ミミガタテンナンショウ(耳形天南星)
<学名:Arisaema limbatum Nakai et F.Maek.>
サトイモ科 テンナンショウ属 多年草
撮影日 2023.4.23: 群馬県
東北地方の太平洋側、関東地方、中部地方東部、兵庫県淡路島、
四国高知県沖の島、九州の大分県の落葉樹林下や林縁に生える。
地下にある球茎は扁球形で、ほぼ2列に並んだ腋芽群があり、
上部から多くの根をだす。高さ30~70cm。
葉はふつう2個で、葉柄は短く、小葉間の葉軸がやや発達する。
小葉は7-11個が鳥足状につき、小葉は披針形から楕円形で、長さ
10-17cm、縁は全縁かときに微細な鋸歯縁となり、中脈に沿って
白斑が生じることがある。偽茎部は長さ4~42cmになる。
花期は暖地では3月から、東北では5月頃、葉の展開より先に
花序が伸びて咲きだす。
花序柄は花時には葉柄より長い。仏炎苞は黒紫色、紫褐色、
黄褐色で、白色の縦条があり、長さ13~16cmになる。
緑色のものが稀にあり、品種(キイロミミガタテンナンショウ
f. viridiflavum Hayashi) として区別することがある。
口辺部が耳状に大きく開出。舷部は卵形になり、先は尖る。
花序付属体の柄は長さ6mm、花序付属体は長さ6.8~7.7cm、
径3-10mmになり、棒状からやや棍棒状で先端はふくれて
円頭になり、仏炎苞口部から完全に外に出る。
和名のミミガタテンナンショウは「耳形天南星」の意で、
仏炎苞の口辺部が耳たぶのように張り出すことから名づけられた。
[ 和名、学名ともに前川文夫博士 による命名です。 ]