晴走雨読

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ジェームズ・マンゴールド監督 『フォードVSフェラーリ』

2020-01-28 14:05:00 | Weblog

食レポ番組にうんざりしている。カメラを向け、お店にタレントを飛び込ませ、取材OKを取り付ける。一日に何軒も梯子して「美味しい」の連発。料理は全て食べているのだろうか。食品ロスそのものではないか、食べ残しはスタッフが食べているから大丈夫だって?

 

『フォードVSフェラーリ』(ジェームズ・マンゴールド監督 20世紀フォックス社 2019年作品)  

高校生の頃、約50年前になるが、定期テストが終ると泉屋でミートソース、釧路映劇(映劇)、釧路劇場(釧劇)、ミラノ座で洋画を観るのが当時のささやかな楽しみだった。進学校に青春はなく、あれは黒春だったのだろう。あれから半世紀経ったが、放送大学の試験が終り久しぶりに映画を観たくなった。鏡に写る自分の姿は爺さんには間違いないが気分だけは青春のつもりだ。

子どもの頃、自動車が好きだった。中学から高校にかけて漠然と車づくりに携わりたいと思っていたので、自然に理系を選んだのだと思う。しかし、大学に入ると石油危機もあり自動車産業は冬の時代に、そして僕自身はそんなことをやっている場合ではない、社会を知らなくては始まらないと思うようになった。

『フォードVSフェラーリ』、冒頭、サーチライトに照らされる「20世紀フォックス」マーク。ストーリーはヒーロー物語、リアルなレースシーン。大衆車生産で最大のメーカーであるフォードが1960年代のモータースポーツ界に君臨するフェラーリに挑み、ル・マン24時間レースで打倒を果たしたという実話。メカニックでレーサーの男と元ドライバーでマネジメントを任された男の友情物語。最後は、バニシングという悲劇で終わる。典型的なハリウッド映画だ。

僕が好きだった60年代日本レースシーン、ドラーバーたち。福沢幸雄(福沢諭吉の孫)、川合稔(妻は小川ローザ)、2人ともトヨタ7の開発中に袋井と鈴鹿で事故死。浮谷東次郎(『がむしゃら1500km』の著者)事故死、生沢徹(一匹狼でヨーロッパを転戦)、滝進太郎(プライベートチーム、滝レーシングでトヨタ、ニッサンに挑戦)、田中健次郎(レースの神様、富士スピードウェイ30°バンクを須走落とし)、式場壮吉(欧陽菲菲の夫)、北野元、高橋国光、黒沢元治、星野一義は日産ワークスでR380、R381、R382を駆使。まだまだヒーローはたくさんいた。

映画に登場したフォードGT40、フェラーリ330P3もそうだが、当時のマシンは、コンピュータ制御などはなく手作り感満載であった。そしてレースもマシンの性能だけではなくドライバーの力量も重要な要素だったことがわかる。

 

 

 

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