物臭狸の『花日記』

YAHOOから引っ越してきました。
色々な植物たちを紹介しています。

ヤマシャクヤク

2019-05-28 07:12:16 | ボタン科

ヤマシャクヤク(山芍薬)

<学名:Paeonia japonica (Makino) Miyabe et Takeda>

ボタン科 ボタン属 多年草

 

 

5月最後の日曜日、長野の山に遊びに行ってきました。 ヤマシャクヤクが綺麗に咲いていました。

 

北海道~九州の山地帯、落葉広葉樹林下などに生える。 (石灰岩の地を好む傾向がある。 )

 高さ30~40 cm。 葉は3~4枚が互生、小葉は楕円形~倒卵形。

 

撮影日 2019.05.26: 長野県

花期は4~6月。茎の先端に上を向いて直径4~5 cmの花を1個開く。

緑色の葉形の萼片がふつう3枚あり、花弁は白色で5~7枚、 花が開いているのは3~4日程度。

 バナナに似た形状の3本の雌しべの周りに先端が黄色の葯を持つ 雄しべが多数付く。

 

 

秋に実が熟すと結実しない赤色と結実した黒色の種子ができる。

 


和名の由来は、山地に生え全体がシャクヤクに似ていることによる。

 


 

 

 

山野草として栽培され、苗が販売されていることもあります。

 

環境省のレッドリストの準絶滅危惧(NT)に指定されている。

減少の主要因は園芸用の採集、森林の伐採、林道工事等であると 推定されている。


フジ

2019-05-21 22:41:56 | マメ科

フジ(藤)

<学名:Wisteria floribunda (Willd.) DC.>

マメ科 フジ属 つる性落葉木本

 

日本固有の落葉性のつる木本。つるは右巻き。 本州・四国・九州の温帯から暖帯の

低い山地、平地の林に 普通に分布する。高木に巻きついて伸びる。

撮影日 2019.05.18: 群馬県

葉は互生、奇数羽状複葉で長さ20~30㎝、小葉は5~9対、 狭卵形~長楕円形で長さ4~10㎝。全縁で薄い草質、最初 毛があるが、成熟時には無毛となる。

花は枝先に長さ20~100㎝の総状花序を下げる。 12 多数つく花は蝶形花で藤色~紫色、長さ1.5~2㎝。


苞は狭卵形で長さ約1㎝。

豆果は狭倒卵形で長さ10~20㎝、表面にビロード状の短毛が 密生し、熟すと2裂して円形の扁平な種子を飛ばす。

種子は、径1~1.2㎝で褐色、光沢がある。

 


 


 

和名は、風に吹かれて花が舞い散る様子から「吹き散る」が 転じてつけられたという説や、 茎に節(ふし)があることにちなんでいるという説など

その由来には諸説あるようです。 藤という漢字は「上にのぼる植物」という意味を持ち、 元はつるを作る植物を指しました。

日本では藤の花に 限定して使われています。


 

全国に藤の名所が多くあり、「ノダフジ(野田藤)」の 由来となった大阪市福島区の野田 毎年4月には「のだふじめぐり(ふじ祭り)」が開催されます。

樹齢1,200年を越え、天然記念物に指定されている 埼玉県春日部市の「牛島の藤」も藤の名所としてよく 知られている

藤の花は優雅で古くから庭園や公園等で藤棚として栽培 されている。藤は鉢植えでも楽しめます。 根の成長が制限されることから、

むしろ鉢植えの方が 花つきがよくなるほどです。


 


 

山の中でこんな藤に出会いました。  最初はハリエンジュ(ニセアカシヤ)かと思ったのですが 白花の藤でした。   

やや先に色が残っていることから 口紅と呼ばれる藤のようです。

 

栽培品が逃げ出したものかもしれません。


ヤマブキソウ

2019-05-14 22:00:09 | ケシ科

綺麗な花が咲いていました。 ヤマブキソウです。撮影日 2019.05.12: 群馬県

 

ヤマブキソウ(山吹草)

<学名:Hylomecon japonica (Thunb.) Prantl et Kundig>

 ケシ科 ヤマブキソウ属 多年草

 

本州、四国、九州に分布し、山野の林縁等に群生する。 高さ30-40cm、根出葉は奇数羽状複葉で長い葉柄がある。 小葉は5-7個で、広卵形または楕円形になり、 先端はとがり、縁は切れ込みと細かい鋸歯がある。 

 花期は4~6月。上部の葉腋に黄色い花を1-2個つける。 緑色の萼片は2個あり、開花直前に落ちる。 花弁は4枚で雄蕊は多数。花柱は短く、柱頭は2裂する。

 


 


ホソバヤマブキソウ    < f. subintegra (Fedde) Okuyama >      

     ・ヤマブキソウより小葉の幅が狭く、細鋸歯はそろう。 名前の通り葉が細いです。


 

 


 


セリバヤマブキソウ    < f. dissecta   (Franch. et Sav.) Okuyama >      

       ・茎の上部の葉が深く羽状に裂け、裂片は切れ込む。

セリバヤマブキソウしばらく出会っていないです。 過去記事でご覧ください。


  セリバヤマブキソウ     


 

 

 

名前は、花の様子や鮮黄色の色が、バラ科のヤマブキに似ている ところから付けられたようですが、 ヤマブキはバラ科の5弁花であるのに対してヤマブキソウは 4弁花でまったく別の仲間です。

全草にアルカロイド系の有毒成分を含み誤って食べると嘔吐や 麻痺などを惹き起すようです。


イワネコノメソウ

2019-05-02 15:21:55 | ユキノシタ科

 撮影日 2019.05.01: 群馬県

 

イワネコノメソウ(岩猫の目草)   <学名:Chrysosplenium echinus Maxim.>  ユキノシタ科 ネコノメソウ属 多年草

 

 

 

本州(関東以西)・四国・九州の主に太平洋側の山地の沢沿いなど 湿った林床などに生える多年草。

草丈5~10cm。走出枝をだして群生する。

全体は無毛。茎葉は対生し扇状円形。縁には数個の鋸歯がある。 花時に根生葉はない。

花期:4 - 5 月、茎の先に集散花序に小さな花をつける。

 

 苞は扇形で緑色。緑色の萼裂片が平開する。

雄ずいは短く、長さ約0.5 mm程度で8本。裂開直前の葯は赤色~ オレンジ色ですぐに黄色の花粉を出す。