物臭狸の『花日記』

YAHOOから引っ越してきました。
色々な植物たちを紹介しています。

クモキリソウ

2020-07-11 11:00:00 | ラン科

クモキリソウ(蜘蛛切草、蜘蛛散草、雲霧草)
<学名:Liparis kumokiri F.Maek.>
ラン科 クモキリソウ属 多年草

 

 

北海道~九州、琉球までの日本各地に分布し、
平地から亜高山帯までの疎林下などやや湿ったような所にに生育する。
ネジバナが野原などでの身近な蘭なら林の中などではクモキリソウが
最も身近な蘭といえます。



撮影日 2020.06.5: 群馬県

肥大した卵形の偽球茎から茎を出し基部に普通2枚が相対してつく。
長さ5-12cm、幅2.5~5cmの卵状楕円形で、先端は鈍頭で、縁は縮れる。 

花期は6~8月。高さ10~20cmの直立した花茎の先端に5~15の花を総状につける。
下方から開花し、花色は淡緑色ときに淡紫褐色、黒褐色と変異がある。
苞は小さく長さ1~1.5mmの卵状3角形。萼片は長さ6~7mmになる狭長楕円形で細い。
側花弁は長さ6~7mmになる狭線形で、虫の足に似る。唇弁はくさび状倒卵形で、
長さ5-6mmあり、直角に反り返る。蕊柱は長さ3mmになり、上端に狭い翼がある。

雲霧草と雲の字が当てられているが、花の姿が蜘蛛に似ているからという説もある。
蜘蛛の子を散らしたように見えるので、蜘蛛散り草が訛ったとか、
霧のかかる所に生えるから雲霧草などの諸説がある。

 

 

 

 

 


ネジバナ

2020-07-08 07:00:00 | ラン科

 

古代蓮の里  へ蓮の花を見に行った帰り、用事があって自然史博物館に
立ち寄りました。
入り口前の芝生の中にねじ花がたくさん花をつけていました。最も身近にみられる蘭です。

 



撮影日 2020.07.5: 群馬県

ネジバナ  ( 捩花 )
<学名:Spiranthes sinensis (Pers.) Ames var. amoena  (M. Bieb.) Hara>
ラン科 ネジバナ属 多年草

 


日本全国の土手や芝生野中、公園等人の生活圏に近い所で最も普通に見ることが
できる蘭です。

花の綺麗な雑草として扱われ、昔から愛でられ、流行したことも
あります。やや湿った日当たりの良い草地などに生育している小型の蘭です。
葉は柔らかく厚みがあり、ロゼット状に根生する。冬期は楕円形だが
生育期間中は細長く伸びる。太く肥厚した根は、細めのサツマイモといった形で
数本を束生する。

花色は通常桃色で、小さな花を多数細長い花茎に密着させるようにつける。

花は真横に向かって咲く。花茎の高さは10-40 cm。花は小さく、5弁がピンク、
唇弁が白、距はない。

花のつく位置が茎の周りに螺旋状であるため、
花茎の周りにピンクの花が螺旋階段のように並ぶことになる。
この螺旋は右巻きと左巻きの両方がある。


中には花序がねじれない個体や、途中でねじれ方が変わる個体などもある。

右巻きと左巻きの比率はほぼ1対1だとか。

花が花茎の周りに螺旋状に並んで咲く「ねじれた花序」が和名の由来で
「ネジレバナ」、「ネジリバナ」、「ねじり草(そう)」とも呼ばれる。
別名 モジズリ(綟摺)


ごく稀に白い花をつける個体(シロネジバナ、シロバナモジズリ)
が見られ、園芸愛好家に好まれる。

完全な白とは言えないですが白い花も咲いていました。


オニノヤガラ ~2019~

2019-07-23 08:00:00 | ラン科

オニノヤガラ(鬼の矢柄)

 <学名:Gastrodia elata Blume>

 ラン科 オニノヤガラ属 多年草

 

 

草むらの中からにょっきりと伸びだしていました。

 

 撮影日 2019.07.21: 長野県

山地の樹林下に自生し葉緑素を持たず光合成を行わない腐生植物。

 地下には長さ8~12㎝、幅3~7㎝の大きな楕円形の塊茎があり、 ナラタケと共生するとされている。

 

茎は直立し、帯黄褐色で、高さは40-100cmになり、円柱状の茎に 膜質の鱗片葉をまばらにつける。

花期は6~7月で、黄褐色の花を茎の先端に20~50個総状につけ、 下方から開花していく。

 花は3萼片(外花被片)が合着して壷状になり、中に2個の側花弁と 卵状長楕円形の唇弁がある。

 

 

 



 

和名は直立する茎を,鬼が用いた弓の矢に例えて名づけられた。

 確かに大地に刺さった弓の矢を連想させます。


テガタチドリ

2017-07-14 06:00:00 | ラン科
テガタチドリ(手形千鳥)
<学名:Gymnadenia conopsea (L.) R.Br.>
ラン科  テガタチドリ属  多年草











北海道と本州中部以北の亜高山帯から高山帯にかけての
草原などに分布。高さは30cmから60cm。


撮影日 2017.07.09: 長野県

塊茎は長さ1~3.5㎝の卵形。茎は強く、基部に2~3個の
筒状の鞘がある。
茎葉は互生し、3~5個。脈は目立たない。



花期は7~8月、穂状花序を伸ばし1cm程度の紅紫色の
小さな花を多数つけます。



 
唇弁は3裂し、側萼片が横にひらき、細長い長さ約2㎝の
距がつく。









名前は、太い根が手のひら状になっていること、
花が千鳥の飛ぶ姿に似ていることから名付けられたとか。