ふとっちょパパの気ままな日記

読書履歴を中心に日々の記録を書きます

米原万里を語る

2010-09-28 06:58:26 | 本と雑誌

米原万里さんは、好きな作家であった。
2006年5月に亡くなって、もう新しい作品を読めないのは残念だと思っている。
2009年5月に没後3周年記念出版として本書は発行された。
実妹井上ゆり、色々な関係で義兄弟といえる小森陽一、井上ひさし、吉岡忍、金平茂紀の各氏による対談や講演をまとめたものである。
米原万里さんのことを理解するために興味深い本となっている。

目次

まえがき 米原万里の兄弟たち
第1章 細心、慎重、大胆、極端―ふしぎな個性
第2章 日本人ばなれした発想の持ち主
第3章 爽やかな毒舌の人
第4章 怒りと笑いの異邦人
あとがき 米原万里をどう読み継ぐか

米原万里を語る

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喧嘩両成敗の誕生

2010-09-27 06:54:46 | 本と雑誌

喧嘩両成敗というのは、子どもの頃からよく聞いた言葉である。
その、喧嘩両成敗の成立をその前史を踏まえながら解き明かす。
著者の清水克行さんは、明治大学の先生であり、日本中世社会史が専門。
中世の日本人はキレやすかったことが、示されており、このような日本人が外国との外交交渉をするとどうなっただろうかと思う。
また、喧嘩両成敗という考え方がでても、その運用実態はできればそれを避けようとしていたというのも興味深かった。

目次

プロローグ―現代に生きる喧嘩両成敗法
第1章 室町人の面目
第2章 復讐の正当性
第3章 室町社会の個と集団
第4章 室町のオキテ―失脚者の末路をめぐる法慣習
第5章 喧嘩両成敗のルーツをさぐる―室町人の衡平感覚と相殺主義
第6章 復讐の衝動―もうひとつの紛争解決策
第7章 自力救済から裁判へ―喧嘩両成敗の行方
エピローグ―「柔和で穏やかな日本人」?

喧嘩両成敗の誕生 (講談社選書メチエ)

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ガラパゴスでいいじゃない

2010-09-26 09:27:08 | 本と雑誌

ガラパゴス化に対する批判は多いが、どうも違和感があった。
岡康道さんと小田嶋隆さんの対談は、なかなか切れがよく、興味深い。
なお、表題に直接関係する言説は少ないが、人生全般に対する対談の中で色々な話題に触れる中に答えがあるような気がする。

お二人が、小石川高校の同級生だったとは、興味深いことである。
内田樹さんと平川克美さんも同級生で本も出しているが、同級生で青少年の時代から刺激をし合っているのは素晴らしい。
自分自身を考えると、自分の成長も無かったし、他の人にも影響を与えなかったな。

目次

第1回 アメリカ人に勝つためには、どうしたらいいでしょう?―「リアル」と「訴訟」と「いじめ」と
第2回 「才能」とは何のことでしょうか?―「オバマ」と「モラール」と「嫉妬心」と
第3回 自分の中の女々しさと、どう折り合えばいいですか?―「ナンパ」と「終電」と「よき敗者」と
第4回 男だったら、天下国家を語れるべき?―「ゴッドファーザー」と「おじさん」と「おばさん」と
第5回 ニートにならないか、不安でたまりません―「バイト」と「蟹工船」と「成り上がり」と
第6回 面白くない仕事には、どう取り組めばいいですか?―「バックギャモン」と「腎臓破裂」と「文案」と
番外編その1 内田樹×小田嶋隆―マンボをやめない人が、案外でっかいことをやる
第7回 仲間から喝采を受けるには、どうしたらいいですか?―「孤独」と「スネ夫」と「民主党」と
第8回 クールに振る舞うと、日本では浮いてしまうのは、なぜですか?―「横浜ベイスターズ」と「バルチック艦隊」と「年俸調停」と
番外編その2 高木豊×岡康道―息子の「才能を見つける」か、「才能がない人生の愛し方」を教えるか?
第9回 自意識と実年齢がうまく重なりません―「アドレナリン」と「鏡」と「頭頂部」と
第10回 努力で幸せになれますか?―「ザビエル型」と「シティホテル」と「冷静」と

ガラパゴスでいいじゃない

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ジミーの誕生日 アメリカが天皇明仁に刻んだ「死の暗号」

2010-09-23 10:01:50 | 本と雑誌

猪瀬直樹さんの本は興味深いと思い、購入。
この本については、事実の提示があるが、著者の主張が明確に出ているわけではないので、執筆意図が分からない。
著者に言わせれば、読み取れない人がダメだということだろうが。

目次

 プロローグ  
第一章 子爵夫人
第二章 奥日光の暗雲
第三章 アメリカ人
第四章 天皇の密約
第五章 四月二十九日の誕生日
第六章 退位せず
終 章 十二月二十三日の十字架
参考文献

ジミーの誕生日 アメリカが天皇明仁に刻んだ「死の暗号」

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街場のメディア論

2010-09-21 19:48:58 | 本と雑誌

内田樹先生が、メディアを切る。
切れ味がよく、興味深い。

読書を贈与経済で説明しようというのも面白い視点であり、啓発される。

目次

第一講 キャリアは他人のためのもの
第二講 マスメディアの嘘と演技
第三講 メディアと「クレイマー」
第四講 「正義」の暴走
第五講 メディアと「変えないほうがよいもの」
第六講 読者はどこにいるのか
第七講 贈与経済と読書
第八講 わけのわからない未来へ

街場のメディア論 (光文社新書)

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小惑星探査機 はやぶさの大冒険

2010-09-20 09:13:20 | 本と雑誌

「はやぶさ」が地球に戻ってきたのは、2010年6月13日。
「星の王子さまに会いに行きませんか」ミリオンキャンペーンに参加し、家族と私の母と女房の母の名前を刻んでもらってから7年が経つ。
MUSES-Cとして打ち上げられたのは、2003年5月9日。打ち上げ成功後に愛称が「はやぶさ」となった。
2005年11月20日にターゲットマーカーに88万人の名前とともにイトカワに到達して以来、気にはしていたが大体忘れていて、久しぶりにはやぶさが注目を集めた日であった。

山根一眞さんは、丹念に「はやぶさ」の冒険を描き出す。
その苦難に立ち向かう関係者の姿は素晴らしい。

勇気を与えてくれるものである。

目次

1章 「はやぶさ」の旅立ち
2章 3億キロ彼方へ
3章 地球に戻ってきた日
4章 88万人の同行者
5章 女神の海をめざせ
6章 「イトカワ」へようこそ
7章 4時間だけの歓声
8章 行方不明の冬
9章 そうまでして君は
10章 大星空から「さようなら」
11章 おかえりなさい

小惑星探査機 はやぶさの大冒険

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オッサンになる人、ならない人

2010-09-19 09:34:48 | 本と雑誌

富増章成さんという方は知らなかったが、駿台予備校倫理講師とのことであり、難解な哲学や歴史を分かりやすく説明するとのこと。
古今東西の哲学者の考え方や言葉を紹介しつつ、オッサン化の現象と対策を書く。
それにしても、私自身がオッサン化している。
最初の症状は、<「あれ」とか「それ」とかが多くなる>と書いてあるが、正にそのとおり。
最近は、あまりテレビを見ないので、最近の歌やドラマは分からない。
これも症状の一つである。
なかなか面白い本であった。

目次

第1章 オッサンの兆候―こうなってきたら要注意
第2章 オッサンの様々な周期―気分の浮き沈みをコントロールせよ
第3章 オッサンの驚くべき法則―これを知れば自分を変えられる
第4章 オッサンのどん詰まりと憂うつ―いかにして迷路かも脱出するか
第5章 オッサンの老化現象―最近、歳をとってきたと思いはじめるとき
第6章 オッサンの明るい未来―こんな性格とはおさらばだ

オッサンになる人、ならない人 (PHP新書)

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「課題先進国」日本―キャッチアップからフロントランナーへ

2010-09-17 17:13:40 | 本と雑誌

小宮山宏先生による一冊。
気宇壮大な本であり、やる気を持って取り組むべきだと思わせる。
我々にできることもあるだろう。
それを考えたい。

目次

第1章 日本の現状
 1 課題山積
 2 エネルギーと環境からみた日本の位置
 3 課題克服の日本史
 4 キャッチアップは過去の物語
 5 ゼロからの課題解決を図る
 6 時代をリードする覚悟
 7 課題先進国成功への条件
第2章 二十一世紀の環境とエネルギーのビジョン
 1 「ビジョン2050」
 2 次世代のエネルギー資源
 3 省エネルギー
 4 理論の意義
 5 環境と資源に関するトータルビジョン
第3章 課題解決ビジョンを具体例で考える
 1 知の膨張が全体像を隠した
 2 知を目的に向けて統合する
 3 アジア型エコハウスへの挑戦
 4 高齢化社会の医療システム
 5 教育を考える
 6 二十一世紀の大学モデル
第4章 目指すべき国家像
 1 日本は地球の未来像を内包している
 2 日本の世界史的役割
 3 醸成すべき風土
 4 先頭に立つ勇気

「課題先進国」日本―キャッチアップからフロントランナーへ

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おじさんはなぜ時代小説が好きか

2010-09-17 07:08:00 | 本と雑誌

関川夏央さんの名前は知っているし、雑誌等で読んだことはあるが、本として読むのは初めてであった。
さらには、本書で紹介されている作家、及びその作品の名前は分かるが、時代小説に限らず小説をあまり読まないので、ほとんど読んだことがない作品ばかりである。
作家の生まれ育った背景から、作家と作品を紹介するのでとてもきょうみふかいほんとなっているし、小説も読んでみようかなという気にさせる。

なお、表題は、「時代好きのおじさん、時代小説を語る」「おじさんは、時代小説が好きになる」くらいの方が、内容とは一致する気がする。

目次

第1章 「小僧」は神様を信じない―山本周五郎
第2章 吉川英治の『宮本武蔵』と「修養主義」
第3章 「戦後」を問いつづけた司馬遼太郎
第4章 「海坂藩」の原風景―藤沢周平
第5章 山田風太郎―その教養と奇想
第6章 「侠客」その孤影と集団の両像―長谷川伸、村上元三など
第7章 「おじさん」はなぜ時代小説が好きか―森鴎外ほか

おじさんはなぜ時代小説が好きか (集英社文庫)

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もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

2010-09-14 05:54:03 | 本と雑誌

会社でも話題の本である。
岩崎夏海さんは放送作家をしていたこともある方。
私の担当の仕事をこう綺麗に整理できたらうれしいと思うし、ドラッカーを改めて読んでみたくなる。

こういう本を読んでいて、いつも思うのだが、実践することが大事だな。

目次

第一章 みなみは『マネジメント』と出会った
第二章 みなみは野球部のマネジメントに取り組んだ
第三章 みなみはマーケティングに取り組んだ
第四章 みなみは専門家の通訳になろうとした
第五章 みなみは人の強みを生かそうとした
第六章 みなみはイノベーションに取り組んだ
第七章 みなみは人事の問題に取り組んだ
第八章 みなみは真摯さとは何かを考えた

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら

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日本の未来、ほんとは明るい!

2010-09-13 23:57:31 | 本と雑誌

三橋貴明さんは、2チャンネルで有名になった方とのこと。
知らなかった。
データを根拠にして、ぐんぐんと迫ってくる。
国の借金の話など興味深いが、三橋さんの言い方だと財政の規律はなくなりそうだ。
そんなに楽観的では危ないだろう。

目次

第1章 日本が嫌いな人は出て行きなさい
第2章 日本経済が破綻することは絶対にない
第3章 民主党の政策は間違いだらけ
第4章 日本の未来にあるのは繁栄である

日本の未来、ほんとは明るい! (WAC BUNKO)

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だれかを犠牲にする経済は、もういらない

2010-09-12 07:44:28 | 本と雑誌

原丈人さんと金児昭さんの対談を軸とした本。
お二人の育ち、考えの基本は、幾つかの対談の中に、編集部が聞いているので、よく分かる。
原丈人さんは、実業家であるが、近年著作を出版、注目される人物である。
金児昭さんは、長らく信越化学工業に勤務され、経理・財務のプロとして著名な方であり、私もその著書を数冊読んでいる。
新しい資本主義、「公益資本主義」を提唱されており、興味深い。

目次

第1章 世界中に犠牲者を生み出す現在の経済システム
○マネーゲームはなくならず、経済危機は収まらない
○多くの人の犠牲の上で一部の人だけが儲けているアメリカ
○資本主義の仕組みそのものを変えなければならない   

第2章 「経済」をまっとうな人びとの手に取り戻すために
○「新しい資本主義」をバングラデシュで実践
○世界最先端技術でザンビアに輸出産業を興す
○「一円の利益」をあげることがいかに大切で難しいか
○「儲けること」だけが暴走したのはなぜか   

第3章 何でも自分の頭で考え抜く----原丈人の原点
○考古学との運命的な出会い
○エルサルバドルと関わってビジネスの本質を知った
○思っていたのとは違ったアメリカのビジネススクール
○考古学のために事業を始めた
○小さいころから私を信じてくれた両親
○共産主義を自分で見に行った   

第4章 出たとこ勝負で道は開ける----金児昭の原点
○出たとこ勝負で目の前のことを一生懸命やる
○すごい社長は率先垂範
○できすぎる先輩のマネはしない
○ペコペコ哲学で自分を徹底的にかわいがる
○戦争と貧乏と長兄の「約束」   

第5章 日本が進むべき道
○何でも欧米の真似をするというのは良くない
○排出権取引はサブプライムローン以上の問題を起こす
○雰囲気に流されず、地道にコツコツが大事
○日本人が世界で伍していくために必要なこと
○ITの次の時代は日本がつくる
○日本人は公益資本主義を理解できる
○日本には素晴らしい経営者がたくさんいた

だれかを犠牲にする経済は、もういらない

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日本という「価値」

2010-09-09 00:26:12 | 本と雑誌

佐伯啓思先生の本はいつも気になる。
各種雑誌に掲載された論文の論文集であるが、一般向けの雑誌に書かれたものにも関わらず私には難しかった。
当方の思想的立場が明確でないので、論理展開を追えないのだろう。
50も過ぎて、論理が追えないというのも困ったものである。

目次

序 章 岐路に立つ日本

第1部 「経済危機」から何を学ぶのか
 第1章 「現代の危機」の本質
 第2章 金融危機の深層
 第3章 マルクスは甦るのか?
 第4章 グローバル資本主義の帰結 
 第5章 「脱成長経済」への道

第2部 陥没する日本政治
 第6章 「国民のための政治」という幻想
 第7章 「無・意味化」する民主主義
 第8章 保守政治の崩壊から再生へ
 第9章 今、保守は何を考えるべきなのか

第3部 日本という「価値」へ
 第10章 「偽の国」から「義の国」へ
 第11章 「アジア的価値」は存在するか
 第12章 近代主義の堕落と「魂の復興」
 第13章 空洞の「戦後」と歴史観の不在
 第14章 「ニヒリズム」という病に覆われる世界

日本という「価値」

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