オトメエンゴサク(乙女延胡索)
<学名:Corydalis fukuharae Liden>
ケシ科 キケマン属 多年草
別名ホンシュウエンゴサク
撮影日 2021.6.6: 長野県
本州北部の多雪地、中部地方に分布するスプリング・エフェメラルの一つ。
スプリング・エフェメラル
(春先に花を咲かせ、落葉広葉樹林の若葉が広がる頃には地上部は枯れて
なくなり、その後は翌春まで地中の地下茎で過ごす植物)
北海道に分布するエゾエンゴサクと混同され、
中部地方以北にも分布されるとされてきたのですが、
東北地方から北陸地方に分布するものは、
スウェーデンの植物学者 Magnus Lidenによって別種の
オトメエンゴサク (C. fukuharae)とされました。
福原達人 (2016)は、「エゾエンゴサクとの区別点や分布はなお検討を
要する」としています。
長野県の高層湿原にスミレ観察に行ったとき、湿原に入る手前に咲いて
いたものです。
湿り気のある林内、林縁に生える多年草で、エゾエンゴサクとよく似ている。
地下にある直径1-2cmの球形~卵球形の塊茎から茎を出し、高さ10-25cmになる。
葉は薄く、表面は緑色、裏面はわずかに粉白色をおびる。
2~3回3出複葉となり、小葉は全縁か深く全裂し、裂片は倒卵形で、先は鈍形
または鋭形となる。
花期は4-5月。
茎頂の総状花序に淡青色~淡紫色の花を一方に偏って
3~13個の花をつける。
小花柄の基部の苞は長楕円形になり、全縁か
まれに最下が浅裂し、先は鋭形または鈍形になる。
(近縁種のヤマエンゴサクの苞には歯牙または欠刻があり区別できる。)
比較のためヤマエンゴサクを貼っときます。