物臭狸の『花日記』

YAHOOから引っ越してきました。
色々な植物たちを紹介しています。

ありがとうございました !

2017-12-30 09:00:00 | 表紙

一秋は12/20でちょうど一回りが過ぎ
ちょうど節目の年となりました。

仕事の方は、定年ですが、とりあえず嘱託として
継続しています。




なかなか皆様の所へ伺うことができず
失礼ばかりしています。
今年も多くの皆様に訪問、ご支援頂き
本当にありがたく思っています。


草だけの面白味の無いブログ、
お付き合いいただきまして
ありがとうございました。



年が明けましても変わらずお付き合い
いただけたら嬉しいです。
宜しくお願い致します。


良いお年をお迎えください。



キンミズヒキ  /  ヒメキンミズヒキ

2017-12-18 06:00:00 | バラ科
アクセス解析を見ると識別記事がよく見られているようです。
見分け方の記事を充実させていきたいと思います。
(主な識別記事は良く似た仲間の書庫にあります。)





バラ科 キンミズヒキ属 多年草


キンミズヒキ(金水引) 
<学名:Agrimonia pilosa Ledeb.
         var. japonica (Miq.) Nakai >


北海道~九州の道ばたや草地、林の縁などに生える
高さ30~80cmの多年草。全体に毛が多い。
葉は奇数羽状複葉で互生、小葉は5~9個で大小があり、
裏面に腺点がある。小葉の縁には鈍い鋸歯があり、
葉の付け根には明瞭な托葉がある。

花期は7~10月。茎の先に細長い穂状の総状花序を出し、
黄色い小さな5弁花をたくさんつける。

花は黄色で直径0.7~1cm。
花弁は丸みがある。 雄しべは12本前後である。
萼片は5個。萼筒のふちには副萼片の変化した
カギ状の刺が多数ある。


そう果は萼筒と萼片に包まれて熟し、マジックテープが
くっつくようにかぎ型の毛で動物にくっつく。
付着力は弱いが、ひっつき虫の一つである。

名前の由来は、夏に黄花の小花を細長い穂状に
咲かせる姿から「金色の水引」に見たてこの名前がついた。



ヒメキンミズヒキ(姫金水引) 
<学名:Agrimonia nipponica Koidz.>


高さ30~60㎝ぐらいの多年草
キンミズヒキより全体に小型で、日影を好み、
山地で普通に見られる。
茎は細く、ややまばらに短毛が生える。
奇数羽状複葉。葉が茎の下部にロゼット状に
つくことも多く小葉は3~7個、先端の3小葉は
楕円形~倒卵形で大きく、下の側小葉は小さい。
葉縁に鈍鋸歯があり、葉裏に小さな腺点がまばらにある。
キンミズヒキより小葉が丸味を帯び、鋸歯も丸味を
帯びることが多いが、例外も多い。
托葉は大きくて茎を挟むようにつく。

花は 8~10月

直径約5㎜。花弁の幅がキンミズヒキより狭く、長楕円形。
雄しべは少なく5~8個。雄しべが少ないのが特徴である。







キンミズヒキ / ヒメキンミズヒキ

  


キンミズヒキは葉先が尖っているのが分かると思います。
ヒメキンミズヒキは葉先が丸のが特徴です。
 

  雄 蕊

キンミズヒキ        ヒメキンミズヒキ

ヒメキンミズヒキは花弁の巾が狭です
キンミズヒキ 12本ぐらい多い
ヒメキンミズヒキ 5-8本 と少な目です。




ヤマハッカ~季節外れの花便りその⑲~

2017-12-17 18:00:00 | シソ科
山薄荷の仲間をいくつか取り上げてきました。
最後は、ヤマハッカ です。


ヤマハッカ(山薄荷)
 <学名:Isodon inflexus (Thunb.) Kudo >
シソ科 ヤマハッカ属 多年草





北海道~九州の山野にごくふつうに見られる。
稜に下向きの毛がある。高さ0.4~1m。

撮影日 2017.10.08: 群馬県
葉は対生し、長さ3~6cm、幅2~4cmの広卵形で
基部は細くなって柄の翼に続く。
には粗い鋸歯がある。葉の裏面の脈上や
表面には毛がある。

枝先に細長い花穂をだし、青紫色の小さな
唇形花をまばらにつける。

花冠は長さ7~9mm。上唇は4裂して立ち上がり、
中央部には紫色の斑紋がある。

下唇は2裂して前方へつきだし、ふちは内側に巻く。
雄しべ4個と雌しべは下唇




果実は4分果。



ヒキオコシ~季節外れの花便りその⑱~

2017-12-17 06:00:00 | シソ科
山薄荷の仲間をもう一つ

ヒキオコシ(引起)
<学名:Isodon japonicus (Burm.f.) H.Hara>
シソ科 ヤマハッカ属 多年草




北海道~本州、四国、九州の乾いた日の当たる山野に自生。
丈夫な地下茎があり、茎は四角で真っ直ぐ伸びる。
全体に白っぽい印象を受け、茎などに下向きに細い毛が
びっしり生えています。

撮影日 2017.10.01: 群馬県
葉は対生し、形は広卵形、先は尖り、長さ5~15㎝、
巾4~8㎝程。葉縁は鋸歯状、葉脈の上には短い毛が生える。
葉をかむと、ものすごく苦い。


花期9~10月。枝先に葉のわきからのびた枝に長くて、
まばらな長楕円状の円錐花序を付ける。


花の色は淡青紫色、花冠は毛が密生し、長さ5~7㎜の唇形。
上唇は4裂し、反り返って、中央に濃色の斑点がある。


雄しべ4本のうち2本は少し長く花冠の外に飛び出しています。
がくは5裂して、びっしりと細い毛があり、色は灰白色を
しています。


柱頭は2裂。雄しべが花冠から突き出る花と
雌しべが突き出る花の2形がある。






果実は長さ2.5~3㎜、4分果、萼筒に包まれて熟す。
分果は長さ約1.6㎜、頭部に腺点がある。


苦味健胃薬として知られ、別名: エンメイソウ(延命草)
とも呼ばれます。

   引起こしの名の由来は、
昔々、真言宗の開祖空海が山道を歩いていると、修験者が倒れていた。
それを見た空海は、そばに生えていた、ヒキオコシの葉のしぼり汁を
修験者の口に含ませた。
修験者は、たちまち元気になり、起き上がり、また修行に向かった
という。
病人を「ひき起こす」という意味で、ヒキオコシと呼ばれるように
なった。                                                                        
そんな言い伝えに基づいてつけられたんだそうです。




セキヤノアキチョウジ~季節外れの花便りその⑰~

2017-12-16 18:00:00 | シソ科
前の記事のカメバヒキオコシと同じ山薄荷の仲間です。

セキヤノアキチョウジ(関屋の秋丁字)
<学名:Isodon effusus (Maxim.) H.Hara>
シソ科 ヤマハッカ属 多年草






撮影日 2017.10.01: 群馬県
本州(関東~中部地方)の太平洋側山地の木陰等に分布する。
多年草。茎は四角形で高さ約70㎝。

葉は対生し、長さ5~15㎝の長楕円形で先が長く尖り、
短い葉柄がある。

茎の先や葉腋から序柄をだし総状花序に多数の花を
片側に向けてつける。

花は長さ約20㎜、幅5~6㎜の唇形花、淡青紫色で、
細毛がある。

花柄は長さ10~25㎜と長く、無毛。萼は小さく、
5裂し萼歯が尖る。

林道の脇で、細く伸びた茎から細長い青い花がいくつも
ぶら下がっていました。

長い花がぶらぶらとたくさん・・・・   印象的な花です。

果実は4分果。分果は長さ1.5~2㎜。


箱根の関所の番小屋(関屋)の周辺でたくさん見られ、
秋になるとチョウジ(丁子)に似た花が咲くことから
名付けられました。



全体が近縁の   アキチョウジ   (岐阜県以西~九州に分布)に
似るが、花序が幅広く、枝が細長く開出してまばらに
花をつけ、葉状の包葉がないので区別される。
(花柄が長さが10㎜以下短く花柄が長さが10㎜以下と
短く、萼の先が鈍い。)