この本で、メルケルという人を初めて知った気がする。
ウクライナにロシアが攻め込んだ現代に、メルケルがドイツの代表として活動するならば、どういう変化が起きるだろうかと考えさせられる。
2014年のクリミア侵攻の時のメルケルの八面六臂の活躍がビビッドに描かれる。
著者のカティ・マートンさんに筆致は抑制されたものであり、信頼に足る。
現代にメルケルさんに活躍して欲しいというのは無い物ねだりだが、こんな活躍ができる人はいない。
目次
プロローグ 牧師の娘に生まれて
第1章 秘密警察の共産主義国・東独で育つ
第2章 物理学科の優秀過ぎる女子大生
第3章 東独トップの科学アカデミーへ――袋小路の人生
第4章 ベルリンの壁崩壊――35歳で政治家へ転身
第5章 コール首相の“お嬢さん”と呼ばれて
第6章 初の女性首相へ登りつめる
第7章 ブッシュ大統領と親交を結ぶ
第8章 プーチン、習近平――独裁者と付き合う方法
第9章 ベールに包まれた私生活
第10章 オバマ――条件付きのパートナー
第11章 緊縮の女王――ユーロ危機と経済大国ドイツの責務
第12章 民主主義の守護女神――ウクライナを巡る攻防
第13章 難民少女へ見せた涙
第14章 2016年、最悪の年――英国のEU離脱
第15章 トランプ登場――メルケルは“猛獣使い”になれるか
第16章 ドイツにもついにポピュリズムの波が
第17章 ラスト・ダンスはマクロンと
第18章 コロナとの死闘
エピローグ 世界最大の権力を持つ女性、その素顔と遺産とは