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『「かなしみ」の哲学 日本精神史の源をさぐる』(竹内整一著 NHKブックス 2009年刊)
本書を読んで、子どもたちへの教育にこの国の精神のコア、「かなしみ」を教える必要があると思った。
胸にしみる空のかがやき 今日も遠くながめ涙をながす
悲しくて悲しくて とてもやりきれない
このやるせないモヤモヤを だれかに告げようか
(サトウハチロー「悲しくてやりきれない」)
この国の歌謡曲、童謡、唱歌、フォークソング、童話、和歌、物語・・の中には「かなしみ」の底流がある。生きていることは、切なくて、やるせなくて、苦しくて、寂しいことだから、子どもたちが自死を選ぶのも訳なきことでは無い。
自死はいけないこと、してはならないこと、と言って周りから排斥するのはたやすい。自死と向き合い、考え抜くことの方が、ずっと人として人らしいことであるということを肯定してあげたい。
常に、皆で力を合わせて、皆で一緒に、と必ずしもいかない、ひとりを噛みしめることが、そこを乗り越えるためにも大切だということを肯定してあげたい。
生きているものは、必ず死ぬということを、喜びの総量より、かなしみの総量の方が多いということを、身近にいる大人たちは、あらためて子どもたちに教えてあげてほしい。
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