晴走雨読

晴耕雨読ではないが、晴れたらランニング、雨が降れば読書、きままな毎日

「チベットの聖なる谷へ」

2008-03-24 21:44:30 | Weblog
 『ミラレパの足跡ーチベットの聖なる谷へー』(伊藤健司著 地湧社 2000年刊)

 チベットのことが知りたくて、それはチベットの政治的なことや経済的なことではなく、そこに住む人びとの暮らしの様子が知りたくて、図書館から一冊の本を借りた。

 著者は、1961年生まれの旅するフォトジャーナリストである。この本は、中国領チベットとネパールの国境、ヒマラヤの標高5000メートルあまりの山中を単独の徒歩で旅した記録である。

 税関手続き無しの半ば密入国なので、ネパールの警察や中国の公安を避けながらのたびである。宗教を否定した文革で破壊されたチベット民族の宗教施設、世捨て人のように山中で修行する老僧、深い谷間の集落で暮らす人々。

 著者は、見たこと、体験したことしか記していない。今回のチベットの事態を解く様な記述もない。ただ、そこには近代文明の持つ効率性とが合理性などの価値基準とは全く異なる文化があるということだけだ。

 

 
コメント (2)
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