前の記事 常緑の"キヅタ" に続いて 落葉性の"ツタ" を取り上げます。
ツタ(蔦)
<学名:Parthenocissus tricuspidata (Siebold et Zucc.) Planch.>
ブドウ科 ツタ属 つる性落葉木本
本州から九州に自生分布する夏緑性(落葉性)のツル植物
葉は掌状に浅く裂けるか完全に分かれて複葉になり、
まきひげの先端が吸盤になって付着する。
赤く紅葉していました。
撮影日 2016.11.6: 群馬県
森林の林床などで生育する個体は3葉に分かれている事が多い。
芽生えた当初は3つの小葉からなる葉を形成する。
林内で光を求めて匍匐している状態では、多くの個体が3つに分かれた
葉を持っている。大きく生長すると1枚の葉となる。
新しくのびたシュートでは葉の大きさは数cmに過ぎないが、
古い茎から出る葉は10cmにも及ぶ大きさとなる。
5枚の緑色の花弁を持つ小さな目立たない花をつける。
紫紺色の小さな果実ができる。イメージとしては小さなブドウである。
おいしそうなイメージがあるが、実に渋く、
人間には食べられたものではないが、鳥は好むのだろう。
「つた」の名称は他の植物や岩に「つたって」伸びる性質から
名づけられた。
建物の外壁を覆わせるなど装飾として利用される。
また、日本では古来から樹液をアマヅラと呼ばれる
甘味料として利用していた。
別名、アマヅラ、ナツヅタ、モミジヅタ
ナツヅタの名は、ウコギ科キヅタをフユヅタと呼んだため、
その対比で呼ばれた。
(ツタという言葉は、ツタ属(Parthenocissus)の植物を
総じて称することもある。)
-ツタの葉は複葉-
ツタの落葉は葉身と葉柄がバラバラになって落ちる。
葉柄と茎の間だけではなく、葉柄と葉身の間にも離層があり
いくつかの小葉から成り立つ「複葉」であるものの中には、
小葉毎に離層があり、ぱらぱらと分かれて散るものがある。
ツタの葉も複葉であり、(幼い個体では3枚の小葉からなる複葉であり、
生長するにしたがって3枚が合一した単葉となる。)
葉柄と葉身の間にある離層は"ツタの葉は、単葉に見えても複葉である"
ことを示している。