物臭狸の『花日記』

YAHOOから引っ越してきました。
色々な植物たちを紹介しています。

サクラタデ

2018-10-31 18:00:00 | タデ科
蓼の仲間-3
蓼の仲間の中では大きく綺麗な花です。

サクラタデ(桜蓼)
<学名:Persicaria odorata (Lour.) Soják 
                      subsp. conspicua (Nakai) Yonek.
タデ科 イヌタデ属 多年草



本州〜沖縄の川岸などの水辺や日当りのよい湿地に群生する多年草。
地下茎を横にのばしてふえ、茎は直立し、分枝しながら高さ1mに
達する円柱形。

撮影日 2018.10.14: 群馬県
葉は互生し、長さ7〜13cmの披針形でやや厚く、裏面には腺点がある。
しばしば中央に淡い斑紋をもち乾くと赤褐色になる。
托葉鞘は褐色、長さ約1.5cmの筒形で、ふちに長い毛がある。

花期は8〜10月。花序は1~3本に分枝し、細長く、曲がるが、
先はあまり垂れ下がらない。

淡紅色の花を穂状にやや密につける。雌雄異株。

日本産のタデ属の中で花が最も大きく花被は長さ約5mmで5深裂
雌花では雌しべが雄しべより長い。雄花の雌しべは雄しべより短く、
結実しない。

雄花は雄しべが雌しべより長く、花被からやや突き出す。
雌花は雌しべが雄しべより長い。花柱は3裂する。

痩果は花被に包まれ、長さ約3.5mmの3稜形で赤褐色から黒色に熟す。



和名は花の色と形が桜に似て綺麗なことに由来する。





ミズヒキ  ~2018~

2018-10-30 18:00:00 | タデ科
蓼の仲間-2
もうすっかり花期は過ぎていますが…


ミズヒキ(水引)
<学名:Persicaria filiformis (Thunb.) Nakai ex W.T.Lee>
タデ科 イヌタデ属 多年草


全国各地の日当たりのよい林床や林縁、路傍等に
普通に見られる高さ30~80cmの多年草。

撮影日 2018.8.05: 群馬県
茎頂や葉腋から20~40cmの細い花序を出し、小花がまばらに咲く。


花弁はなく、花弁に見えるものは萼で、深く4つに裂ける。
色は上半分(萼片4枚のうち3枚)は赤色、下半分の1枚は白色。

果実は花被片に包まれて熟す。

先がカギ形に曲がった花柱(めしべの先)があり、
これで動物などにくっついて運ばれる『ひっつき虫』です。

 
時に白花が見られます。


ギンミズヒキ(銀水引)
<学名:Persicaria filiformis (Thunb.) Nakai ex W.T.Lee
                         f. albiflora (Hiyama) Yonek.>

ミズヒキの白花品種




イヌタデ

2018-10-29 18:00:00 | タデ科
秋には蓼の仲間が目立ちます。
いくつか載せていきたいと思います。
まずは 代表 イヌタデ から



イヌタデ(犬蓼)
<学名:Persicaria longiseta (Bruijn) Kitag.>
タデ科 イヌタデ属 一年草




道端に普通に見られる雑草。

撮影日 2018.10.21: 群馬県
アジアの温帯から熱帯に分布し、日本では北海道から、沖縄まで
日本全土の野原や道端、畑などにふつうに生える。

茎の基部は横に這い、多く枝分かれして草むらのようになって
小さな集団を作る。茎の先はやや立ち、高さ20~50cm。

茎は円柱形で柔らかくなめらかで、ふつう紅紫色を帯びる。
葉は互生し、披針形で葉の両端がとがり、葉先に向かって
だんだん細くなる。葉縁や裏側の葉脈上に毛が生える。

葉がつく茎の周囲には、長さ約8㎜の筒状のさやである
托葉梢(たくようしょう)があり、さやの縁に緑毛が生える。

花期は6~10月、茎の先端に長さ1~5㎝の花穂を出し、
紅紫色をした小さな花を密につける。萼片は深く4または5裂し、
裂片は倒卵形、花弁はない。

雄しべは8本、花柱は3本ある。
花被は花のあとも残ってそう果を包む。

花よりも、その後に見られる真っ赤な果実が目立つ。
果実は三角状の痩果で、果実そのものは卵形で暗褐色をしているが、
その外側に赤い萼をかぶっている。



和名は、辛味のある葉が刺し身のつまなど薬味として利用される
ヤナギタデに対し、葉に辛味がなくて役に立たないという意味で
「イヌタデ」と名付けられた。



紅紫色の粒状の花や果実を,赤飯にたとえてままごと遊びなどに
用いるので別名アカマンマアカノマンマともよばれる。
雑草ですが、非常に美しく、画材などとして使われることもある。
赤飯を想像させる薄紅色の花「アカノマンマ」は俳句では
秋の季語になっている。