馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

子宮角穿孔の開腹手術

2018-04-24 | 麻酔学

ことしは本当に子宮穿孔が多い。

記録的な積雪で、放牧地での運動が足らなかったことと関係があるのだろう。

生まれて2日目の子馬。

具合の悪いお母さんと一緒に来院したが、疲れて診療室で寝てしまった。

お母さんは腹痛というより、腹腔内と膣外への出血による貧血とふるえ。

触診で左子宮角の穿孔が確定診断された。

毛を刈って、イソジンスクラブをかけて、

水分つけてブラシで洗う。

水でびちゃびちゃにはしない。

水分は滅菌したペーパータオルで拭き取る。

ポピドンイオジンスクラブで洗ってから、クロルヘキシジンスクラブで消毒する。

10%ポピドンイオジンをスプレーして、

クロルヘキシジン・アルコールを浸み込ませた綿でぬぐいとって、

またペーパータオルで拭いて乾かす。

滅菌布をかける。

開腹手術準備のできあがり。

腹水の白血球数は59800.

フリーの細菌は見当たらなかったが、好中球に貪食されている細菌が見えた。

出血が多かったのが、この症例の特徴だった。

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コブシが咲いた。

春の野には匂いがいっぱい。

雪の下で死んで腐っているネズミの死骸に体をこすりつけて・・・・

ヤメロ!!