馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

子馬の脛骨近位成長板損傷の変遷 Richardson教授の評価

2019-05-28 | 整形外科

T-LCP を使って脛骨近位成長板損傷を内固定した。

 

 

いつものように、ペンシルヴァニア大学New Bolton Center のRichardson教授に写真を送って評価してもらった。

                   

 I think your approach and execution were excellent! Very nice job. 

I haven't watched the AO video in a while but I recall I also do not do it quite like they describe. I have used the figure-8 wire but don't like it very much. 

 

My biggest change would be to use a shorter plate.  I have even done neonates with a 3 hole pastern arthrodesis plate but usually use a 5-hole narrow T-plate.

 

 

One other concern with this T-plate is that I have had one foal split the epiphysis with 3 screws in the "T".  Therefore, I only use two screws in that part.

 

I remove these pretty quickly,  often around 3 weeks or so in neonates but pretty much always less than 6 weeks unless they still have a valgus.

 

君のアプローチと実践はとても良い! 非常に良いできだ。

 

私はそのAOのヴィデオをまったく観ていないが、私も彼らが言っているのと同じようにはやらないと思う。

私は8字ワイヤーを使ってきたが、あまり好きではない。

 

私の最も大きな違いは短いプレートを使うことだ。

新生子馬では繋の関節固定用の3穴を使うことさえある。しかし、いつもは5穴のTプレートを使う。

 

このTプレートについてのもうひとつの懸念は、”T”の3本のスクリューで骨端が割れてしまった子馬が居たことだ。

だから、私はこの部分にスクリューを2本だけ入れる。

 

私はプレートとスクリューをかなり早く抜く。新生子馬では、しばしば3週間とか、外反がまだあっても6週間以内には抜くことが多い。

                  -

骨端部に3本のスクリューは多すぎる、というのは興味深い指摘だ。

2本で充分なのかもしれない。

 

長すぎる期間、内固定してはいけない、というのは成長板損傷についてRichardson教授にいつも言われることだ。

成長板が骨癒合してしまうと、成長できなくなることで障害が起こる。

 

AOのヴィデオをRichardson教授が観ていない、というのは面白い。

そんなもんなんだな。

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結腸捻転多発時季なのだが、今のところそれほどのrushにはなっていない。

警報発令の効果があったか?;笑

 

 

 

 

 

 

 



4 コメント

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Unknown (はとぽっけ)
2019-05-28 06:04:34
 これは5月22日の記事のですね。
 exellent で very nice job だって
 Tの横バー部分はほかの先生も同じ意見の方がいました。そこに至るのに、子馬が痛いことになったと思うとちょっと嫌なイメージ沸くけど、よい結果見て払拭したいです。
 結腸捻転多くない?効果あったかもですね。
 なんか、もっさもっさした牧草地ですね。食べ放題なのに母馬に口籠ついてる。白いところは発汗?牧草地で白い汗見たことない。あかちゃん、おなか丈夫で元気なおんまさんにな~れ~。
 突然の暑さ祭り終了。ひと雨来そうな朝。
Unknown (zebra)
2019-05-28 06:57:45
外科の先生が手篭めにしているところを解釈することは常に興味深いです。
パターンでは絶対決まらないから、スキルに相違が生じるのでしょう。
LCPのトラクションをかけるなら3穴使用が必要条件になりましょうけれども、
1)ヘッドを確実にロックするDrRichardsonの手技
2)必ず外反する離開パターンから骨幹を引きつける条件が必然的に生じ、Tの付け根にくるスクリューを通常のものにすることで骨端のLockingも成立させられるだけの必要なトラクションが得られると言う解釈
がDrの手技の実行と成果につながるのかもしれません。

2本使用がトラクションのかかるペアだっだら笑ってください
>はとぽっけさん (hig)
2019-05-29 04:39:40
このタイプの骨折は、骨端部に複数のscrewをどれだけしっかり入れられるかにかかっていると思います。骨端板に近すぎると、そこが割れるように壊れてしまうかもしれません。3本は多すぎる、というのは難しい指摘です。私は1本は皮質骨screwを入れて、あと2本はLHSを使いたいかな。

この親子は、実は入院厩舎のパドックに居ました。親が疝痛でしたが、治まっていて、経過を観て帰っていきました。
>zebraさん (hig)
2019-05-29 04:46:23
構造力学的にはさほど難しくなく計算できるはずなのに、生体に応用するとなると、権威者やプレートの設計者の中でも意見が異なるのは面白いことです。

AOのヴィデオでは、まずpush-pull deviceを用いて、横棒部分を骨端に押し付けています。そして、最終的にはLHSを3本入れています。
縦棒に入れるscrewは、反対側の三角へlag法で入れなさい、ということです。私は三角部分がよほど大きいのでなければ意味がないと考えています。

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