ふとっちょパパの気ままな日記

読書履歴を中心に日々の記録を書きます

曲り角の日本語

2011-08-31 00:16:30 | 本と雑誌

水谷静夫先生の名を知らなかったが、1926年生まれの方。
コンピュータを用いた言語処理に早くから取り組まれたと紹介されている。また、岩波国語辞典の編纂に、初版(1963年)から第7版(2009年)までかかわられたとも紹介されている。
学校文法が誤っているという鋭い指摘が随所になされる。
理解できたとは言えないが、首肯できる、正鵠を得ているところが多いのではないかと思う。

それにしても、将来は三段活用はなくなり、同市の活用は一段と四段とに落ち着くだろうという指摘の後に、
<例えば、「切符を手に入れたから芝居を見に行こう」という言い方は、6,70年後、どういう形になると予測できるでしょうか。おそらく、「チケットゲットしたからシアターしよう」になるでしょう。もはや動詞のいろいろな圧用はいらなくなるわけです。ますます活用語は末細りになっていく。>(P184)
と書いてあるが、ありそうである。

なお、本書の紹介とは関係ないが、正鵠は射るよりも得る方が、なんとなくしっくりとくる。皆さんはいかがだろうか。

目次

第1章 辞典になぜ改訂が必要か
第2章 日本語が曲り角に、今?
第3章 文法論を作り直せ
第4章 日本語未来図

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シモネッタのドラゴン姥桜

2011-08-28 07:50:45 | 本と雑誌

田丸公美子さんの子育ての話。
優秀な息子さんだ。
また、田丸さんも理解ある親。おそらくご主人も。
息子さんのバイタリティには、感心する。
この親にも子にもなれない。

シモネッタのドラゴン姥桜 (文春文庫)

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シモネッタの本能三昧イタリア紀行

2011-08-26 19:59:58 | 本と雑誌

シモネッタとは田丸公美子さんのあだ名。よくつけたものだ。
楽しく、読める。
以前田丸さんの文章を読んだ時には、まだ読みにくい感じがしたが、今回のものはとても読みやすく、文章力が随分と上がっているように思う。
単なる下ネタだけでなく、イタリア論でもあるし、紀行文としても一級である。

目次

第1章 ローマ
第2章 ミラノ
第3章 ボローニャ
第4章 ルガーノ
第5章 ナポリ
第6章 ヴェネツィア
第7章 ヴェネト地方・ブレンタ運河
第8章 フィレンツェ
第9章 シチリア
第10章 マテーラ
第11章 ペルージャ

シモネッタの本能三昧イタリア紀行 (講談社文庫)

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新・堕落論―我欲と天罰

2011-08-24 22:07:00 | 本と雑誌

石原慎太郎さんの本。
石原慎太郎というだけで、毛嫌いする人も多そうだ。
しかしながら、多くの人に読んでもらいたい本である。
読んだら、嫌だと言う人も多いかな。

ハルノートに関する指摘も、こう学べば、開戦の経緯も違って理解できるだろう。
<日本を開戦に追いこんだ悪名高いハル・ノートは国務長官だったコーデル・ハルが書いたものではなく、実は彼のスタッフだったホワイトという男がものしたということがわかり、さらにマッカーシー上院議員による赤狩りの中でホワイトがなんとコミンテルンの隠れたメンバーだったことが露見しホワイトは自殺に追い込まれた。
 モスクワの密命を受けたスパイが、ソヴィエトの南進の野心を遂げさせるために日本を戦争に追い込み、実際にソヴィエトは敗戦のどさくさに南下して日本の北方領土をかすめとってしまったのです。
 ハル・ノートとは、日本が近代化以来行った戦争、日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦での勝利の結果獲得した海外領土と種々権益を一切放棄して返さぬ限り、アメリカ、イギリス、フランスの国々は一切の物資の供給を停止するという過酷なものでした。戦争に反対しつづけていた昭和天皇もそれを見て、ここまでいわれるのなら覚悟せざるを得まいと開戦の決心をされたのです。>(P31~P32)

また、「年次改革要望書」についての指摘も鋭い。(P49~)以前から一方的に言われるのはおかしいと思っていたことを、自民党の内情も含め指摘がある。

さらには、横田基地に関する指摘も興味深い(P51~)。左翼であるとか右翼であるとかを超えて、きちんとアメリカに論理的に主張ができる人をリーダーに持ちたいものである。

なお、内田樹さんに書評を書いてもらいたい本だ。
彼ならどう批評するのだろうか。

目次

1章 平和の毒
2章 仮想と虚妄

新・堕落論―我欲と天罰 (新潮新書)

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ヤクザが葬儀にやってきた

2011-08-23 06:51:01 | 本と雑誌

ヤクザお断りの宮本照夫さんの著。
その宮本さんが、ヤクザ対ヤクザの争いに巻き込まれるとは。
関わり合いたくないメンバーである。

目次

第1章 一通の手紙
第2章 宮島太郎の正体
第3章 ヤクザが身内にやってきた
第4章 壊された人々

ヤクザが葬儀にやってきた (朝日文庫 み 18-5)

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老いの才覚

2011-08-22 00:23:06 | 本と雑誌

曽野綾子さんの本。
そろそろ考え始めないと、本当に老いてからは考えられない。

曽野綾子さんらしい厳しい言葉もあり、考えさせられる。

目次

第1章 なぜ老人は才覚を失ってしまったのか
第2章 老いの基本は「自立」と「自律」
第3章 人間は死ぬまで働かなくてはいけない
第4章 晩年になったら夫婦や親子との付き合い方も変える
第5章 一文無しになってもお金に困らない生き方
第6章 孤独と付き合い、人生をおもしろがるコツ
第7章 老い、病気、死と馴れ親しむ
第8章 神様の視点を持てば、人生と世界が理解できる


老いの才覚 (ベスト新書)

コメント (2)
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人は皆「自分だけは死なない」と思っている -防災オンチの日本人-

2011-08-21 16:15:20 | 本と雑誌

読書仲間にいただいて読んだ本。著者の山村武彦さんは防災コンサルタント。
表題のとおりである。
初出は2005.3.16であるが、東日本大震災の前に多くの人が読み、実践していれば、死者の数は少しは減ったかもしれない。
他方、表題のとおり、「自分だけは死なない」と私も思っているので、行動は変わらないかもしれない。
多くの人に読んでみてもらいたい本である。

目次

Part1 人間には「自分だけは大丈夫」と期待する本能がある
 1 「皆でいるから大丈夫」の怖さ
 2 「まさか!」の落とし穴 ほか
 3 心の非常スイッチが入らない現代人
 4 地震が来るとパニックは起きるのか?
Part2 地震に備えない人々
 1 不安はあるのに備えはしない人々
 2 防災オンチの日本人
Part3 自分だけは逃げ切れると思っていた人々
 1 知らなければ逃げられない
 2 自分は冷静でいられるという思い込みの危うさ
Part4 緊急時に知っておくべきこと
 1 非常時に人が陥る心理
 2 生死を分ける行動力
Part5 地震予知・防災常識のカラクリ
 1 地震予知を信じていいか?
 2 防災常識の三大ウソ
心の防災袋

人は皆「自分だけは死なない」と思っている -防災オンチの日本人-

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ヤクザが店にやってきた―暴力団と闘う飲食店オーナーの奮闘記

2011-08-19 12:22:56 | 本と雑誌

一度読んだ本だった。新潮文庫から出ていたので、新しい本だと思ってしまった。
とは言え、面白い本である。
暴力団はどこからでも入ってくるのだなと思う。

目次

グラス一つの裁判
南武線稲川会マル暴との徹底抗戦記
ヤクザと悪質な客―脅しの手口(借金をかたにビル乗っ取り。暴力団がやってきた
「鉄砲玉」三文二郎の二束三文の人生 ほか)
九州太郎―あるヤクザとの奇妙な出会いと別れ

ヤクザが店にやってきた―暴力団と闘う飲食店オーナーの奮闘記 (新潮文庫)

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菊の御紋章と火炎ビン―「ひめゆりの塔」「伊勢神宮」が燃えた「昭和50年」

2011-08-18 05:59:39 | 本と雑誌

佐々淳行さんの経験。
昭和50年当時書けばすごい内部告発だが、今となっては貴重な歴史的記録である。
今でもぎりぎりのところで仕事をしている人がいるのだろうが、爆弾テロのようなものと違い、分かりにくいかもしれない。人間が行う仕事だから、同じように卑怯だと思わせる人もいるだろう。
佐々さんが描くような人が上司になったことはないし、自分もそうではないと思いたい。

それにしても、文章力は冴え、人物描写も的確。最近読んだ本でも内部告発の本はあるが、レベルが違いすぎる。

目次

第1章 沖縄無血返還の大功労者・佐藤栄作死す―思わぬ「右」からのフックで三木武夫はノックアウト
第2章 「内戦」としての三菱重工業等連続企業爆破事件―「狼」「大地の牙」「さそり」一斉検挙
第3章 聖域としての「ひめゆりの塔」―「沖縄返還阻止闘争」は民族独立運動だった
第4章 「ひめゆりの塔」火炎ビン事件の“真相”―見事な「ノーブレス・オブリージ」
第5章 交響楽『昭和50年』の間奏曲・クアラルンプール事件―米大使館占拠のテロリストに屈した「超法規釈放」
第6章 「懲戒栄転」で三重県警本部長へ―「危機管理の鬼」となり猛訓練の日々
第7章 史上初の「伊勢神宮」風日祈宮炎上―再び皇太子ご夫妻を狙った火炎ビン
第8章 懐かしの三重県警“昭和グラフィティ”―ノウ・モア・タヌキから意外な感謝状まで
第9章 さらば警察庁、こんにちは防衛庁―狂瀾怒涛の時代が終り、「治世の能吏」の時代始まる
第10章 “万年課長”の憂鬱―武功をたてすぎた武将の「敗者の条件」とは
第11章 私の考える「天皇制」―昭和の「大逆事件」との闘い
最終章 老兵は死なず、ただ書き遺すのみ―「虎ヘ死シテ皮ヲ残ス」老護民官のモノローグ

菊の御紋章と火炎ビン―「ひめゆりの塔」「伊勢神宮」が燃えた「昭和50年」

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日本中枢の崩壊

2011-08-17 07:14:19 | 本と雑誌

話題の人となった古賀茂明さん。
帯は<「日本の裏支配者が誰か教えよう」>などとおどろおどろしいが、内容はそうでもない。
一生懸命仕事をする優秀な官僚はどうすれば作れるのかと、考えてしまった。また、民主政権になっての首相のレベルダウンが激しいことはこの本を読んでもわかるが、そもそも政治家のレベルアップはどうすれば可能だろうかとも思う。自分たちのレベルの政府しか持てないというのはそのとおりだろうと思う。

目次

序章 福島原発事故の裏で
第1章 暗転した官僚人生
第2章 公務員制度改革の大逆流
第3章 霞が関の過ちを知った出張
第4章 役人たちが暴走する仕組み
第5章 民主党政権が躓いた場所
第6章 政治主導を実現する三つの組織
第7章 役人―その困った生態
第8章 官僚の政策が壊す日本
終章 起死回生の策


日本中枢の崩壊

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国家の実力―危機管理能力のない国は滅びる

2011-08-14 09:43:47 | 本と雑誌

佐々淳行さんと渡部昇一さんの対談。
お二人とも昭和5年(1930年)の生まれであるから81歳。
お元気であるし、指摘も的確である。
我々の世代にも人材はいるのであろうか。

目次

第1章 震災が明らかにした民主党政権の無責任さ―菅政権の実力
第2章 世界が絶賛した日本人のガバナビリティー―日本国民の実力
第3章 乗り越えてきた危機から学ぶ―危機管理とはどうあるべきか
第4章 禍を福となす逆転の発想法―日本復興への道筋
第5章 日本を取り巻く危機にいかに対処するか―独立国としての実力
第6章 いまこの国を誰に託すべきか―次期リーダーの実力

国家の実力―危機管理能力のない国は滅びる

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「危機管理・記者会見」のノウハウ―東日本大震災・政変・スキャンダルをいかに乗り越えるか

2011-08-14 08:19:44 | 本と雑誌

佐々淳行さんの本を最近読むことが多い。
繰り返し同じことを書いている。
それくらい書いても、世の中を動かすような力はもうないのかもしれない。
佐々さんのような危機管理のプロが若い人にも育ってほしい。

目次

第1章 東日本大震災という「国難」―「憂いなければ備えなし」
第2章 民主党が日本を滅ぼす!―「広報」と「勤務体制」
第3章 奇跡を起こすための弁論術―「敵地攻撃」と「ソフィスト的詭弁術」
第4章 「守りの広報」と「攻めの広報」―“PR”の二つの意味
第5章 猛獣マスコミを手なずけるには―「情報の一元化」よりも「発表の一元化」が大事
第6章 涙の記者会見は「男女格差」あり―グッドルーザーになるためには
第7章 わが失言の収支決算―イスラエル大使からの「物言い」

「危機管理・記者会見」のノウハウ―東日本大震災・政変・スキャンダルをいかに乗り越えるか (文春文庫)

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交渉術

2011-08-13 23:59:40 | 本と雑誌

佐藤優さんの本。
どこまでが本当で、どこまでが作り話かは分からない。
ただ、作り物として読んでみても、私には面白い。

目次

1 神をも論破する説得の技法
2 本当に怖いセックスの罠
3 私が体験したハニートラップ
4 酒は人間の本性を暴く
5 賢いワイロの渡し方
6 外務省・松尾事件の真相
7 私が誘われた国際経済犯罪
8 上司と部下の危険な関係
9 「恥を棄てる」サバイバルの極意
10 「加藤の乱」で知るトップの孤独
11 リーダーの本気を見極める
12 小渕vsプーチンの真剣勝負
13 意地悪も人心掌握術
14 総理の女性スキャンダル
15 エリツィンの五段階解決論
16 米原万里さんの仕掛け
17 交渉の失敗から学ぶには

交渉術 (文春文庫)

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「おじさん」的思考

2011-08-10 06:57:28 | 本と雑誌

またまた内田樹さん。
表題の本は、内田樹さんが世に知られるようになった2002年4月に単行本がでている。その文庫化である。
初出の本を読んだことがなかったので、さっそく購入して読んでみる。

憲法9条論なども、法学を学んだものとは全く別の理路で説明される。
エッセイが中心であるので、一つ一つは短いものであり、こんな説明ができれば世の中の見方もしっかりするのだろうと思う。
「正しいおじさん」になりたいと思う。

目次

第1章 「おじさん」の正しい思想的態度
第2章 老人国日本にむけて
第3章 「説教」はおじさんの義務であり権利である
第4章 「大人」になること―漱石の場合

「おじさん」的思考 (角川文庫)

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誰も教えてくれなかった運とツキの法則

2011-08-07 08:31:52 | 本と雑誌

林野宏(りんのひろし)さんは、クレディセゾン社長。
おっしゃっていることは目新しいとは思わないが、成功している人には理由があると思う。
私は、ゴルフもマージャンもしないので、それらを例に説明しているところは、居酒屋で自慢話を聞いている感じがしたが、それ以外のビジネスの部分はよく分かる。
いつも思うのだが、理屈は分かるが実践できるかどうかが成功するかしないかの差であると思う。

目次

第1部 運とツキをつかむための大原則
 第1章 勝運の引き寄せ方は「勝つ」にこだわること
 第2章 「運とツキの法則」を知る
 第3章 勝負に勝つための「人間力」を高める
第2部 運とツキと企業経営とマーケティング―Rアカデミー
 第4章 究極の運とツキは「情熱」以外にない
 第5章 成功を導くためには人材を育てる
 第6章 運とツキをまねくリーダーシップとは
巻末付録 運とツキの法則―西田文郎さんに学ぶ

誰も教えてくれなかった運とツキの法則

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