東京から大阪に戻る新幹線の中で読んだ。阿刀田さんらしさにはかけると思う。輪廻にこだわっている感じがする一冊である。それでも、ドキッとするような傑作が含まれている。
阿刀田高さんを読むたびに、うまい作家だと思う。旅と不思議な出来事を描き、奇妙な味を出している。初出がJTB出版の「旅」とのことであるが、うまくテーマを持って書けるものである。
リリー・フランキーさんの話題作。身の回りの人も読み、涙が止まらないという方が多い本である。
会社の仲間に貸してもらい読む。リリー・フランキーさんはふとっちょパパより、5歳年下。福岡市に生まれ、社会人となってからは東京生活も長くなったふとっちょパパにとっては、北九州を始めとする地名はなじみがあり、身近な感じがする。しかし、リリー・フランキーさんのその人生は壮絶に見え、ほぼ同じ時代の人間とは思えない。世の中にはこういう方も多いのだろうか。
家族についてあるいは人間関係について、少々冷めたところのあるふとっちょパパには分からない感覚である。従って、涙がでることはない。他方、一部のところでは、そうだという感覚もあり、一気に読み進んだ。
重松清さんは面白いルポルタージュを書く。これもなかなかのできであった。多くの方は、ここに描かれていることについて、共感ないしは同意するのであろうか。
ふとっちょパパ自身は、他人には単身赴任を強要してきたが、自分での経験はなかった。2005.7.1に単身赴任開始、しかし実家の自分の部屋に戻ったので、単身とは言えない生活である。
2006.7.1に大阪に転勤。いよいよ本当の、単身赴任である。しかしながら、単身赴任寮に入ったので、昔の新入社員の時に入った独身寮を思い出すものの、随分と楽である。例えば、クリーニングや郵便、宅配便の受け取りの心配はない。食事の準備もしてくれるので、朝食もきちんととることができる。夕食はどうせ、毎日会社のメンバーと飲むのだから、家族といるときもほとんど家で食べたことはない。
独身寮の時と異なり、共同風呂、共同の洗濯機でないので、そういう意味では、入社後26年が経ち、少しは成長したのかなとも思う。独身寮の時には持っていなかったテレビも、32型の液晶TVを購入した。これは自宅のTVと同じ大きさである。
もともと、家族とべたべたしたコミュニケーションをとるわけでないので、それも困るということもない。
子どもたちが、パソコンの調子が悪いときに、お父さんがいないと困るというくらいである。
とは言え、単身赴任も2ヶ月程が過ぎたばかり。これから、大阪を中心とした関西の名所旧跡などを訪ねてみたいと思っている。
ひとり酒に人恋しさを募らせるの巻
プレイバック・青春!の巻
単身赴任歴十六年、大ベテラン登場の巻
単身赴任エクスプレスの巻
ここはさいはて稚内の巻
男女三人「島」物語の巻
札チョン共和国定例国会の巻
やんちゃな鳶職人、南極へ行くの巻
中国上海的獅子奮迅日本商社戦士の巻
哀愁酒場をはしご酒の巻
ああ、単身赴任の妻たちの巻
浮気か本気か「単身不倫」の巻
表題を見ると読みたくない本であるが、実は面白かった。これくらいで面白かったというのは、ふとっちょパパの頭が如何に固くなっているかであるが、頭を揺さぶられる。
「逆ダイヤルQ2サービスというものを作ってみてはどうだろうか。電話を一分かけるごとに料金を支払うのではなく、電話を一分受けるごとに料金を受け取ることができるというものだ。これがテレマーケティングをどのように変えるかを考えてもらいたい。」という指摘がまえがきにある。これを読んだだけで頭が揺さぶられた。以下、自分でも一つや二つは考えてみたことはあるが、思いつきであったことを、4つの思考道具箱で、体系的に沢山のアイディアが抽出される。
Why Not?が原題である。あってもいいじゃない、という原題の方がイメージがわく。でも、日本では売れないのだろう。エール大学式○○よりもいいと思うけれどね。
1.考えるテクニック
2.いいアイデアの見つけ方
問題から解決策を探す
3.何でもできるなら、どう解決する?―思考道具箱(1)大富豪になって考えてみよう
4.他人の痛みを感じるべきじゃないか?―思考道具箱(2)同じ目的を目指すように動機づけする
解決策から問題を探す
5.ほかのことにも転用できないか?―思考道具箱(3)アイデアを活用できる場を探す
6.逆転したら、うまくいくだろうか?―思考道具箱(4)正反対のことを考えてみる
目的にあわせて問題を解決する
7.ムダなアイデアをふるいにかける―公理的問題解決アプローチ
8.新規参入で成功するコツ―「あってもいいじゃない」ビジネスの実例
9.「あってもいい」がすべてを変える―政治・社会改革に転用してみよう
10.「あってもいいじゃない」を実行する
阿刀田高さんは、好きな作家ですべての作品を読もうと思っている。名人阿刀田さんが、どのように「ことば遊び」を料理するのか楽しみであった。
作品そのものを楽しもうとする気に、ふとっちょパパがなっていなかったので、もう一つ楽しめなかった。
しかし、日本語の伝統に対する阿刀田さんの思いが伝わってくる。
斎藤美奈子さんは「冠婚葬祭のひみつ」を読んだのが初めてである。その時に、なかなか面白いことを書く人だなと思った。しかし、実は、斎藤澪奈子さんとの区別がついておらず、「超一流主義
」とは随分と違うイメージだなと思っていたのが本当のところである。なんと恥ずかしい間違いだろう。
「あほらし屋の鐘が鳴る」は、大学3年生になる長女が買って欲しいというので購入した本である。この本を読み、同年代の斎藤美奈子さんの言葉が厳しくおじさんを叩くのを知った。その厳しさは「あほらし屋の鐘」というやわらかさ、おおらかさをもっているが。
おじさんマインドの研究
ハードボイルドな彼(1996年春夏)
おやじ慰撫史観(1996年秋冬)
失楽園な時代(1997年春夏)
もののけの季節(1997年秋冬)
ダディの復権(1998年春夏)
バイアグラの波紋(1998年秋冬)
Pinkの休刊(1999年春)
女性誌探検隊
ファッション誌編
ライフスタイル誌編
専門情報誌編
雑誌は変わる編
表題を読み、ハイテクに命を吹き込むのがハイタッチくらいの本かなと思いながら、購入。
そんなレベルではない本であった。
マーケティングを説きながら、人生哲学を語っている。マーケティングが人生そのものであると感じる一冊である。36年のビジネス人生を、有意義にしかも大病という苦難も与えられて、乗り越えてきた権八成樹さんならではの一冊となっている。
多くの方に一読を薦めたい一冊である。
久しぶりに阿刀田高さんの本を読む。ずいぶん前に買っていたのだが、積読になっていた。
明治23年に来日、明治29年に帰化し日本国籍を取得したラフカディオ・ハーン。「耳なし芳一」などの名作で名高い。小泉八雲(=ラフカディオ・ハーン)をめぐる物語と現実が交錯する物語であり、悲恋物語である。
表題に惹かれて買う。確かにタイトルどおりの本であるが、それではどうするのかは書いていない。有料で営業用のパンフレットを読んだ気になるのがむなしい。根性論ではだめだなどの基本的な考え方が合うので、それが救いになる。