晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

『反障害原論』 ノオトその7

2010-03-28 17:22:25 | Weblog
 『吉田拓郎展 TAKURONICLE』 2010.4.1~4.7 さっぽろ東急百貨店9階催物場

 全国を移動開催していますが、ついに、札幌にやって来ます。


『反障害原論』 ノオトその7

 *著者の論述は、前第一三章から「運動論」「法律論」に入るが、「原理論」「思想論」に基づく展開とはいえ、面白みに欠ける。法律というのは哲学的な深みが無い、単なるルール、制度論レベルと考えてしまうゆえか。

第一四章 障害を巡る反差別の法制度―差別禁止法・「障害者の権利条約」
一節 ADA「アメリカ障害者差別禁止法」法
 著者は、ADA法の論点を整理する。
 評価:①障害者の団結によって勝ちとられた、②何を差別とするのかが掘り下げられている。
 批判:①抜け道が多く妥協の産物、②重度の障害者が除外されるなど経済的効率性が優先、③法律成立の働きかけ運動の中に重度の障害者がいなかった、④能力主義に基づく機会均等法

二節 他の国の「障害者差別禁止法」
 現状は、医学・生物学モデル、機会均等という差別の論理、資本の論理に基づく法律。

三節 日本における「障害者差別禁止法」制定運動の動き

四節 「障害者の権利条約」
(1)「障害者権利条約」や「障害者差別禁止法」は反障害=反差別の道具=手段になりえるのか?
 「何でも利用できるものは利用しよう」ということは、両刃の剣的に作用する。
 著者は、今、教育において競争原理に組み込める障害児に限ったインテグレーションの遂行と、原則分離の維持・強化が進んでいる。「障害者自立支援法」の精神もインテグレートの対象になる障害者を軸に作られ、重度と規定される障害者を切り捨てている、と指摘する。

(2)‘合理的配慮’という誤訳?
(4) まとめ・・・「合理的配慮」という差別性
 著者は、「特別なニーズ」という言葉は、日本の原則分離教育の中で、「特別支援教育」にすりかえられ、分離教育の根拠として使われてきている、という。

補節一 「障害者運動」サイドから出てきた「差別禁止法要綱案」との対話
(1)「要項案」における障害規定
(イ)「障害をもつ人」という表現
 「もつ」は、医学・生物学モデルそのもの。

(ロ)「要綱案」における障害規定
 第一章総則「2 障害の定義」では、「障害とは、傷害や病気などを原因とする個人の特性にかかわらず、その個人に対して、ある程度以上の能力や機能を要求する社会的環境との関係で生じる障壁をいう」となっているが、著者は、生まれた時から障害者と規定された人の観点が無いなど、と批判する。

(ハ)「要綱案」における「障害者差別」規定
 「前文」では、「現在までの社会的諸関係において、身体的・精神的な特徴と理由により、通常の日常生活を営む能力が不当に低く評価され、・・」となっているが、著者は、不当とはどういうことか、と批判する。

(3)「機会均等法としての差別禁止法」の動きに対する批判
(4)差別禁止法制定運動のもつ意味?
(5) まとめ
 著者は、運動は、重度の働けないとされる障害者を基準におくべきという。

補節二 『傷害のある人の人権と差別禁止法』(日本弁護士連合会人権擁護委員会)の読書メモ

補節三 「特別なニーズ」・・・サラマンカ宣言

第一五章 障害学のとらえ返しと障害学批判
一節 「イギリス障害学」の入門書の翻訳
 コリン・バーンズ/ジェフ・マーサー/トム・シェイクスピア『ディスアビリティ・スタディーズーーイギリス障害学概論』の読書メモ
二節 マイケル・オリバー『障害の政治』の読書メモ
三節 杉野昭博『障害学 理論形成と射程』の読書メモ
四節 障害学批判
 
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