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Dryden, from "To the Lady Anne Killigrew"

ジョン・ドライデン (1631-1700)
「完璧なる若き貴婦人、アン・キリグルー様の思い出に」より

ああ、恵み深き神よ! いかにわたしたちは
詩というあなたからの聖なる贈りものを汚してきたのでしょうか?
詩神にどれほどみだらなことをさせたり、悪に溺れたりさせてきたのでしょうか?
詩神を卑しめ、あらゆるいやらしいこと、不敬なことをさせて?
その美しい歌は、もともと天上のもの、
天使たちが歌うもの、愛をたたえるためのものとされていたのに?

* * *

John Dryden
From "To the Pious Memory Of the Accomplisht
Young Lady Mrs. Anne Killigrew"

O Gracious God! How far have we
Prophan'd thy Heav'nly Gift of Poesy?
Made prostitute and profligate the Muse,
Debas'd to each obscene and impious use,
Whose Harmony was first ordain'd Above
For Tongues of Angels, and for Hymns of Love?
(56-61)

* * *

文学史の本などでは見えてこないドライデンの一面。
(もちろん、誰のものであれ、書かれた言葉をうのみにはできないが。)

* * *

訳注。

58
構文は、[How far have we] Made the Muse
prostitute and profligate?

構文的には、prostituteとprofligateを形容詞として
見るとすっきりする。(上の訳でもそのように。)

が、それぞれを動詞として見たほうが、より内容に幅が出る。
どちらも他動詞だが、目的語なしで漠然と用いられているものとして。

Prostitute: (自分を)いけない性行為のためにさし出す。
Profligate: (相手を)戦闘において打ち破る。

つまり、恋愛詩や英雄詩を詩神に歌わせるのは
正しくない、ということ。(これは、ドライデンが
他のところで書いていることともだいたい合致。)

59
58のthe Museを後ろから説明。

60
Whoseの先行詞もthe Muse.

61 Love
(文脈から見て)いわゆる恋愛(地上的な、人間的なもの)ではなく、
(被造物に対する)神の愛のようなもの。

* * *

英文テクストは、Examen Poeticum (1693, Wing D2277) より。

* * *

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