著者のジリアン・テットは、ファイナンシャルタイムズ紙アメリカ版編集長。
元文化人類学者という異色の経歴を持つ。
とても興味深い本である。
サイロ(たこつぼ)という分かりやすいキーワードで問題を抉り出す。
我々も持っているサイロ。
そうならないようにしなければならない。
目次
序章 ブルームバーグ市長の特命事項
第1章 人類学はサイロをあぶり出す
第2章 ソニーのたこつぼ
第3章 UBSはなぜ危機を理解できなかったのか?
第4章 経済学者たちはなぜ間違えたのか?
第5章 殺人予報地図の作成
第6章 フェイスブックがソニーにならなかった理由
第7章 病院の専門を廃止する
第8章 サイロを利用して儲ける
終章 点と点をつなげる
日立の社長、会長を歴任し、沈みかけた日立を再生させた立役者として有名な方である。
改めて読んでみて、なかなかできることではないと思う。
もっとも「異端児たちの決断 日立製作所 川村改革の2000日
いつまでもお元気なことに感心する。
目次
序 章 100年企業の改革
第1章 日立の経営改革
第2章 痛みを伴う改革の実践──私の経営論
第3章 受け継いだもの
第4章 私と日立
第5章 よい人生とは
『女工哀史 (岩波文庫 青 135-1)
10歳で紡績女工になり、労働運動を通じて和喜蔵に出会い、自らの体験を伝え、事実上の共作者として夫の執筆を支えた。
第2次世界大戦を挟んだ貧しさのなか、ヤミ屋や日雇い労働で5人の子を育てながら、社会保障を求めて闘いつづけた人生である。
女工哀史は、大正時代の紡績産業を支えた女工の過酷な労働条件を告発した本として読んだことがあるが、その妻(事実婚)のとしをさんが1983年(昭和58年)まで生きていらっしゃって、福祉を求めて闘い続けていたとは全く知らなかった。
2016年の今でもブラック企業というのはあり、私が知る会社では想像もできない労働条件のところもあるようだ。
高井としをさんのように、学ぶことを知り、戦前の警察を経験した著者ならではの度胸を持つ人材がいれば、ブラック企業の労働条件も改善されるのだが・・・。
貧しければ学べないのも仕方ないという風潮を作ると、そのような環境の中からは人材は生まれてこないと思う。
目次
1 『女工哀史』日記
2 ヤミ屋日記
3 ニコヨン日記
水野和夫先生と榊原英資先生の本。
次の時代を考えるための本。
経済の成長と、自分が所属している企業の成長は一致するのか。
こういう視点で考えてみるとどうなるのだろうか。
目次
第1部 資本主義がいま、終わろうとしている 水野 和夫
第1章 近代の秋…近代という幻影
第2章 すべては一九七一年から始まった
第3章 二一世紀の新中世主義…「資本主義」後の世界はどうなるのか
第2部 パラダイム・シフトを迎えた世界経済、日本経済を読む 榊原 英資
第1章 先進国が突入した低成長、格差拡大の時代
第2章 フロンティアの消失で曲り角を迎えた近代資本主義
第3章 「成熟」先進国・日本がもつ大きな可能性
第3部 資本主義はどこに向かうのか 榊原英資×水野和夫
第1章 日本、アメリカ、中国、欧州…世界経済は今後どうなる
第2章 時代遅れとなった「成長戦略」
佐々淳行さんの本はどれも興味深い。
この本もインテリジェンスの重要性を伝えてくれる。
ところで、第6章でスパイ本を随分と紹介しているが、どうしてオープンになるのだろうか。
色々な職業で守秘義務はあると思う。
墓場まで秘密を持って行かないのが不思議である。
他方、オープンになった情報が正しいのかも不明ではあるが、学ばないのも、不勉強だとは思う。
目次
はじめに 私とスパイたちとの関わりを書く
第1章 父弘雄とスパイゾルゲはいかに関係したか
第2章 スパイ・キャッチャーだった私
第3章 日本の外事警察を創る
第4章 彼は二重スパイだったのか?
第5章 ハニー・トラップの実際
第6章 私を通りすぎた「スパイ本」たち
おわりに 一九六三年の危惧
著者の江上剛さんは旧第一勧業銀行に入行された方。
銀行は大変だなという話が多く、身の回りでは聞かない話が多い。
それでも、会社という病で共通なものもある。
若い人が会社がこんなものだと思うとするならば、間違いではある。
目次
1 人事という病
2 出世という病
3 派閥という病
4 上司という病
5 左遷という病
6 会議という病
7 残業という病
8 現場無視という病
9 就活という病
10 定年という病
11 広報不在という病
12 成果主義という病
13 根回しという病
14 社長という病
15 部課長という病
16 ハラスメントという病
17 取締役という病
18 同期という病
19 創業者という病
20 先輩という病
21 営業という病
22 経営企画という病
23 査定という病
24 数字という病
25 給料という病
26 新規事業という病
23 経理という病
27 ボーナスという病
28 経理という病
27 計画値という病
有森 隆さんは経済ジャーナリスト。
権力抗争がある会社は大変だと思う。
自分の身の回りでは全く感じないが、どうなのだろうか。
サラリーマン経営者が、私するというのが分からない。
不思議である。
目次
第1章 トヨタ――名門企業経営権争奪の裏面史
第2章 関西電力――長期独裁政権転覆のクーデター
第3章 住友銀行――儲けのためにはなんでもやる剛腕会長の馘首
第4章 フジサンケイグループ――同族支配のグループ総帥を永久追放
第5章 新日鐵――合併後の主導権争いで相討ち
第6章 日産――会社を牛耳る労組のボスとの死闘
第7章 神戸製鋼――闇勢力を招き入れた内紛
第8章 JR――国営企業解体に乗じた権力奪取
第9章 帝国ホテル――名門ホテルの怨念に蝟集する闇紳士
第10章 東芝――歴代トップの醜悪な抗争が企業を衰退させる