安岡正篤先生は有名だが、直接読んだことが無かった。
本書は昭和4年刊の「東洋倫理概論」を底本としている。
第2次世界大戦前の本であり、古い感じはする。
本書は、早年、中年、晩年の倫理について書いたものであり、古い感じはぬぐえないが、戦前の倫理の一端は分かる。
本書は、東洋の古くからの倫理を解説したものであり、古いから駄目だということではない。
西洋の倫理だって、アリストテレス、プラトンは古いから駄目だということにはならない。
読む側の倫理が磨かれていないと、大事なもの、捨て去るべきものの区別がつかないと感じた。
目次
第1編 志尚―早年の倫理
第1章 孝悌
第2章 師友に対する敬愛
第3章 英雄哲人に対する私淑
第4章 恋愛
第5章 至尊および社稷に対する忠愛
余 論 学問
第2編 敬義―中年の倫理
第1章 家庭生活
第2章 社会生活
第3章 独の生活
第2編 立命―晩年の倫理
第1章 境遇の自得
第2章 生死の覚悟
第3章 報謝の生活