物臭狸の『花日記』

YAHOOから引っ越してきました。
色々な植物たちを紹介しています。

オオバタネツケバナ

2017-03-31 06:00:00 | アブラナ科
ちょっと前に「タネツケバナ」を記事にしました。
雑草日記の方では、よく似た帰化種「ミチタネツケバナ
記事にしています。
今回は記事にしていなかったタネツケバナの仲間を取り上げてみます。


オオバタネツケバナ(大葉種漬花)
<学名:Cardamine regeliana Miq.>
アブラナ科 タネツケバナ属 越年草





北海道~九州の丘陵地や山地の渓谷沿いなど水流のある場所や
湿った林縁など砂や小石の混じったような場所に生える。

小川のせせらぎの縁に生えていました。

撮影日 2008.4.27: 新潟県

ほとんど紫色を帯びず、無毛。(まばらに毛があるものもある。)
タネツケバナに似ているが、がっしりした感じがする。
茎は高さ20~40cmで毛は少ない。
里山に多いが、タネツケバナほど人為的影響を受ける場所では
見られない。タネツケバナとともに混生することはあるが、
タネツケバナよりも若干半日陰の場所を好む傾向がある。



葉は奇数羽状複葉、頂小葉が長さ1~4㎝と側小葉より際立って
大きく、側小葉は1~4対と少ない。下部の頂小葉は特に大きく丸い。
頂小葉があまり大きくならないタネツケバナと区別できるが、
この仲間の区別は難しい。



花は直径0.4~0.6cmで、花序はあまり長く伸びない。



花は白色の4弁花。花弁は長さ約4mmで、タネツケバナよりやや大きい。
雄しべ6個。





長角果は長さ1.5~3㎝、幅 1~1.5㎝、
片面に1列ずつ入り、熟すと下側から裂開する。



本種はタネツケバナと同様に食用となるが、タネツケバナより柔らかく、
辛味もソフトで美味。 らしいです。



アズマイチゲ  ~2017-2~

2017-03-28 06:00:00 | キンポウゲ科
アズマイチゲ(東一華)
<学名:Anemone raddeana>
キンポウゲ科 イチリンソウ属 多年草







日本全国の山地や山麓の日当たりの良い場所に分布。
高さは15-20cm程で直径2-3cmの花を咲かせます。
スプリング・エフェメラル
(春先に花を咲かせ、木々の若葉が広がる頃には地上部は枯れてなくなり、翌春まで地中の地下茎で過ごす早春植物)
の一種。


撮影日 2017.03.25: 群馬県

根際から出る葉には長い柄があり、2回3出複葉
茎につく葉は3出複葉で3枚が輪生する。



茎先に直径2-3cmの花弁状の萼片を持つ花を1個つける。
花弁はなく、花弁状の萼片を持つ。
萼片は白色で8-13枚
。花弁はない。



花の真ん中に雄しべがたくさんあり、
その中に雌しべがやはりたくさんある。



 萼片は白色で8-13枚。
 (白い花びらのように見えるのは萼片)



アズマイチゲの名前は「東(関東)の一華(イチリンソウ属の花の一名)」ということから。

別名「雨降花と呼ばれることもあり、摘み取ると雨が降る
 という説があるそうです。




ハクモクレン / コブシ / シモクレン

2017-03-27 16:00:00 | その他
どちらもモクレン科モクレン属の落葉高木で、
白い花をつけ遠目では良く似ています。

隣り合って植栽されていました。
左:ハクモクレン  右:コブシ

撮影日 2017.03.25: 群馬県




ハクモクレン
(白木蓮)<学名:Magnolia heptapeta>



中国原産(古く10世紀以前の渡来とされる。)
早春新葉が出る前に純白の花を枝いっぱいに咲かせる
モクレンの仲間の落葉広葉樹。
(しばしば、「モクレン」と混同され、そう呼ばれることがある。)
モクレン属の中では大型の種類で樹高は10~15m程度まで
成長する。



葉は大形(長さ10~18センチ)で互生し、葉身は
倒卵形~広倒卵形。表面は緑色で少し光沢があり粗毛がある。
縁は全縁。先は短く凸状になる。
春、葉に先立って大形で白色の花が開く。



花弁の内側、外側とも白く、花弁は6枚、萼片は3枚ですが、
いずれも白くて見分けられない。



花は上向きに閉じたような形で咲き全開しない。


撮影日 2016.3.20: 群馬県

花は太陽の光をによって南側がふくらむため、
花先は北側を指す様になります。


撮影日 2017.3.18: 群馬県

蕾の頃は片方にそり返った様になっていることから、
磁石の木」という別名もあります。




コブシ
(辛夷)<学名:Magnolia kobus>



高さは18m、幹の直径は60cmに達する落葉高木。
葉は、互生し、葉身は広倒卵形で表面は無毛、裏面は脈上に
微毛がある。縁は波状、あるいは全縁。


撮影日 2017.03.25: 群馬県

3月から5月にかけて、他の木々に先駆けて枝先に直径6-10cmの
花を咲かせる。



花は純白で、基部は桃色を帯びる。花弁は6枚。



花には芳香があり、満開時期の枝いっぱいに花を付けた様子は
遠目からもよく目立ちます。


花の付け根に葉が一枚ついている。




枝は太く折れやすい。枝を折ると、 芳香が湧出する。
アイヌ地方では「オマウクシニ」「オプケニ」と呼ばれる。
それぞれ、アイヌの言葉で、「良い匂いを出す木」「放屁する木」
という意味を持つ。
こぶしの名前の由来はつぼみの形が握り拳に似ているからだとか、
花後にできる果実が握り拳のようにぼこぼことした形をしているから
とか言われています
(果実は5-10cmで、袋菓が結合して出来た集合果で、所々に瘤が
隆起した長楕円形の形状を成している。)
別名「田打ち桜」
学名はMagnolia kobus「マグノリア・コブス」で種小名
「コブス」は日本での呼び名「コブシ」をそのまま用いたものです。
日本では「辛夷」という漢字を当てて「コブシ」と読むが、
中国ではこの言葉は木蓮を指す。

 

~ ~ 良く似た 白木蓮辛夷 違うところ ~ ~

●ハクモクレンの花被は9枚、コブシの花びらは6枚(基部は桃色)
●ハクモクレンの花は上向きに閉じたような形で咲き全開しない。
●辛夷の花はやや横向きに咲き大きく開き、
花の付け根に葉が一枚
 ついている。

過去記事も覗いてみてください。⇓
    ハクモクレンとコブシの花

             左:ハクモクレン        右:コブシ





おまけは 

シモクレン
(柴木蓮)<学名:Magnolia liliiflora Desr.>



中国南西部(雲南省、四川省)が原産地である。
紹介された際に、Japanese magnolia と呼ばれたため、
日本が原産国だと誤解されている場合がある。


撮影日 2017.03.25: 群馬県

樹高3-5m程度。葉は互生で、広卵型、長さ8-10cm、先は尖る。



花期は4-5月頃。花は濃い紅色から桃色で、花弁は6枚、
がくは3枚、雄しべと雌しべは多数が螺旋状につく。
上品な強い芳香を放つ。
ハクモクレンとは異なり、花びらは舌状で長い。



庭木、公園樹として中国、日本だけでなく、北米や
ヨーロッパ諸国で広く栽培されている。



通常、モクレン(木蓮)と言えば、濃紅色の花を咲かせる
シモクレン(紫木蓮) のこと。
花が紫色であることから、シモクレン(紫木蓮)の名前が付いた。
昔は「木蘭(もくらん)」と呼ばれていたこともあるが、
これは花がランに似ていることに由来する。
今日では、ランよりもハスの花に似ているとして
「木蓮(もくれん)」と呼ばれるようになった。


ところで皆さんは
モクモクレン」  
って知ってますか?




タネツケバナ

2017-03-24 06:00:00 | アブラナ科
タネツケバナ(種漬花)
<学名:Cardamine scutata Thunb.>
アブラナ科 タネツケバナ属 越年草、一年草.







水田雑草として日本全土の水田跡や畦道などにふつうに生え
時に半ば水につかって育っている。
育ちがよいものは小型のクレソンに似て見えることがある。

茎は下部から分枝して上向きに又は傾伏して直立し、
根生葉は花期にはなく、高さは10~30cm、
下部は通常暗紫色を帯びて短毛がある。


撮影日 2017.3.12: 群馬県

葉は根本と下部に一回羽状複葉の葉をつける。
7~10個の小葉があり、頂小葉は少し大きい。
側小葉は狭長楕円形~倒卵形、幅1~6mm。



花期は3~5月、花は茎の先端に総状花序に多数つく。
花は白色、花弁は長さ3~4mm。雄しべ6個まれに4個。


果実(長角果)は無毛で長さ2cm内外。棒状で上を向く。

和名の由来はイネの種もみを水に漬け、苗代の準備をする頃に
咲くことから。

一見ナズナに似ているが、果実が細長い。
七草がゆの際には、春の七草のナズナと間違えられる例もある。
果実の形が違うので判別は難しくないが、
別に毒はないし食べられるので間違えても実害はない。