ふとっちょパパの気ままな日記

読書履歴を中心に日々の記録を書きます

人びとのかたち

2007-12-31 23:53:25 | 本と雑誌

私が好きな作家の方々、池波正太郎、山本夏彦、米原万里、日垣隆を始め、皆さん映画が好きでいらっしゃる。

最近、その著作にはまっている塩野七生さんも映画をこよなく愛していらっしゃる。

川本三郎さんの解説がよい。恋愛映画、戦争映画という切り口で整理するとともに、<小さなことに気がついた。名誉や品位、あるいは威厳といったものを賞賛している文章が多いのだ。>とおっしゃる。まさにそのとおり。

この本は、平成7年1月に新潮社から出版され、平成9年11月に新潮文庫として出版されている。このブログを書いている平成19年(2007年)は品格ばやりの年であったが、本当の品格は塩野さんが描かれるものの中にあると感ずる。

人びとのかたち (新潮文庫)

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イタリアからの手紙

2007-12-30 09:38:41 | 本と雑誌

塩野七生さんの描くイタリアは美しい。現代(著者がそのエッセイを書いた時代)に古代、中世が折り重なり、現代が理解できる。

社会、人に対する細やかな洞察力がある著者ならではの、豊かな人生を持つ人の味わいが描かれる一冊である。これらを恐らくは30代前半で書くというのは、素晴らしい筆力である。

イタリアからの手紙 (新潮文庫)

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イタリア遺聞

2007-12-29 18:20:14 | 本と雑誌

豊富な歴史的な知識、首尾一貫した論理に裏打ちされ、しかもエスプリが利いた塩野七生さんのエッセイは、素晴らしい。

イタリア遺聞 (新潮文庫)

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サイレント・マイノリティ

2007-12-25 07:56:26 | 本と雑誌

塩野七生さんに戻ってきた。どのエッセイも興味深い。中でも、森鴎外を題材とした「歴史そのものと歴史ばなれ」は、塩野さんの執筆の基本姿勢を描くものとして白眉である。

サイレント・マイノリティ (新潮文庫)

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元気と知恵の経営 一柳良雄のビジネス進化論

2007-12-24 23:27:00 | 本と雑誌

一柳良雄さんは、不思議な魅力がある方である。お話を聞くと面白い。

ラジオ対談も含め、一柳節を思い浮かべながら読むと、元気が出てくる。

目次

第1部 一柳良雄の経営論・体験論
第2部 一柳良雄の経営論・各論
第3部 ラジオ対談

元気と知恵の経営 一柳良雄のビジネス進化論

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うつ病―まだ語られていない真実

2007-12-23 23:20:09 | 本と雑誌

うつ病は広く知られるようになった病気であり、身近にも感ずることが多い病気である。他方、何でもうつ病というような扱いをするため、回りの人も混乱することがある場合も多いように思う。

「おわりに」で、著書の岩波明先生はこういう。
<まず、第一に、うつ病を手軽な病気と考えてはならないということである。うつ病の認知度が世間一般に広まるにつれ、うつ病は「心のかぜ」と呼ばれるようになり、治療を受ければ簡単に治るものという印象が持たれるようになってきている。
 しかし、うつ病をくみしやすい病気とみなすことは大きな誤りである。本書に示したように、うつ病は容易に死を招く病気であり、自殺や心中(拡大自殺)にまでいたってしまうこともまれではない。>

こういう問題意識で書かれた本であるので、「心のかぜ」レベルの捉え方には厳しい見方をする。

他方、「心のかぜ」レベルのものに対しどう対応すべきかというのは、この本では明らかにならない。

目次

序 章 うつ病の刻印 -ヘミングウェイ、最後の日々
第1章 死を招く病気
第2章 うつ病の薬物療法
第3章 気分変調症(ディスサイミア)
第4章 うつ病は増えている
第5章 抗うつ薬は危険か?
第6章 自殺者の国
おわりに

うつ病―まだ語られていない真実 (ちくま新書 690)

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メタボの罠―「病人」にされる健康な人々

2007-12-21 23:38:30 | 本と雑誌

メタボであるふとっちょパパとしては、気になる本。

前半の書き方は、扇動的。

後半は落ち着いた筆致で、常識的なことが書いてある。ここの部分は信頼できる。

目次

はじめに
第1章 メタボリックシンドロームという嘘
第2章 産官学の癒着が生んだメタボ撲滅運動
第3章 「ちょいメタ」が最も長生き
第4章 捏造されたウェスト周囲径
第5章 高血圧より降圧治療が危険
第6章 コレステロールは大切な脂質
第7章 やせていても糖尿病になる
第8章 自分の体は自分で守ろう
あとがき

メタボの罠―「病人」にされる健康な人々 (角川SSC新書 2)

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マキアヴェッリ語録

2007-12-19 21:55:32 | 本と雑誌

マキアヴェッリは有名であるが、読んだことがない。

塩野さんを通じて読むこととなった。原本にも当たる必要を感じる。

目次

第1部 君主篇
第2部 国家篇
第3部 人間篇

マキアヴェッリ語録 (新潮文庫)

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レパントの海戦

2007-12-18 07:51:02 | 本と雑誌

コンスタンティノープルの陥落」「ロードス島攻防記」に続く三部作の最後を飾る一冊。

1571年、西欧連合艦隊は、無敵トルコをついに破る。

コンスタンティノープル、ロードスと続くキリスト教側の敗戦があっての、レパントの海戦である。レパントの海戦前後を描き、勝利がヴェネツィアの72年間の平和をもたらしたことを含めさまざまな影響を与えたことを記す。

レパントの海戦 (新潮文庫)

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ロードス島攻防記

2007-12-16 09:55:34 | 本と雑誌

キリスト教世界の最前線に位置するロードス島は、イスラム世界から見ると喉元のトゲである。1522年スレイマン一世は、自ら陣頭指揮をとり、大軍で、聖ヨハネ騎士団が守るロードス島を攻める。

五ヶ月に渡る攻防を、その前後から登場人物を描くことによりビビッドに記す。

ここでも、名も無く虫けらのように死ぬことを強要された人々は哀れである。恐らく宗教の力で殉教して死んだと思い込んでいるのだろう。登場人物が詳細に描かれるだけにそれ以外の人々が気になる。

目次

第1章 薔薇の花咲く古の島
第2章 聖ヨハネ騎士団の歴史
第3章 「キリストの蛇たちの巣」
第4章 開戦前夜
第5章 1522年・夏
第6章 1522年・冬
 エピローグ

ロードス島攻防記 (新潮文庫)

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コンスタンティノープルの陥落

2007-12-14 07:31:25 | 本と雑誌

15世紀後半のコンスタンティノープル。マホメッド二世率いるイスラム世界とコンスタンティアヌス皇帝率いるキリスト教世界が東ローマ帝国の首都として一千年余りも栄えたコンスタンティノープルを巡る攻防を行う。

名も無く、また虫けらのように死を強要されるものもいるが、歴史に名を残す人もいる。歴史に名を残す人々の動きを丹念に描きながら、1453年のコンスタンティノープルの陥落を生き生きと記す。

目次

第1章 二人の主人公
        コンスタンティノープルの都
        スルタン・マホメッド二世
第2章 現場証人たち
第3章 人みな、コンスタンティノープルへ
第4章 攻防はじまる
第5章 海戦の勝利
第6章 金角湾喪失
第7章 最後の努力
第8章 崩れゆき人々
第9章 コンスタンティノープル最後の日
第10章 エピローグ

コンスタンティノープルの陥落 (新潮文庫)

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チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷

2007-12-10 07:58:31 | 本と雑誌

以前より気になっていた題名の本であるが読んでいなかった。前回の「愛の年代記」とは違って、「ローマ人の物語」により近い内容である。

チェーザレ・ボルジアは興味深い人間であるが、近くに居たいとは思わない。私は、恐らく、この時代には生きていけないのであるが、実は、現代もそう変わってはいないのだろう。社会の枠組みが変わっているだけである。

目次

第1部 緋 衣
第2部 剣
第3部 流星

チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷

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新聞記者 夏目漱石

2007-12-08 19:20:25 | 本と雑誌

義母にいただいた本。江戸東京博物館で行われていた「文豪・夏目漱石-そのこころとまなざし-」にいらっしゃたとのこと。

新聞記者 夏目漱石に関してまとめて勉強できる。興味深いし、読んでいて痛快なところも感じる本である。

目次

序章 漱石争奪戦
第1章 明治期の新聞事情
第2章 朝日新聞入社
第3章 朝日文芸欄
第4章 新聞記者夏目漱石
終章 それぞれのそれから

新聞記者 夏目漱石 (平凡社新書)

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愛の年代記

2007-12-06 00:29:39 | 本と雑誌

「ローマ人の物語」の文庫本で出たものは31巻まで読んだ。当面新しい文庫は出ないようなので、新潮文庫の塩野七生さんの作品を全て読むこととする。

中世の恋の物語。最初にこれを読んだら、このような作品を書く人が、「ローマ人の物語」を書いた人と同じだとは思わなかったかもしれないが、「ローマ人の物語」を先に読むと、作家となった最初から素晴らしい構想力、文章力であったのがよく分かる。

目次

大公妃ビアンカ・カペッロの回想録
ジュリア・デリ・アルビツィの話
エメラルド色の海
パリシーナ侯爵夫人の恋
ドン・ジュリオの悲劇
パンドルフォの冒険
フィリッポ伯の復讐
ヴェネツィアの女
女法王ジョヴァンナ

愛の年代記

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おとな二人の午後

2007-12-03 23:16:51 | 本と雑誌

五木寛之さんと塩野七生さんの素敵な、知的な対談。

表題のとおり、おとなの対談である。私にはできない。

目次

ローマからの故国の眺め
おしゃれは悪魔の誘い
物語のあるイタリアの靴に惚れる
古い物の背後にさす物語の輝き
古代『ローマの休日』を歩く
政治も教育もセクシーでなければ
超常識的健康法のすすめ
いま“寛容”の時代がやってきた
ワインと車と、色のいろいろ
アートを最高に楽しむコツ
私たちにとって宗教とはなにか
セクシーな文体と時代の微妙な関係
貧しかったが尊敬されていたこの国
「スペンデレベーネ」したあとの静かな死
東京での再会「異邦人対談」番外篇

おとな二人の午後 (角川文庫)

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