三神万里子さんは、統計データを交えながら、正面からどんどん攻めてくる。非常に厳しい指摘だが、正しいように思う。
後半部分の「逆襲」「これからやるべきこと」は、知識サービス業、蜘蛛の巣など著者が前提としているところが、よく理解できないところもあるが、社会の構成員それぞれが自立独立をすべきだと言っているところは、首肯できる。勇気が出る本だと思う。
パラサイト・ミドルの衝撃 サラリーマン、45歳の憂鬱三神万里子さんは、統計データを交えながら、正面からどんどん攻めてくる。非常に厳しい指摘だが、正しいように思う。
後半部分の「逆襲」「これからやるべきこと」は、知識サービス業、蜘蛛の巣など著者が前提としているところが、よく理解できないところもあるが、社会の構成員それぞれが自立独立をすべきだと言っているところは、首肯できる。勇気が出る本だと思う。
パラサイト・ミドルの衝撃 サラリーマン、45歳の憂鬱マナーの実践はテストみたいなものである。分かっているけれど、実際に行うときには間違ってしまった。あるいは、誤って覚えていたなどということが沢山ある。今回もこの本を読んでいて、そうだったのかと思うような再発見もあった。新入社員向けだと思うが、教科書をもう一度読んでみようと思う向きには1時間もあればよい。
藤原正彦先生の本は、「若き数学者のアメリカ」で初めて読んだ。その後、イギリスでの経験を書いた「遥かなるケンブリッジ―一数学者のイギリス」もある。数学者としてというよりは、一人の武士として外国に乗り込んでいくという気概があふれており、若いころからお好きだったエッセイストのお一人として、藤原先生がお書きになった本は、すべて読んでいる。その藤原先生の講演を文章化したものが本書である。
藤原先生は、気象庁の職員としても富士山頂のレーダードームの建設などすばらしい業績を持ちながら、小説家でもあり、山岳小説(ご本人は嫌いな言葉らしい)の分野ですばらしい作品を残した新田次郎、「流れる星は生きている」という戦後の大ベストセラーで有名な藤原ていの子どもとして生まれ、数学者でありながら、すばらしいエッセイを書くことで高名な方である。
その藤原先生が日本人にしっかりとしたアイデンティティを持てと叱咤激励している。「自由」に関する議論など、よくお分かりになっているにもかかわらず、わかり易く説明するために通俗的になりすぎているところなど、そのまま首肯できないところもあるが、全体としては、日本人として武士道を核として日本のことをしっかりと学べというトーンで書かれており、そうだそうだと読めるところが多い本である。
日本人として、自信を持つことの大事さ、教育の重要性を再確認させられる。
食い足りないという声が必ず出るだろうという本である。何といっても各業種を2ページにまとめ、原価を知ろうというのだから大胆である。
とは言っても、これだけのものを簡単に調べようと思うと大変である。雑学の本として面白いと思って読むべき本である。
「ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か」に魅せられて以来、「ザ・ゴール 2 ― 思考プロセス」に続き読む。プロジェクトが遅れる問題点はそれなりに分かっているはずだが、このように鮮やかな謎解きをされると爽快である。
会社でこんなに、どんどんと仕事ができたら楽しいだろう、と思わせる一冊。
クリティカルチェーン―なぜ、プロジェクトは予定どおりに進まないのか?清水一行さんの本。ノンフィクションと言いながら、実際の事件を題材にしており、虚実が混じっているのだろう。光文社らしい本。品格がない本である。
島田陽介さんの本を初めて読んだが、とても読みやすく、勉強になった。コンシューマー、カスタマー、顧客を使い分けていらっしゃるので、簡単には言えないのだろうが、要するに自分のお客様を見て、営業戦略を考えろとのこと。他社を見ることではないというのが、ひしひしと伝わってくる。
流通業ではなくても、大変勉強になる。
なぜウォルマートは日本で成功しないのか?独立行政法人が暴走しているところを明らかにしたところは、読み応えあり。
しかしながら、官が悪く、民ならばよいという単純な発想に結局帰着しているところがあり、そのことが、この本を読みにくくしている。例えば、「人々の自己決定力の増大に伴って、関心は日常時の外へ広がり、人類を含む地球環境との共生が、人々の重要な関心事となってくるのだ。」「改革は自己決定力の増大を多くの個人にもたらし、そのことがコミュニケーションの質も高めていく。」というようなことを書かれると、その楽観主義にびっくりする。前半部分の事実に関するレポートだけにするとよいだろう。
池波正太郎さんが昭和54年から2年間に渡って雑誌「太陽」へ連載したエッセイ集。「この一巻を、旅行の案内書のようにお読みにならずに、私の随筆集として、お読みいただければ幸いである。」と昭和61年のまえがきにある。日本のみならず、フランスのホテルや旅館を利用して感じたことを、池波さんならではの人生観がにじみ出るように描き出す。ゆったりとした気分になれる一冊である。
よい匂いのする一夜