はほとんど無毛


なお、ハコネウツギは北海道南部~九州の海岸付近に生えるもので、
「箱根」の名はあるが箱根には生えていないそうである


オオカメノキ

2020-06-12 13:00:00 | スイカズラ科

前に出した ヤブデマリ によく似た花で
標高が比較的高い場所(1200m以上)に多い。



撮影日 2020.05.31: 長野県

 


オオカメノキ(大亀の木) 別名:ムシカリ
<学名:Viburnum furcatum Blume ex Maxim.>
レンプクソウ科 ガマズミ属 落葉低木

 



北海道から九州までの山地~亜高山のブナ林内、湿った岩陰や針葉樹林内に
自生する。樹高は2~4mくらいになる落葉低木~小高木。

大形の葉は対生し6~20cm、葉脈が谷のように窪み、基部はハート形にくぼむ。
縁は細かく裂ける重鋸歯となる。

花期は4~6月、枝先から散房花序をだし、白色の小さな両性花のまわりに
大きな5枚の花弁を持つ装飾花が縁どる。また花序の基部に柄が発達せず、
葉腋から直接出るのも特徴である。

夏に赤い実をつけ、秋には黒色に熟す。

オオカメノキの和名は、大神の木であるとのこと。
葉の形が亀の甲羅に似ている。 卵円形の大きな葉を亀の甲羅に見立てて、
「大亀の木」とも。
葉がよく虫に食われることから、別名「虫食われ」、それが転訛し
「ムシカリ」という別名もある。

装飾花は花弁が合着したままで落下する。

 


ヤブデマリ

2020-06-10 22:42:17 | スイカズラ科

ヤブデマリ(藪手毬)
<学名:Viburnum plicatum Thunb. var. tomentosum Miq.>
スイカズラ科 ガマズミ属 落葉低木

最近ではレンプクソウ科とされます。

 


撮影日 2020.06.07: 群馬県

本州、四国、九州の沢などの水辺や湿り気のある林縁に自生する
落葉低木~小高木。枝を水平にのばし、樹高は3~6mくらい。
若い枝は褐色で樹皮は灰黒色になる。

花や実の美しさから、近年は庭木として使われるようになった。
ピンクの花を咲かせる「ピンクビューティー」や「恋花火」
などの園芸品種も出回る。また白くて大きな毬状の

葉は対生し、長さ5~12cm、幅3~7cmの楕円形~広楕円形
先は短くとがり、基部は広いくさび形~円形。
側脈は7~12対、裏面に突出し、葉の縁近くまでほぼ真っ直ぐ
伸びる。表面には毛があるが、ほとんど脱落する。葉裏や葉柄に
星状毛がある。側脈は7~12対で表面では窪み、裏面に突出する。

花期は5~6月。枝先に直径5~10cmの散房花序をだす。
花序の中心部には小さな両性花が多数集まり、そのまわりを
直径2~4cmの5枚の花弁の広がった白い装飾花がとり囲む。
装飾花は無性花で、花弁だけが広がり、その5枚のうち1枚が
極端に小さくユニークな形となる。

オオカメノキ(ムシカリ)やカンボクに似る。


ヤブデマリという名前は、藪に生えて、手毬のような花を
咲かせることに由来する。


ナベナ  ~2019~

2019-09-13 05:00:00 | スイカズラ科

ナベナ(鍋菜)

<学名:Dipsacus japonicus Miq.

スイカズラ科 ナベナ属 越年草  

 

 

撮影日 2019.09.08: 群馬県

本州~九州の山地に分布する越年草で背は高く茎はよく枝分かれし 高さ1m以上になり全体に刺状の剛毛がある。

とても鋭くて固く、 触れると痛いです。 5 葉は対生する。葉の形には特徴があり、羽状複葉に見える形に分裂する。

下部の葉では5~7つに分裂し、頂羽片が最も大きい。上部の葉では3つに、 あるいは分裂せず、1枚の葉になる。

翼のある柄があり各裂片の先端は尖り、 縁には鋸歯があります。

 花期は8~9月。枝分かれした茎の先端に直径2cmほどの頭状花序を付け 上部から下に向けて紅紫色の花を咲かせる。

小花の長さは7mmほどで、先端は4裂し、雄しべは 4個本で、花冠から突き出る。 葯はほとんど黒色に見える暗紫色。 

雌しべは1個で、白い柱頭が見えます。 総苞片は1列で線形、基部 に毛が生えています。 

 

和名の由来はよくわかっていないそうである。素直に変換すれば「鍋菜」。 しかし結構民間薬としてつかわれているので

食べるには危険かもしれない。

 

花後の姿・・・・面白い形をしていますね。

以前はマツムシソウ科とされていましたが最近の分類ではスイカズラ科に変更 されました。


オミナエシ

2019-08-25 10:00:00 | スイカズラ科

オミナエシ(女郎花)

<学名:Patrinia scabiosifolia Link>

スイカズラ科 オミナエシ属  多年草

 

沖縄をのぞく日本全土の日当たりの良い草地に生える。 夏までは根出葉だけを伸ばし、その後高さ0.6~1m程度の花茎を立てる。

根茎は横に這い、株のそばに新苗をつくって増える。 

 撮影日 2019.08.18: 群馬県

葉は対生し、羽状に裂けやや固くてしわがある。 花期8~10月に茎の上部はよく分枝し、黄色の花を散房状に多数咲かせる。 

花は直径4mmくらいで、花冠は5裂し、筒部は短い。筒部の下の子房には 小苞が接している。

 雄しべは4個。花柱は1個。  

果実は長さ3~4mmの長楕円形で、オトコエシのような大きな翼はない。

 

 

 


万葉の昔から愛好され、前栽、切花などに用いられてきた。 漢方にも用いられる。 漢方で根を敗醤(はいしょう)といい、利尿剤とする

秋の七草の一つ。オミナエシの別名には、アワバナ(粟花)、 思い草(おもいぐさ)、オミナメシ・オンナメシ(女飯)、 アワゴメバナ、

チメグサ(血目草)、ムシアワ(蒸粟)、 リュウゲ(竜牙)、コウゲ(黄花)等があります。

『●オミナエシの「オミナ」とは“女性”のこと、 「ヘシ」は“圧(へ)す”が変化したもので、 その意味は「どんな女性も圧倒するほどの美人」

という意味の 「おみな圧し」からきているという説があります。』

『●オミナエシは黄色い粒のような花をたくさん咲かせます。 その姿が昔の女性の食べ物とされた“粟飯”に似ているため 「女飯(おんなめし)」

と呼ばれ、それが徐々に訛って 「オミナエシ」に変化したともいわれています。 』

 

 

手入れの行き届いたため池の土手などは好適な生育地であったが、 現在では放棄された場所が多く、そのために自生地は非常に減少している。

 

 

 

 


 


おまけ マツムシソ ウ