ふとっちょパパの気ままな日記

読書履歴を中心に日々の記録を書きます

セックスは自然な行為か?

2009-01-27 17:50:44 | 本と雑誌

帯にこうある。

<キンゼイ賞を受賞したセクソロジストの著者による、セクソロジー内部からの告発の書。>

難解であり、目を通しただけでも自分ながら感心した。

論文、コラム用のエッセイ、講演をもとにした本であるが、非常に難しい。

目次

1 セックスは自然な行為ではない―テーマと多様性
2 散文・論文・エッセイ、そして私
3 フェミニズムとセクシュアリティ
4 よみがえる男根中心主義
5 結び―セクソロジーの政治学

セックスは自然な行為か?

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誕生石物語

2009-01-27 07:27:14 | 本と雑誌

誕生石について解説している本かと思い、購入。

題名だけで買うとこんな失敗もするが、著者の木崎さと子さんを芥川賞作家だと知るだけの教養があれば、そんんな間違いもしなかったかと思うと、恥ずかしい。

誕生石をモチーフに12の物語がつづられる。

女性好みの作品だろうか。私の好きな阿刀田高さんが書くとどうなるだろうかと想像すると楽しい。

目次

深紅の部屋―柘榴石(一月)
レディ・ヴァイオレット―紫水晶(二月)
双つの石―アクアマリン ブラッドストーン(三月)
川の面―ダイヤモンド(四月)
瑠璃色の鳥―翡翠(五月)
古都―真珠(六月)
紅い小さな窓―ルビー(七月)
遊仙窟―瑪瑙(八月)
濃藍の瞳―サファイヤ(九月)
七彩の雲―オパール(十月)
廻る指輪―トパーズ(十一月)
サハラへ―トルコ石(十二月)

誕生石物語

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良い経済学 悪い経済学

2009-01-26 22:36:11 | 本と雑誌

ポール・クルーグマンは2008年のノーベル経済学賞受賞。

アメリカでは1996年に出版され、日本では1997年に翻訳出版された本であり、各種雑誌に発表された論文を集めたものである。

保護主義を始め、俗流の評論家の論を、経済学の常識から一刀両断にする。

アメリカが民主党政権になった今、クリントン政権に対して厳しかったポール・クルーグマンの著書は読み直すべきであろう。

単なる市場至上主義ではなく、しっかりと読むべき本である。

目次

1 ゼロ・サム社会の幻想
2 良い経済理論と悪い経済理論
3 新興経済圏
4 技術と社会

良い経済学 悪い経済学 (日経ビジネス人文庫)

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会話の日本語読本

2009-01-25 07:44:57 | 本と雑誌

鴨下信一さんの本を立て続けに読んでいる。

会話について、認識を深めることができる本である。

目次

1 会話はこんなに通じない
2 男ことばと女ことばの不思議
3 一人ゼリフの凄い効きめ
4 方言こそ日本語のお宝だ

会話の日本語読本 (文春新書)

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誰も「戦後」を覚えていない 昭和30年代篇

2009-01-21 15:12:44 | 本と雑誌

鴨下信一さんの本を立て続けに読む。

これは、昭和30年代を回顧したもの。

まずは、小さいものが大事だったという指摘から、大きなものに変わっていく様子が描かれる。

特に、映画、テレビ、音楽などの文化にかかわるところが興味深い。

目次

はじめに
  ―時代区分は必要か
昭和30年代はなんでこなんに懐かしいのだろう
  ―まずは“小さい幸せ”が大事な時代だった
「この幸せを手放せない」60年安保の気分
  ―60年安保反対闘争/三井三池争議/蜂ノ巣城攻防戦
「清張」も「風太郎」も必要だった
  ―小説が教師だった時代
アッという間に水が来た
  ―犯罪と災害の世相史
巨匠の映画でこの時代の生活をさぐろう
  ―小津・成瀬・黒澤の「鍵」「カーテン」
こんなにB、C級映画ばかり見ていた
  ―ジャンク映画と言うなかれ
音楽は時代の変化そのものだった
  ―ロカビリーからフォーク・ソングまで
その時、テレビは何をしていたか
  ―外国テレビ映画とコメディの花盛り
歴史の真実は落ち穂ひろいにあり
  ―その落ち穂ひろいからこぼれたこと

誰も「戦後」を覚えていない 昭和30年代篇 (文春新書)

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クラウド・コンピューティング ウェブ2.0の先にくるもの

2009-01-18 21:40:17 | 本と雑誌

クラウド・コンピューティングは、最近流行の言葉である。

しかし、著者である西田宗千佳さんは、「パズワード」(Wikipedia:世間、あるいは業界一般などの一定の一般的なグループの間で喧伝されてはいるが、その実態が明確ではない言葉)ではないと言い、丹念に説明をする。

特定の企業に偏らず、gooなども扱って欲しかったな。

目次

はじめに 「世界に5台しかコンピューターがない」世界
第1章 サービス化 ソフトがネットへ溶けていく
第2章 ボーダーレス化 「iPhone」の革命
第3章 オンライン化 すべてがネット(雲)の向こうに
第4章 クラウド・コンピューティングという「現象」
第5章 クラウドの課題と未来

クラウド・コンピューティング ウェブ2.0の先にくるもの (朝日新書)

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誰も「戦後」を覚えていない―昭和20年代後半篇

2009-01-17 22:08:50 | 本と雑誌

続けて、鴨下信一さんを読む。

今回は、昭和25年から29年を取り上げる。

歌舞伎の読み替えなど興味深い指摘が多い。

日本人の本質が戦後から変わらないことに驚く。

目次

隣りの国では戦争をしていた
  ―朝鮮戦争と日本人
イライラ・暴力衝動そして密告
  ―この時期の日本人の心理
黒い英語とバラ色の英語
  ―この時代の英語について
「ローマの休日」や「七人の侍」ばかり見ていたわけじゃない
  ―映画はこうだった
演歌なんかどこを探してもない
  ―音楽の世界
逆コースの文化たち
  ―歌舞伎・寄席・相撲はいかに復活したか
ヤンキー~ウェルカムとゴーホーム
  ―進駐軍クラブ、キャンプまわり、呼び屋、そして内灘闘争
性の開放
  ―いったいどんな性が開放されたのか
ハードボイルドがやって来た
  ―新しい文体、新しいライフスタイル
次の時代への予感
  ―予兆に満ちた災害と犯罪

誰も「戦後」を覚えていない―昭和20年代後半篇 (文春新書)

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誰も「戦後」を覚えていない

2009-01-16 21:40:49 | 本と雑誌

鴨下信一さんは、TBSの演出家。1935年生まれの方である。

昭和20年から24年までを扱う。ジオラマ風に描かれるが、ビビッドであり、興味深い。

年寄りの話を聞くとくどくて嫌になるが、本だとそういうくどさもないし、多くの若い人にも読んでもらいたい。

目次

風呂と風呂敷
  ―それを盗みとは言わない
敗戦のレシピ
  ―代用食を美味しく食べる方法
殺人電車・列車
  ―混雑と衝動
間借り
  ―監視し監視される生活
闇市
  ―ヤクザは隣人
預金封鎖
  ―ペイ・オフは昔からあった
何であんなに寒かったんだろう
  ―気象と犯罪・災害
シベリヤ抑留
  ―64万人の拉致
玉音放送
美空ひばりへの愛憎
  ―日本の心とアメリカへの憧れ
復員野球
  ―幻影も一緒にプレーしていた
肉体の門
  ―性と解放
何を信じたらいいの?
  ―漢字制限・新仮名づかい
ラジオ・デイズ
  ―それは「ごった煮」の文化だった
Survivor’s Guilt
  ―あとがきに代えて

誰も「戦後」を覚えていない (文春新書)

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スピリチュアルにハマる人、ハマらない人

2009-01-12 22:16:36 | 本と雑誌

香山リカさんの本は初めて読むのかも知れない。

スピリチュアルには、全く興味がないので、なぜこうブームになっているのか気になっていた。

香山リカさんの本は、的確にその事情を説明している。興味深い本である。

目次

序章 私の前世を診てください
第1章 人は死んでも生き返る?
第2章 スピリチュアルのカリスマたち
第3章 江原啓之という現象
第4章 スピリチュアルで癒されたい
第5章 スピリチュアルちょい批判
第6章 あくなき内向き志向の果てに

スピリチュアルにハマる人、ハマらない人 (幻冬舎新書)

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27人のすごい議論

2009-01-11 22:26:05 | 本と雑誌

クローズドなSNSで紹介されていた本。

気になっていたので、買って読んでみた。

沢山の論点に、どの論文も短いながら説得力ある論述をしている。これくらいの説明ができると、自分としてもうれしいのだが、そうはいかない。

それぞれに付けられて解説が、余分ではなく、よい解説となっている。

目次

第一章 常識をくつがえす
  裁判員に公正な判断は可能か
  自然の生態系をどう守るか
  性差はなくすほうがよいか
  成果主義は日本に根づくか
  リサイクルは機能しているか
  産学連携は国益にかなうか
第二章 本質を見抜く
  結果の平等か機会の平等か
  民主主義の限界とは何か
  従軍慰安婦の本質は
  「中国流」とどうつき合うか
  脳死移植をどう考えるべきか
第三章 変化を読む
  少子化が経済に与える影響は
  天皇は男系男子に限るべきか
  ひきこもりに対策はあるか
  「55年体制」は崩壊したか
  税制の柱は所得税か消費税か
  学力低下に対策はあるか
第四章 日本を見直す
  日本文化は世界に通用するか
  日本語は乱れているか
  日本人にとって憲法とは何か
  日本人アスリートが勝つには
  靖国問題とは何か

27人のすごい議論 (文春新書)

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世界金融危機はなぜ起こったか―サブプライム問題から金融資本主義の崩壊へ

2009-01-10 20:14:01 | 本と雑誌

著者の小林正宏さんとは、恐らく会ったことがあるのだろうが、覚えていない。

知人から小林正宏さんが本を出された。しかもよく売れているらしいという話を聞き、私も購入、読んだ。

精読すれば、随分と勉強になるだろう。さっと一度読むだけでは理解できたとは言えない。とは言え、事実を淡々と追う中に、熱い思いもあり、良い本である。

なお、知人から追加の連絡が来た。
丸善「2008あなたのベスト本」ビジネス書部門で2位に入りました。>とのこと。 素晴らしいことである。

目次

序章 リーマン・ブラザーズ破綻の衝撃
    ―世界金融恐慌突入の危機
第1章 サブプライム問題の起源
    ―ITバブル崩壊と余剰マネー
第2章 金融危機の表面化
    ―止まらない信用不安(2007年8月‐2008年3月)
第3章 実体経済へ波及するサブプライム問題
    ―景気失速、原油・食糧急騰へ(2008年3月‐2008年7月)
第4章 世界を震撼させた米住宅公社問題
    ―連鎖する金融危機(2008年7月以降)
第5章 問題の検証
    ―危機の本質はどこにあったのか
終章 世界経済3つの危機
    ―経済・金融システムはどこへ向かうのか

世界金融危機はなぜ起こったか―サブプライム問題から金融資本主義の崩壊へ

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知に働けば蔵が建つ

2009-01-08 07:56:47 | 本と雑誌

内田樹さんがブログに書いたものを、本として整理。

一部議論についていけないところがあるが、大体は頭に入ってくる。

はじめににこうある。
<私が諸君に伝えようとしているのは雑学ではなく、教養である。だが、どうも諸君は「雑学」と「教養」の違いをご存じないようである。>

インターネットを使った検索技術で、雑学的知識へのアクセスは容易になったが、教養は遠のいているのかも知れない。そういう意味で、興味深い本である。

目次

弱者が負け続ける「リスク社会」
記号の罠
武術的思考
問いの立て方を変える
交換の作法

知に働けば蔵が建つ (文春文庫)

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平成経済20年史

2009-01-04 10:38:59 | 本と雑誌

紺谷典子さんは、テレビではよく拝顔するが、著作を読んだことはなかった。

400ページを超えており、新書としては大作だが、分かりやすい言葉で書いてあり、一挙に読める。

「はじめに」に以下のように書かれたことが、詳しく解説される。
<年金改革も医療保険改革jも、保険料の値上げと、年金の削減、医療の自己負担の増加でしかなかった。国民に安心を与えるための社会保障改革は、逆に国民の不安を拡大した。財政危機が実態以上に、大げさに語られてきたからである。しかし、年金や医療の財政危機は、事実ではなかった。
 社会保障の削減はすでに限度を超している。その結果、世界一と評価されたこともある日本の医療は、もはや崩壊寸前である。
 小泉改革の「官から民へ」は行政責任の放棄であり、「中央から地方へ」移行されたのは財政負担だけだった。「郵政民営化」は、保険市場への参入をめざす米国政府の要望である。小泉首相の持論と一致したのは、米国にとっては幸運でも、国民にとっては不運だった。
 改革のたびに国民生活が悪化してきたのは、改革が国民のためのものではなかった証左である。私たちは、そろそろ「改革」とされてきたものを疑ってみるべきではないだろうか。
 サブプライム・ローン問題は、金融改革が幻想だったことを明らかにしている。金融改革だけではない。すべての改革は、「改革幻想」というべきものである。改革幻想から覚めない限り、日本経済は、崩壊への歩みを続けることになろう。>

「第11章外資だけが利益を得た」では、新生銀行を題材に、政府もマスコミも外資をやみくもに礼賛したことの愚が明らかにされる。
次には、日債銀が例として解説される。
<12月、長銀に続き、日債銀も国営化され、外資に懲りたのか、ソフトバンク・オリックス・東京海上などの日本連合に売却され、あおぞら銀行になった。瑕疵担保特約を含めて、長銀とまったく同じ手順が踏まれたのである。日債銀には約4兆9000億円の公的資金が注入され、長銀と同じく10億円で売却された。
 サーベラスなど競合外資がいたにもかかわらず日本連合に売却されたのは、長銀を外資に売却したことを強く批判されたからと言われている。しかし、専門家によると、そもそも欧米では公的資金で再生した銀行を売却する相手は、必ず銀行だそうである。投資ファンドや事業会社に売却する例はないという。
 金融業の専門性を考えれば、当然そうであろう。投資ファンドは、もともと短期的な売却益を上げることが目的だ。まして、事業会社への売却は、機関銀行化の恐れがある。公的役割を担う銀行が、単に、オーナー企業の資金調達窓口になりかねない。
 しかし、ソフトバンクはわずか3年で、競合していたサーベラスに売却、少なくとも500億円の売却益を上げたとされる。
 ソフトバンク保有株の買収には、三井住友銀行も名乗りを挙げたが、結局、米国GEキャピタルなどと外資連合を組んだサーベラスが全株を取得した。結局、サーベラスはあおぞら銀行の6割の株主となり、日債銀もほぼ外資のものとなったのである。>

グローバルスタンダードと称されたアメリカンスタンダードに従った愚を繰り返さぬよう、日本独自の価値観を大事にしながら、世界の中で生き抜いていく方策が必要である。

小泉改革、竹中改革と称されたものは反省され、その改革をすることが必要であろう。改革という言葉が大事なのではなく、どう改革するのか、世界の中で存在感を示せる、どういう日本国を作るのかを創造しなければならない。

紺谷さんは、小渕内閣を評価するが、麻生内閣が小渕内閣のような改革をすすめることを期待したい。

目次

第1章 平成の20年が日本を壊した
第2章 「改革」という名の破壊
第3章 バブル崩壊
第4章 回復のチャンスを潰した
第5章 橋本改革
第6章 橋本改革-見逃された大蔵省の責任
第7章 作られた「財政危機」-大蔵省の嘘
第8章 金融ビッグバン
第9章 拓銀と山一-金融危機①
第10章 「ダメな銀行は潰せ」-金融危機②
第11章 外資だけが利益を得た
第12章 回復なくして改革なし
第13章 小泉改革が始まった
第14章 道路公団の民営化
第15章 意図された金融危機-4大銀行の増資と、りそなの謎
第16章 景気回復の嘘
第17章 格差の拡大と日本的経営の破壊
第18章 年金は本当に危機なのか-社会保障の破壊①
第19章 医療破壊-社会保障の破壊②
第20章 誰のための郵政民営化
最終章 サブプライム・ローン問題の教訓

平成経済20年史 (幻冬舎新書 こ 9-1)

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