物臭狸の『花日記』

YAHOOから引っ越してきました。
色々な植物たちを紹介しています。

オトメエンゴサク

2021-06-19 20:48:05 | ケシ科

オトメエンゴサク(乙女延胡索)
<学名:Corydalis fukuharae Liden>
ケシ科 キケマン属 多年草
別名ホンシュウエンゴサク

 

 


撮影日 2021.6.6: 長野県

 

本州北部の多雪地、中部地方に分布するスプリング・エフェメラルの一つ。

  スプリング・エフェメラル
     (春先に花を咲かせ、落葉広葉樹林の若葉が広がる頃には地上部は枯れて
     なくなり、その後は翌春まで地中の地下茎で過ごす植物)

北海道に分布するエゾエンゴサクと混同され、
中部地方以北にも分布されるとされてきたのですが、
東北地方から北陸地方に分布するものは、
スウェーデンの植物学者 Magnus Lidenによって別種の
オトメエンゴサク (C. fukuharae)とされました。
福原達人 (2016)は、「エゾエンゴサクとの区別点や分布はなお検討を
要する」としています。

 

長野県の高層湿原にスミレ観察に行ったとき、湿原に入る手前に咲いて
いたものです。

湿り気のある林内、林縁に生える多年草で、エゾエンゴサクとよく似ている。

地下にある直径1-2cmの球形~卵球形の塊茎から茎を出し、高さ10-25cmになる。
葉は薄く、表面は緑色、裏面はわずかに粉白色をおびる。
2~3回3出複葉となり、小葉は全縁か深く全裂し、裂片は倒卵形で、先は鈍形
または鋭形となる。


花期は4-5月。

茎頂の総状花序に淡青色~淡紫色の花を一方に偏って
3~13個の花をつける。




小花柄の基部の苞は長楕円形になり、全縁か
まれに最下が浅裂し、先は鋭形または鈍形になる。

 

 


(近縁種のヤマエンゴサクの苞には歯牙または欠刻があり区別できる。)

 

比較のためヤマエンゴサクを貼っときます。

 

 


ヤマブキソウ

2019-05-14 22:00:09 | ケシ科

綺麗な花が咲いていました。 ヤマブキソウです。撮影日 2019.05.12: 群馬県

 

ヤマブキソウ(山吹草)

<学名:Hylomecon japonica (Thunb.) Prantl et Kundig>

 ケシ科 ヤマブキソウ属 多年草

 

本州、四国、九州に分布し、山野の林縁等に群生する。 高さ30-40cm、根出葉は奇数羽状複葉で長い葉柄がある。 小葉は5-7個で、広卵形または楕円形になり、 先端はとがり、縁は切れ込みと細かい鋸歯がある。 

 花期は4~6月。上部の葉腋に黄色い花を1-2個つける。 緑色の萼片は2個あり、開花直前に落ちる。 花弁は4枚で雄蕊は多数。花柱は短く、柱頭は2裂する。

 


 


ホソバヤマブキソウ    < f. subintegra (Fedde) Okuyama >      

     ・ヤマブキソウより小葉の幅が狭く、細鋸歯はそろう。 名前の通り葉が細いです。


 

 


 


セリバヤマブキソウ    < f. dissecta   (Franch. et Sav.) Okuyama >      

       ・茎の上部の葉が深く羽状に裂け、裂片は切れ込む。

セリバヤマブキソウしばらく出会っていないです。 過去記事でご覧ください。


  セリバヤマブキソウ     


 

 

 

名前は、花の様子や鮮黄色の色が、バラ科のヤマブキに似ている ところから付けられたようですが、 ヤマブキはバラ科の5弁花であるのに対してヤマブキソウは 4弁花でまったく別の仲間です。

全草にアルカロイド系の有毒成分を含み誤って食べると嘔吐や 麻痺などを惹き起すようです。


ヤマエンゴサク 2018

2018-04-16 06:00:00 | ケシ科
ヤマエンゴサク(山延胡索)
<学名:Corydalis lineariloba Siebold et Zucc.>
ケシ科 キケマン属 多年草







春先に花を咲かせ、落葉広葉樹の若葉が広がる頃には地上部は
枯れてなくなり、翌春まで地中で過ごす、スプリング・エフェメラル
と呼ばれる春植物の一種。
長野県 群馬県 埼玉県 の3か所で撮ってきたものです。
群生していました。

撮影日 2018.04.07: 長野県
本州~九州の山野の湿った林内、林縁部や道ばたに生える。
全体無毛で高さは10~20cm。地中に球形、直径1cm内外の塊茎がある。

撮影日 2018.04.07: 長野県

撮影日 2018.04.08: 埼玉県
葉は2(まれに3)個あり、2~3回3出複葉。
小葉は線形~卵円形でしばしば3裂し、細長いものもみられるなど
葉形は変化が多い。

撮影日 2018.04.07: 長野県

花期は4~5月。茎の上部に総状花序の濃い青紫色または紅紫色の
花を咲かせる。

撮影日 2018.04.08: 埼玉県

撮影日 2018.04.07: 群馬県

さ15~25mm花弁は4個で外側に2個、内側に2個つく。
外側のうち上の1個がもっとも大きく、基部が袋状の距になって
後ろにつきでる。内側の2個の花弁は左右から合わさって、先端が
合着し、雄しべと雌しべを包んでいる。

撮影日 2018.04.08: 埼玉県

撮影日 2018.04.07: 群馬県

撮影日 2018.04.07: 長野県


苞は披針形~扇状くさび形、歯牙がある。

撮影日 2018.04.07: 長野県

種子は平滑、種沈(エライオソーム)がある。




葉形にはたいへん変化が多いです。


やや切れ葉



細長いもの



丸みのある葉




さらに丸い葉






ヤマエンゴサク ~2017②~

2017-04-27 06:00:00 | ケシ科

ヤマエンゴサク(山延胡索)
<学名:Corydalis lineariloba Siebold et Zucc.>
ケシ科 キケマン属 多年草








群生していました。


撮影日 2017.04.23: 長野県
縮小したら分かり難いですね。



変わった花形をしていますネ。



花の付け根部分 苞 に注目。
ヤマエンゴサクは苞に切れ込みがあります。



(ジロボウエンゴサクの苞には切れ込みが見られません。)

今回はこんな葉をしているものが見られました。
① 丸い小葉


② 切れ込みのある葉


今回は細長いものはみられませんでしたが、
いろいろなタイプがあるのですね。
葉の変異も大きいですね。




ヤマエンゴサク ~2017~

2017-04-18 06:00:00 | ケシ科
ヤマエンゴサク(山延胡索)
<学名:Corydalis lineariloba Siebold et Zucc.>
ケシ科 キケマン属 多年草








本州〜九州の山野の湿った林内、林縁部や道ばたに生える。
全体無毛で高さは10~20cm。地中に球形の塊茎がある。

山道の道端に咲いていました。

撮影日 2017.04.16: 群馬県

小葉は線形〜卵円形でしばしば3裂し、細長いものも
みられるなど葉形は変化が多い。



細い葉のものも見られました。

(ササバエンゴサクと呼ばれることもあります。)
以前撮ったものですが丸い小葉のもの

撮影日 2015.04.29: 群馬県

花期は4-5月。茎の上部に総状花序の濃い青紫色または
紅紫色の花を咲かせる。長さ15〜25mm


撮影日 2017.04.16: 群馬県

花弁は4個で外側に2個、内側に2個つく。外側のうち
上の1個がもっとも大きく、基部が袋状の距になって
後ろにつきでる。内側の2個の花弁は左右から合わさって、
先端が合着し、雄しべと雌しべを包んでいる。

変わった花形ですね。



苞は披針形〜扇状くさび形、苞は先が3~5裂する。


色の変化もいろいろあります。

種子は平滑、種沈(エライオソーム)がある。

春先に花を咲かせ、落葉広葉樹の若葉が広がる頃には
地上部は枯れてなくなり、翌春まで地中で過ごす
スプリング・エフェメラルの一種。