晴走雨読

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竹島とパブコメ

2008-08-21 20:53:59 | Weblog
 各省庁や自治体のホームページを見ると近年パブリックコメント募集中との記述が頻繁に見られる。為政者の側が一方的に政策を決定するのではなく、国民や住民の意見を良く聞いてから決めようとしていることが窺われ望ましい制度のように感じる。民主主義制度のひとつとして定着しつつあるのだろう。

 中学校新学習指導要領の解説書に「竹島」に関する記述が記載された経緯の中で、「文科省の背中を強く押したのが、パブリックコメント(パブコメ)=意見募集だった。」(SEKAI2008.9-24)との解説があった。

 民意を推し量る方法は、各級選挙、世論調査などがあり、これらについては、国民(住民)ひとりひとりが持つ権利は1票づつであり平等である。しかし、公聴会や住民説明会などでは、いわゆる「声の大きい人」「顔の広い人」などの意見が重視される傾向はないだろうか。また、マスコミが伝える世論も一定の意図が働いて形成されている可能性がある。

 パブコメに話しはもどる。パブコメは、個人意見の表出手段として適正なのであろうか。もし、私が、ある目的を持った団体をコントロールできる立場にあるとすれば、パブコメに大量に意見を送り込むことができる。その意見は、適正であっても、的外れであっても、無視されることはないであろうから。

 もっと悪いことを想像する。パブコメで意見を求める側が、一定の方向の結論に導くため、やらせパブコメを実施することも可能なのではないか。

 このように、パブコメなる手法には、大きな欠陥がある。その欠陥のある制度によって、政策決定がされていくとすれば、民意とは異なる結果になってしまう。そして、それが国の大きな方針になり、住民の生活を左右することになる。
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