晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

「作家的時評集 2000―2007」 その2

2007-12-04 20:57:18 | Weblog
 2001年の主な出来事、2月ハワイ沖で宇和島水産高校の愛媛丸が米原潜と衝突、4月小泉首相誕生、外相に田中真紀子、7月参議選で自民党圧勝、9月米同時多発テロ、10月米アフガニスタン空爆、12月さる高貴なご一家にお孫さんが誕生、先週6歳になる。

 高村は、この国に異議を唱える。有効な災害対策を、無知と無関心、感情を無くした日本人に、ひどいの次の一言がないことに、小泉の空虚な語法に怒りをぶつける。

 私は、概ね高村の怒りに賛同するが、高村の言説の所々に違和を感じる。それは、一言で言うと、高村が気分でしか語っていないからだ。「大きな物語」を避けているからだ。現状は「ひどい」、それで「こうするのだ」という「次の一歩」が無いのは、高村の方ではないか。

 違和の例として2001年の時評からだけでも、東京都の防災訓練での自衛隊のパレードを批判しながら、「いざというときは自衛隊の出動が大切ということは痛感しています。」と語る。
全共闘運動の大学の権威主義への反対には共感したが、「マルクス主義的実存などの理念になると、市井のわたくしたち一般市民の意識とは感情の次元で大きくずれていたのだろう。」
「私は航空機が突っ込むより、地球の温暖化のほうがよっぽど怖いと思う」

 1999年末は、新ミレニアムにあたって記念行事があったり、コンピューター2000年問題対策で会社は大忙しだったが、結果的には何事も起こらず2000年が明けた。それに比べ、新世紀となる2001年の始まりは誠に静かであったことを思い出す。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「作家的時評集」高村薫 その1 | トップ | 「いくつになってもハッピー... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事