物臭狸の『花日記』

YAHOOから引っ越してきました。
色々な植物たちを紹介しています。

謹賀新年

2022-01-01 16:30:11 | キク科


あけましておめでとうございます。

昨年は何とか図鑑風のスミレの本『スミレworld』を出版できました。
が、ブログの方は開店休業状態になってしまいました。
なかなか思うようにはアップできないですが、少しずつでも進められるように
努力していきたいと思っています。 本年もよろしくお願いいたします。

『 スミレworld 』

基本種  47種
編品種  36種
雑種   25種
について図鑑のようにまとめています。
花の正面、横顔、葉の姿を一緒に載せています。いろいろな資料から
分布を調べて日本地図上に表示したものも付けました。
ブログに載せていたものを中心として観察記録やその他の資料を追加して
1冊にまとめて50音順にして記載しました。
楽天     や   amazon
などで購入することができます。

 

去年載せそこなったものをいくつかご覧いただきたいと思います。

ウスゲタマブキ(薄毛玉蕗)
<学名:Parasenecio farfarifolius (Siebold et Zucc.) H.Koyama
                    var. farfarifolius>
キク科 コウモリソウ属 多年草

2021/10/2


本州(関東地方以西)、四国、九州のスギ林など湿った
林内、林縁の木陰に生育する多年草。

高さ50~140cm、若いときにはくも毛がある。

葉腋にムカゴを付けるという変わった特徴を持っています。

葉は互生、長さ13~21㎝、幅13~21㎝の三角状心形、
長い葉柄がある。

表面に粗い毛を散生し、裏面に薄くくも毛がある。
花期8月~10月。花は頭花で、茎の上部に円錐状に
多数つく。

葉の裏面のクモ毛が、関東地方以北の本州と北海道に
分布する変種のタマブキよりも薄いので、薄毛(ウスゲ)
葉をフキに見立てて珠(たま)状の珠芽(ムカゴ)が付く
蕗の意味。


ウスジロノゲシ

2021-04-26 04:00:00 | キク科

ウスジロノゲシというのをご存じてしょうか。
今の時期、あちこちで良く見かけるの白色品種なんです。

まずは道端、草むらでよく見る普通のノゲシ

こんなやつですね。


よく見るとタンポポのような黄色い綺麗な花ですね。
タンポポ同様舌状花のみで、切ると白い乳が出ます。
タンポポに近い仲間というのが分かります。


さて
時にこんなのを々見ることがあります。
撮影日 2021.4.24: 群馬県

 


ノゲシの白色(薄黄)品種『ウスジロノゲシ』です。


ウスジロノゲシ(薄白野芥子)
<学名:Sonchus oleracens f. lilacina>
キク科 タンポポ亜科 ノゲシ属 越年草


ノゲシの舌状花が白色のものは、ウスジロノゲシ と呼ばれます。

白花にも中心部の黄色が強いものから薄いものまで色々なタイプがあるようです。

花色以外に違いは見受けられません。



オヤマボクチ ~2020~

2020-10-26 05:00:00 | キク科

オヤマボクチ(雄山火口)
<学名:Synurus pungens (Franch. et Sav.) Kitam.>
キク科 ヤマボクチ属 多年草

 

 

                                撮影日 2020.10.18: 群馬県

 

 

本州東部以北、北海道に分布するアザミ類に近い仲間。
茎は直立して分枝し、白い綿毛がある。

葉は互生、下部の葉は長さ15~35㎝の卵状長楕円形、
不規則な鋸歯縁(やや深いものから浅いものまで変化がある)
基部は心形、葉柄は長く基部に狭い翼がある。
裏には白色の毛がフェルト状に密生する。
茎上部の葉は短柄で小形。

花期は9~11月。上部で分枝した枝先に4~5cmの暗紫色の頭花を
下向きに咲かせる。
総苞は長さ約3㎝、幅35~4㎝、球鐘形、くも毛があり、
開花すると全体に紫色~紫褐色になってくる。
総苞にくも毛がいっぱいあります。

総苞片は覆瓦状に多列あり、中位の総苞片は下部の幅約2㎜、
線状披針形、先が刺状、外片~中片の先が開出し、
花後にさらに次第に開く。小花はすべて筒状花で花冠が紫色~赤紫色。
葯は暗紫褐色、後にすぐに退色して淡褐色になる。
小花は外側から咲き、外側の小花から退色する。


花柱はピンク色、柱頭は長さ約5㎜、ピンク色、先が2裂する。

痩果は長さ約6㎜、幅3㎜。冠毛は帯褐色、
不同長、長さ約16㎜ぐらい。

 

 

根は山菜「ヤマゴボウ」として漬け物にするなどして食べられる。
ゴンパ、ヤマゴンボ、ゴンボッパと呼ぶ地方もあり、蕎麦のつなぎに
葉の繊維が 使われたり、ヨモギの代わりに草餅に用いることもある。 
地域の特産品として利用されますが、採集だけでは需要を賄いきれないため
長野県や新潟県などでは栽培も行われている。

群馬県南牧村で「ごぼっ葉餅」売ってました。

 


名前の語源は、茸毛(葉の裏の綿毛)が火起こし時の
火打ち石から出る火花を移しとるための火口(ほくち)として
用いられたことからつけられた。
また、ヤマボクチより大きいことから「雄ヤマボクチ」呼ばれる。

 

 

↑は一秋の地元で撮ったものですがあちこちで出会っています。

⇒榛名のオヤマボクチ


オケラ

2020-10-13 05:00:00 | キク科

オケラ(朮)
<学名:Atractylodes ovata (Thunb.) DC.>
キク科 オケラ属 多年草

 

本州~九州の日当たりの良い乾いた山野や丘陵地に生える。
雌花と両性花がある雌雄異株。根茎は長く、節がある。
茎は高さ40~100cmになり、
茎の下部の葉は羽状に裂けて、奇数羽状複葉になる。
葉は堅く、ふつう柄があって互生、単葉または羽状に
3~5深裂し、葉縁にはトゲ状の鋸歯がある。

                                撮影日 2020.10.03: 群馬県


葉は硬く長い柄があり、楕円形でする。
裂片の縁に刺状の鋸歯がある。

花期は9~10月。茎頂に白色または淡紅色のアザミに似た
筒状花だけの頭花をつける。

雄しべと雌しべの両方を持つ両性株と、雌しべだけの雌株がある。
総苞の周りには魚の骨に似た2列の苞葉に囲まれているのが特徴。 

果実は痩果で、暗褐色で狭楕円形でやや平たい。
果長い伏毛が上向きに密生し長い冠毛が多数つき、淡褐色で羽毛状である。
果実期にも、苞葉が残っている。

 

 

名の由来は不明だが、古名の「ウケラ」が転じたものといわれ
   ウケラ(宇家良)とは、
   ①葉が蓑(みの)、花が漁具の筌(うけ)に似ていることからとする説。
   ②軟毛をまとった若芽を、昔の雨具である朮〈うけら〉に見立てた説。
   (秋田では蓑のことをウケラという)
   ③葉が物を受けるのに良い、さじのような形をしているので「ウケラ」の説。
   などの説がある。
別名、ウケラ、カイブシとも呼ばれる。

 

 




近縁種とともに生薬として用いられる。また若芽を山菜として食用にもする。

新緑の5~6月頃の白毛に包まれた若芽は食用となり、お浸しや和え物にするか、
天ぷらなど山菜として利用される。
「山でうまいはオケラとトトキ。里でうまいはウリ、ナスビ嫁に食わすも、
惜しゅうござる」と、歌われるくらい、美味さでは代表格の山菜として
よく知られている。

刻んで焚くと、疫病よけになると信じられ、京都八坂神社では、
除夜の鐘とともに正月に白朮(オケラの根茎)を焚く白朮祭(をけらさい)が
行われ、この火を火縄に移して持ち帰り知られている。 
梅雨時に室内で焚き、カビ止めにも用いられていた。



 


モリアザミ  ~archive~

2020-09-10 06:30:00 | キク科

今回はarchive(過去に撮ったもので記事にしていなかったもの)です。


モリアザミ(森薊)
<学名:Cirsium dipsacolepis (Maxim.) Matsum.>
キク科 アザミ属 多年草 モリアザミ節

 

 

本州、四国、九州に広く分布し、日当たりの良い山地草原などに生育する。
茎の高さは1m程度で、葉は羽状に中裂し、縁にとげがある。

撮影日 2016.10.02: 群馬県


下部の葉には長い柄があり、長さ15~20cm。
茎葉は上部に至るほど羽状に切れ込む。花期には根生葉は残っていない。

花期は9~10月、花茎の先端あるいは葉腋から枝分かれした短い茎の上に、
上向きに1~3個程の花をつける。

花は筒状花のみで、花の色は紫色である。 

総苞はクモ毛が少しあり粘らない。総苞片は硬く極端に長く、開出ないし反曲してとげ状を呈するのが特徴

 

 

痩果は基部とそれ以外の部分の色が違うので,「染め分け」と表現されることがある.

根は太くて垂直に伸び、ヤマゴボウの名前で食用にされる。 


別名 ヤブアザミ