晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

『グリーン・エコノミー』

2011-06-25 21:30:59 | Weblog

『グリーン・エコノミー 脱原発と温暖化対策の経済学』(吉田文和著 中公新書 2011年刊)

 

 廃棄しようとしているアナログテレビが地震予知をしてくれます。共同アンテナから受信しているのですが、VHFチャンネルの①HBC,③NHK,⑤STV,⑫NHK教育で、地震の68時間ほど前に画面にザラザラやブレが出て非常に映りが悪くなります。そうすると必ず地震が発生します。このところの地震の前にこの現象が発生しています。

 

 週末ランは欠かしていませんが、月刊走行距離はあまり伸びません。本日は、午後からランニングで書店へ。

 

 『原発のウソ』(小出裕章著 扶桑新書)や『日本中枢の崩壊』(古賀茂明著 講談社)が売れていました。『水の透視画法』(辺見庸著 共同通信社)も読みたいなあと思ったのですが、縁あって吉田文和氏の『グリーン・エコノミー』にしました。

 

 先日、飯田哲也氏を取り上げた時、政局の見方を示しましたが、菅首相は脱原発政策を推進すべく電力会社や経済産業省の官僚と闘っているようにも見えますが、何せ説明がヘタです。脱原発の体系的な説明ができていません。きちんと理解ができていないのかもしれません。大スポンサーである電力資本に媚びを売っているマスコミも完全に悪意から報道していますが、菅も政局に利用しているようにも見えてしまいます。

 

 

 さて、吉田氏の著書は、エネルギー・電力政策を体系的に明確に示しています。菅が本気で脱原発を実行しようとするなら、孫正義を担ぎ出すのも良いと思いますが、こういう方をブレーンにして真摯に勉強すべきです。

 

 以下、著者の見直しの方向性をメモします。

 

①原発の新増設を止め、非常用電源を含めた原発の安全総点検、地震と津波対策を行い、老朽化した原子炉の停止、廃止をすすめ、核燃料サイクルを凍結する。

②これまでの原子力行政機構を見直し、持続可能なエネルギー政策に関する機関を設置する。

③経済産業省、資源エネルギー庁とは独立した原子力安全規制委員会を創設する。

④電力自由化、発電送電部門の分離、発電事業への新規参入を促進、全国の送電網の抜本的強化と公的管理をすすめる。

⑤ベースとなる発電を、原子力からLNG、LPG、ガスタービン発電、石炭ガス化複合発電など環境負荷の少ない化石燃料へ切り替える。

⑥太陽光、風力、バイオマス、地熱、小水力など再生可能エネルギーの利用や地域分散型エネルギーの拡大をすすめる。全量固定価格買取制度(FIT)の運用を行なう。

⑦公共交通機関へのシフトをすすめ、自動車による石油消費を抑制する。

⑧省エネルギーと化石燃料節約を促進するため、地球温暖化対策税、国内排出量取引制度の実施をすすめる。

 

 

 菅が本気なら、自分の権限で緊急総理記者会見を開いて、脱原発の考え方を国民にきちんと説明すべきです。政治家を含め、自分は抵抗勢力と今どう闘っているのか、浜岡原発停止要請後の「圧力」を語るべきです。語らずして燃え尽きても何の意味もありません。世論の80%は原発反対だが、菅を支持していません。そこまで尽くした後の解散・総選挙なら「脱原発」を「郵政民営化」のように争点にした選挙になると思います。

 

 

コメント
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